【一人ずつ】と【一人づつ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「ひとりずつ」という読み方の「一人ずつ」と「一人づつ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「一人ずつ」と「一人づつ」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「一人ずつ」と「一人づつ」の違い

「一人ずつ」と「一人づつ」の意味の違い

「一人ずつ」と「一人づつ」の違いを分かりやすく言うと、「一人ずつ」とは現代仮名遣い、「一人づつ」とは歴史的仮名遣いという違いです。

「一人ずつ」と「一人づつ」の使い方の違い

一つ目の「一人ずつ」を使った分かりやすい例としては、「一人ずつ順番に並んでください」「一人ずつバスへ乗り込みました」「私には兄と弟が一人ずついます」「サッカー選手が一人ずつ出てきました」などがあります。

二つ目の「一人づつ」を使った分かりやすい例としては、「一人づつ順番に呼びますのでしばらくお待ちください」「取り調べは一人づつ行います」「部屋にはいると男と女が一人づつ座っていた」などがあります。

「一人ずつ」と「一人づつ」の使い分け方

「一人ずつ」と「一人づつ」の大きな違いは「一人ずつ」が現代仮名遣いで、「一人づつ」が歴史的仮名遣いということです。

どちらも正しい日本語なのですが、現代においては内閣告示の現代仮名遣いである「ずつ」の方を使うのが一般的になっています。そのため、法令、新聞、公的な書類などでは「一人ずつ」の方を使うようにしましょう。それ以外の場面では好きな方を使っても問題ありません。

「一人ずつ」と「一人づつ」の英語表記の違い

「一人ずつ」も「一人づつ」も英語にすると「one by one」となり、例えば上記の「サッカー選手が一人ずつ出てきました」を英語にすると「The soccer players came out one by one」となります。

「一人ずつ」の意味

「一人ずつ」とは

「一人ずつ」とは、一人の量を等分に割り当てることや一人の動作を繰り返すことを意味しています。

表現方法は「一人ずつ順番に」「一人ずつお願いできますか」

「一人ずつ順番に」「一人ずつお願いできますか」などが、「一人ずつ」を使った一般的な言い回しになります。

「一人ずつ」の使い方

「一人ずつ」を使った分かりやすい例としては、「我々は一人ずつ呼び出されました」「お会計は一人ずつお願いできますか」「質問は一人ずつ順番にお願いします」などがあります。

「一人ずつ」は一人の量を等分に割り当てることや一人の動作を繰り返すことを表す現代仮名遣いになります。現代仮名遣いとは、1986年7月1日に昭和61年内閣告示第1号として公布された日本語の仮名遣いのことです。

現代仮名遣いにおいて、歴史的に表記されてきた「づ」も「ず」に統一するとされています。そのため、法令、新聞、公的な書類などでは「ずつ」を用いた「一人ずつ」を使うようにしましょう。

「一人ずつ」の類語

「一人ずつ」の類語・類義語としては、一個を均等に割り当てることを意味する「一個ずつ」があります。

「一人づつ」の意味

「一人づつ」とは

「一人づつ」とは、一人の量を等分に割り当てることや一人の動作を繰り返すことを意味しています。

表現方法は「一人づつ順番に」「一人づつお願いできますか」

「一人づつ順番に」「一人づつお願いできますか」などが、「一人ずつ」を使った一般的な言い回しになります。

「一人づつ」の使い方

「一人づつ」を使った分かりやすい例としては、「一人づづ順番に移動してください」「一人づづ船に乗り込んだ」「私には姉と妹が一人づついます」「お会計は一人づつにすることが可能でしょうか」などがあります。

