似た意味を持つ「ガセ」と「デマ」と「ホラ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ガセ」と「デマ」と「ホラ」という言葉は、偽物や嘘という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ガセとデマとホラの違い
ガセとデマとホラの意味の違い
ガセとデマとホラの違いを分かりやすく言うと、ガセは発信者は嘘だと知らず悪意がない時に使い、デマは嘘だと知っている上で悪意がある時に使い、ホラは嘘だと知っているが悪意はない時に使うという違いです。
ガセとデマとホラの使い方の違い
ガセという言葉は、「有名俳優と女優の交際報道はガセネタだったらしい」「多くの人に拡散する前にガセかもしれないことを疑うべきだ」などの使い方で、偽物やまやかしを意味します。
デマという言葉は、「病気も災害もデマ情報が多い」「デマを見極める必要がある」などの使い方で、事実に反する噂を意味します。
ホラという言葉は、「彼はホラを吹くためあまり信用されていない」「ホラ話だと分かっていても面白い」などの使い方で、でたらめに言うことやその話を意味します。
ガセとデマとホラの使い分け方
情報を流す人が嘘かどうか理解しているか否か、そして発信者に人を騙そうという悪意があるか否かによって三つの言葉を使い分けます。
デマとホラは、情報の発信者がその内容を嘘だと理解している時に使いますが、前者には人を騙して煽り立てたり、人を傷つけたりしますが、後者はその話の内容で他者を楽しませようとします。
一方、ガセは、情報の発信者はその内容が嘘なのか真実なのかは分からない噂話などに使います。そのため、人を傷つけたりする意思などもないので、悪意はありません。
これが、ガセ、デマ、ホラの明確な違いです。
ガセの意味
ガセとは
ガセとは、偽物やまやかしものを意味しています。
ガセの由来
ガセは「人騒がせ」の「がせ」の部分から由来している説がある言葉です。
「ガセネタ」の意味
ガセを使った言葉として、「ガセネタ」があります。これは、嘘の情報や事実と異なるうその内容からなる情報を指す言葉で、今日ではガセ一言でガセネタを意味することもあります。
ガセネタのネタも、商品の種の「タネ」が語源と言われ、怪しい商品の意味で使われていたネタも警察関係者やマスコミの間では後に情報の意味で使われるようになりました。
京都府警察部が1915年に出版した『隠語輯覧』(読み方:いんごしゅうらん)には、事実と異なる嘘を意味するガセも、情報を意味するネタも掲載されています。
ガセの類語
ガセの類語・類義語としては、内容の間違った知らせを意味する「誤報」、世間の評判を意味する「風評」、根拠のないうわさを意味する「浮説」(読み方:ふせつ)があります。
デマの意味
デマとは
デマとは、事実に反する噂を意味しています。
デマの語源
デマはドイツ語の「デマゴギー」の「デマ」の部分が語源で、政治的な目的で意図的に流された虚偽の情報を指す言葉ですが、この使い方をするのは日本のみと言われており、本来嘘偽りの意味はありません。
起源は古代ギリシアまで遡り、本来は民衆の指導者を指す言葉として使われていた言葉ですが、当時の指導者が連続して煽動的であったことから、デマゴーグという言葉は人々の感情に訴える権力者の意味で使われ、彼らの煽動をデマゴギーを呼んでいました。
「デマウイルス」の意味
デマを使った言葉として、「デマウイルス」があります。これは、実在しないコンピューターウイルスに対する注意や処置に関する情報を指す言葉で、騒ぎを起こすことを目的に送信されています。
チェーンメールやチェーンメッセージと呼ばれる、受信者の不安を煽るような内容が書かれ、その内容を他者に転送を促すようなものはデマウイルスに該当します。
表現方法は「デマを流す」「デマを飛ばす」「デマに惑わされない」
「デマを流す」「デマを飛ばす」「デマに惑わされない」などが、デマを使った一般的な言い回しです。
デマの対義語
デマの対義語・反対語としては、嘘偽りのないことを意味する「真実」があります。
デマの類語
デマの類語・類義語としては、口づてに伝えられる根拠のない情報を意味する「流言飛語」、根拠のない噂を意味する「空言」、言いふらされている根拠のない噂を意味する「流説」、世間に広まっている噂を意味する「風説」があります。
ホラの意味
ホラとは
ホラとは、でたらめに言うことやその話を意味しています。また、大げさに言うことも意味します。
ホラの由来
ホラは法螺貝のホラが由来となった言葉ですが、法螺貝は地中に棲んでいる間に精気を得て海に入ると言われており、その際に山が崩れて洪水が起こるという俗信がありました。
この意味から、ホラという言葉が意外な大儲けをすることを意味するようになり、大げさな嘘を吐くという意味を持つようにもなりました。
「ホラを吹く」の意味
ホラを使った言葉として、「ホラを吹く」があります。これは、大げさなでたらめを言ったり大きなことを言ったりすることを意味する慣用句で、ホラを吹く人のことを「ホラ吹き」とも言います。
法螺貝は、平安時代から山伏が使っていたり、戦国時代には合図や戦意高揚のための楽器として使われていました。
40cm以上になる個体もあるものの、法螺貝の大きさで合戦に使用できる程広範囲に大きな音を響かせることができることから、大げさなことや、奇想天外なことを意味するようになりました。
表現方法は「ホラ吹き」「ホラを吹く」
「ホラを吹く」以外では「ホラ吹き」「ホラを吹く」などが、ホラを使った一般的な言い回しです。
ホラの類語
ホラの類語・類義語としては、事実ではないことを意味する「嘘」、真実ではないのに真実のように見せかけることを意味する「虚偽」、出まかせで根拠のない言葉を意味する「虚言」、事実ではない嘘偽りを意味する「虚妄」があります。
ガセの例文
この言葉がよく使われる場面としては、偽物やまやかしものを意味する時などが挙げられます。
ガセとは異なり、ホラは嘘かどうかわからない上、相手を楽しませようというする場合などに使われるため置き換えて使うことはできません。
デマの例文
この言葉がよく使われる場面としては、事実に反する噂を意味する時などが挙げられます。
ガセやホラとは異なり、デマは悪意のある嘘を意味するため、ガセやホラに置き換えて使うことはできません。
ホラの例文
この言葉がよく使われる場面としては、でたらめに言うことやその話を意味する時などが挙げられます。
例文1の「大ホラを吹く」とは、物事を大げさに話すことを意味する慣用表現です。
ガセとデマとホラどれを使うか迷った場合は、発信者が嘘だと知らず悪意がない場合は「ガセ」を、嘘だと知っている上で悪意がある場合は「デマ」を、嘘だと知っているが悪意はない場合は「ホラ」を使うと覚えておけば間違いありません。