似た意味を持つ「ご手配」(読み方:ごてはい)と「お手配」(読み方:おてはい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ご手配」と「お手配」という言葉は、どちらも物事に先だって役割や段取りを決めたり必要な物を用意したりすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ご手配」と「お手配」の違い
「ご手配」と「お手配」の意味の違い
「ご手配」と「お手配」の違いを分かりやすく言うと、「ご手配」は尊敬語や謙譲語、「お手配」は美化語という違いです。
「ご手配」と「お手配」の使い方の違い
一つ目の「ご手配」を使った分かりやすい例としては、「チケットのご手配よろしくお願いいたします」「商品のご手配が遅れてしまい申し訳ございません」「ご手配くださり感謝いたします」などがあります。
二つ目の「お手配」を使った分かりやすい例としては、「団体様向けにバスのお手配承っております」「忘年会のお店のお手配をお願いできますか」「オーストラリア旅行のお手配は完了済みです」などがあります。
「ご手配」と「お手配」の使い分け方
「ご手配」と「お手配」は物事に先だって役割や段取りを決めたり必要な物を用意したりするという同じ意味を持つ言葉で、どちらも正しい日本語ですが、使い方に少し違いがあります。
「ご手配」は尊敬語や謙譲語で、「お手配」は美化語というのが違いです。
「ご手配」と「お手配」は意味が同じなので、基本的にどちらを使っても問題ありません。ただし、美化語は敬意を示す言葉ではないので、ビジネスシーンにおいて目上の人や取引先の人に対して使う場合は尊敬語や謙譲語の意味を持つ「ご手配」の方を使うようにしましょう。
「ご手配」と「お手配」の英語表記の違い
「ご手配」も「お手配」も英語にすると「arrangements」「preparations」となり、例えば上記の「オーストラリア旅行のお手配は完了済みです」を英語にすると「All the arrangements have been made for the trip to australia」となります。
「ご手配」の意味
「ご手配」とは
「ご手配」とは、物事に先だって役割や段取りを決めたり必要な物を用意したりすることを意味しています。
表現方法は「ご手配いただきありがとうございます」「ご手配いただけますと幸いです」
「ご手配いただきありがとうございます」「ご手配いただけますと幸いです」「ご手配のほど」「ご手配いただきたく存じます」「ご手配いただけますでしょうか」「早々にご手配いただき」などが、「ご手配」を使った一般的な言い回しになります。
「ご手配」の使い方
「ご手配」を使った分かりやすい例としては、「迅速にご手配いただきありがとうございます」「早急にご手配くださいますようお願い申し上げます」「必要資料のご手配ありがたく存じます」などがあります。
「ご手配」は物事に先だって役割や段取りを決めたり必要な物を用意したりすることを意味する「手配」に接頭語である「ご」がついた敬語です。
「ご手配」は前後の言葉により、尊敬語と謙譲語のどちらでも使うことができます。尊敬語とは話し手が聞き手や話題の主のその動作や状態などを高めて待遇することで、謙譲語とは自分の行動を相手よりも下の立場として表現することにより相手への敬意を示すことを意味しています。
「ご手配」の類語
「ご手配」の類語・類義語としては、物事をする前にあらかじめ必要なものを揃えたり態勢を整えたりして用意をすることを意味する「ご準備」、前もって必要なものを揃えて整えておくことを意味する「ご用意」などがあります。
「お手配」の意味
「お手配」とは
「お手配」とは、物事に先だって役割や段取りを決めたり必要な物を用意したりすることを意味しています。
表現方法は「お手配のほど」「お手配いたします」「お手配ありがとうございます」
「お手配のほど」「お手配いたします」「お手配ありがとうございます」「お手配いただけますでしょうか」などが、「お手配」を使った一般的な言い回しになります。
「お手配」の使い方
「お手配」を使った分かりやすい例としては、「ご利用のお客様のためハイヤーのお手配ができるようになりました」「お手配のほどよろしくお願い申し上げます」「お車の方はこちらでお手配させていただきます」などがあります。
「お手配」とは物事に先だって役割や段取りを決めたり必要な物を用意したりすることを意味する「手配」に「お」がついた美化語になります。
2007年までは敬語の種類は主に、丁寧語、尊敬語、謙譲語の3つでしたが、2007年以降は丁重語と美化語が増え、細かく分けるようになり5種類になりました。
美化語とは丁寧語の一種で丁寧語Ⅱとも言われており、表現をより上品にするための配慮を表す言葉です。美化語は丁寧な表現ではあるものの、敬意を示す言葉ではないので、ビジネスシーンにおいて目上の人に対して使うのは適していません。
美化語の例を挙げると、「お留守番」「お掃除」「お菓子」「お料理」「お買い物」「お会計」「お片付け」「お座敷」「お約束」「お財布」「お支払い」「お楽しみ」「お手洗い」などがあります。
「お手配」の類語
「お手配」の類語・類義語としては、事前に手くばりすることを意味する「手回し」、物事をする際に人をそれぞれに振り当てて準備することを意味する「手配り」などがあります。
「ご手配」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事に先だって役割や段取りを決めたり必要な物を用意したりすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「ご手配」はビジネスシーンにおいても使える言葉です。
「お手配」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事に先だって役割や段取りを決めたり必要な物を用意したりすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「お手配」はビジネスシーンにおいても使える言葉ですが、目上の人に対しては使わないようにしましょう。
「ご手配」と「お手配」という言葉は、どちらも物事に先だって役割や段取りを決めたり必要な物を用意したりすることを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、どちらの言葉を使っても問題ありません。ただし、ビジネスシーンにおいて目上の人や取引先に対して使う場合は、「ご手配」の方を使うようにしましょう。