似た日本語の「手持ちぶたさ」(読み方:てもちぶたさ)と「手持ちぶさた」(読み方:てもちぶさた)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「手持ちぶたさ」と「手持ちぶさた」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。
「手持ちぶたさ」と「手持ちぶさた」の違い
「手持ちぶたさ」は「手持ちぶさた」の間違い
「手持ちぶたさ」と「手持ちぶさた」の違いを分かりやすく言うと、「手持ちぶたさ」とは「手持ちぶさた」の間違った使い方、「手持ちぶさた」とはすることがなくて間が持たないことです。
「手持ちぶたさ」は誤字
一般的には「手持ちぶたさ」という言葉は存在しません。読み方が似ていることから、「手持ちぶさた」のことを間違えて「手持ちぶたさ」を使っている人がほとんどです。
「手持ちぶさた」は正しい日本語
正しい言葉である「手持ちぶさた」を使った分かりやすい例としては、「仕事がないので手持ちぶさたです」「眼科の待合室で手持ちぶさたな時間を過ごした」「手持ちぶさたになるのを恐れて小説本を持って行くことにしました」「その仕事を離れてから彼は手持ちぶさただ」などがあります。
「手持ちぶさた」という言葉はあっても、「手持ちぶたさ」という言葉は存在しません。同時に「手持ちぶさた」という単語の意味について「することがなくて間が持たないこと」と覚えておきましょう。
「手持ちぶさた」の英語表記
「手持ちぶさた」を英語にすると「have nothing to do」「at loose ends」となり、例えば上記の「その仕事を離れてから彼は手持ちぶさただ」を英語にすると「Since leaving the job, he has been at loose ends」となります。
「手持ちぶたさ」の意味
「手持ちぶたさ」とは
「手持ちぶたさ」とは、「手持ちぶさた」の間違った使われ方です。
「手持ちぶたさ」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「手持ちぶさた」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。
「手持ちぶたさ」と間違えやすい理由
「手持ちぶたさ」と「手持ちぶさた」を間違えてしまう一番の理由としては、形容詞や形容動詞の名詞化です。形容詞や形容動詞の名詞化とは「恐ろしい」を「恐ろしさ」、「美しい」を「美しさ」、「高い」を「高さ」などのように、語尾を「さ」に変化させて名詞に変化させることです。
これに慣れてしまい、本来は「手持ちぶさた」であるところを勘違いして、「手持ちぶたさ」を使ってしまうようです。また、「ぶたさ」という日本語も存在していないので、間違った言葉であると覚えておきましょう。
間違った言葉である「手持ちぶたさ」の「手持ち」を使った分かりやすい例としては、「手持ちのカメラでシャッターを切る」「今は手持ちがそれほどありません」「手持ちの鍵で扉を開ける」などがあります。
「手持ちぶさた」の意味
「手持ちぶさた」とは
「手持ちぶさた」とは、することがなくて間が持たないことを意味しています。
表現方法は「手持ちぶさたな時間」「手持ちぶさたな時」「手持ちぶさたを解消する」
「手持ちぶさたな時間」「手持ちぶさたな時」「手持ちぶさたを解消する」などが、「手持ちぶさた」を使った一般的な言い回しです。
「手持ちぶさた」の使い方
「手持ちぶさた」を使った分かりやすい例としては、「手持ちぶさたにならないように携帯ゲーム機を持っていくことにしました」「電車が運休してしまい駅のホームで手持ちぶさたな時間を過ごしました」「手持ちぶさたにしていた所話し掛けてもらいました」などがあります。
「手持ちぶさた」の語源
「手持ちぶたさ」の語源は江戸時代の油売りの姿になります。江戸時代の油売りとは、人々の生活で必要な灯火用の油を売り歩く行商人のことです。
油売りは、油を売りさばく際に油を貯めておく桶から客の容器へ油を流し込みます。油が容器を満たすまで非常に時間がかかってしまい、その光景が周囲からすると何もせず間が開いているように見えてしまうことから「手持ちが無沙汰だ」と言われるようになりました。
「手持ち」とは手に持つこと、「無沙汰」とは長い間訪問や音信をしないことを意味しています。
これが転じて、手が空いている時間が久しい、つまりすることがなくて間が持たないことを「手持ちぶさた」と言うようになりました。
「手持ちぶさた」の漢字表記
「手持ちぶさた」を漢字にすると「手持ち無沙汰」となり、こちらの表記もよく使われています。
「手持ちぶさた」の類語
「手持ちぶさた」の類語・類義語としては、することが何もなくて退屈な状態であることを意味する「暇を持て余す」、することがなくて時間をもて余すことを意味する「退屈」、することもなく退屈することを意味する「屈託」などがあります。
「手持ちぶたさ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、「手持ちぶさた」という言葉を間違えて「手持ちぶたさ」と表現している時などが挙げられます。
「手持ちぶたさ」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「手持ちぶさた」を間違えて使っている可能性が高いです。
「手持ちぶたさ」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「手持ちぶたさ」ではなく、「手持ちぶさた」と表現するのが正しい使い方になります。
「手持ちぶさた」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、することがなくて間が持たないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「手持ちぶさた」はすることがない場合は、様々な場面で使うことができます。
「手持ちぶたさ」と「手持ちぶさた」どちらを使うか迷った場合は、「手持ちぶたさ」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「手持ちぶさた」を使うようにしましょう。