「一人づつ」は一人の量を等分に割り当てることや一人の動作を繰り返すことを表す歴史的仮名遣いになります。

歴史的仮名遣いとは、明治時代から第二次世界大戦終結直後までの公文書や学校教育において用いられたもので、平安時代初期までの実際の綴りを基盤としている言葉です。

「一人づつ」は公的文書では使えない

歴史的仮名遣いは間違った日本語ではないのではないのですが、現代にはおいては「づつ」を使うよりも「ずつ」の方を使うのが推奨されています。また、法令、新聞、公的な書類などでは「づつ」を用いた「一人づつ」は使えないと覚えておきましょう。

「一人づつ」の類語

「一人づつ」の類語・類義語としては、一個の量を繰り返すことを意味する「一個づつ」があります。

「一人ずつ」の例文

1.このチームは左右に一人ずつ配置するウイングと、中央でボールを待つセンターフォワードで構成されています。
2.この道はとても狭いので、一人ずつ順番に通ってください。
3.一人ずつ順番にお呼びいたしますので、しばらくその場でお待ちくださいというアナウンスが流れました。
4.今日の授業は、夏休みの一番印象に残った出来事を一人ずつ話すことです。
5.彼が刀を一振りするたびに、敵の兵士は一人ずつ倒れていきました。
6.わたしたちは消毒液とマスクを購入するために一人ずつ順番に並んで待っていたが、中には横入りするものもおり、それを注意して喧嘩になっていることもあった。
7.大学時代の女友達に5年ぶりに会ったら、女の子と男の子と一人ずつ連れており、わたしはもしかしてもう子供がふたりもいるのかと驚いてしまったのだ。
8.男は俗に言うプレーボーイだったので次から次へと女を乗り換えていったが、どうやら一人ずつというわけではなく3~4人の同時進行も多々あったそうだ。
9.わたしは転職先の会社に慣れるために社員全員のフルネームを一人ずつ覚えて、しっかりと名前で呼べるようにしたことで一定の信頼を勝ち取ったのだ。
10.卒業式が終わると、生徒は教室に集まり、先生が一人ずつ生徒の名前を読み上げてから一年間の思い出を語り丁寧に卒業証書を渡していたのだが、それがとても感動的だったのだ。

この言葉がよく使われる場面としては、一人の量を等分に割り当てることや一人の動作を繰り返すことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、人に対してしか使わない、限定的な場面で使う言葉になります。

「一人づつ」の例文

1.この穴はとても狭いので、一人づつ順番に通るようにお願いします。
2.私の家族構成は、妻と息子と娘が一人づつの四人家族になります。
3.船乗り場が大変狭くなっているので、一人づつ順番に乗ってください。
4.誰か見張ってなければならないので、トイレへ行くにも一人づつ交代で行く必要があります。
5.この電車は、一車両に一人づつくらいしか乗っていませんでした。
6.高校受験の合否は一人づつ校長室に呼びされれて伝えられることになっていたが、わたしは緊張のあまり吐き気を催してしまい保健室でその結果を聞いたのだった。
7.遊園地では男女が一人づつペアになって疑似デートのようにして遊ぶことになったのだが、相手の女性がわたしでは嫌だと言い出してきたので内心ショックを受けてしまった。
8.夏休みが明けて最初の授業では生徒に一人づつ休みの間の思い出を語ってもらう授業があったが、家庭の事情でどこにも行けなかったわたしはそれが嫌で嫌でたまらなかった。
9.社長がワンマン体質のため、部下が意見をすればすぐに飛ばされてしまうので優秀な社員が一人づつやめて行ってしまっていたが、まったく意に介していないようだった。
10.わたしはプリントを印刷して一人づつ配るのは非効率だと思ったので、保護者向けにメッセージアプリのグループを作り、そこに一斉にPDFファイルを配ることで効率を図った。

この言葉がよく使われる場面としては、一人の量を等分に割り当てることや一人の動作を繰り返すことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、人に対してしか使わない、限定的な場面で使う言葉になります。

「一人ずつ」と「一人づつ」という言葉は、どちらも一人の量を等分に割り当てることや一人の動作を繰り返すことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、現代仮名遣いである「一人ずつ」を使うようにしましょう。

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