似た意味を持つ「素封家」(読み方:そほうか)と「倹約家」(読み方:けんやくか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「素封家」と「倹約家」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
素封家と倹約家の違い
素封家と倹約家の意味の違い
素封家と倹約家の違いを分かりやすく言うと、素封家とは大金持ちの人、倹約家とはお金を無駄遣いしない人という違いです。
素封家と倹約家の使い方の違い
一つ目の素封家を使った分かりやすい例としては、「地元の素封家がコレクションを寄贈した」「父は九州地方の素封家生まれです」「英語の教材で財を成した素封家です」「素封家の長男として生まれました」などがあります。
二つ目の倹約家を使った分かりやすい例としては、「戦時生まれの祖父は厳格な倹約家です」「お金持ちの多くが倹約家です」「倹約家とケチは違うと思います」「倹約家になるためのコツを教えて下さい」などがあります。
素封家と倹約家の使い分け方
素封家と倹約家という言葉は、どちらもお金と人の関係を表しますが、意味は大きく異なります。
素封家とは大金持ちや財産家を意味し、多くの資産を持っている裕福な人という属性を表します。一方、倹約家とはお金や物を無駄遣いしない人を意味します。大金持ちであるとか貧乏であるとかの属性は関係なく、その人がどのようにお金を使うかを表す言葉です。
つまり、素封家は多くの財産を持っていることを表しますが、倹約家とは財産を持っているかどうかは表さず、お金の使い方を表す言葉なのです。
素封家と倹約家の英語表記の違い
素封家を英語にすると「wealthy person」「wealthy family」「man of fortune」となり、例えば上記の「地元の素封家」を英語にすると「a wealthy local family」となります。
一方、倹約家を英語にすると「a man of economy」「economist」「thrifty person」となり、例えば上記の「厳格な倹約家」を英語にすると「Strict frugality」となります。
素封家の意味
素封家とは
素封家とは、大金持ち、財産家を意味しています。
素封家の使い方
素封家を使った分かりやすい例としては、「祖母は地方の素封家に生まれた」「素封家と言えば大金持ちのことだろう」「素封家とはどんな人ですか」「素封家と資産家は違いますか」「ある素封家一族の当主が逮捕された」などがあります。
その他にも、「英語教室が成功し素封家となった」「ことば検定の素封家が分からなかった」「地方の素封家が文化の担い手だった」「素封家とはどういう人だろう」「地元の素封家から多額の寄付があった」などがあります。
素封家の読み方
素封家の読み方は「そほうか」です。誤って「すほうか」「そふうか」などと読まないようにしましょう。
素封家の語源
素封家の語源は、中国の歴史書である「史記」に見られます。「素」は何もないこと、「封」は封禄や封土という官位や領地を表し、「素封」とは、位や領地がなくても諸侯に等しい富を持っていること、大きな資産を持っていることを表します。
素封家の由来
素封家とは、もともと領土や社会的地位を持たない平民から出た大金持ちを指す言葉でしたが、現在では広く大金持ちや財産家の意味で使われています。
素封家の対義語
素封家の対義語・反対語としては、貧しい人を意味する「貧乏人」、貧しい人や貧乏人を意味する「貧者」、下層階級の人々や貧しい人たちを意味する「細民」、貧しい人を意味する「寒士」などがあります。
素封家の類語
素封家の類語・類義語としては、財産を多く所有する人を意味する「資産家」、大金持ちや富豪を意味する「金満家」、財産を多く持っている人を意味する「大尽」、金持ちや富豪を意味する「長者」などがあります。
倹約家の意味
倹約家とは
倹約家とは、倹約につとめる人、しまりやを意味しています。
倹約家の使い方
倹約家を使った分かりやすい例としては、「倹約家なので必要最低限の服しか買いません」「倹約家には共通の特徴があります」「倹約家で有名な芸能人もいる」「倹約家になるにはどうしたらよいですか」などがあります。
その他にも、「お金持ちには意外に倹約家が多い」「英語はラジオ講座のみで習得した倹約家です」「浪費家度診断の結果、私は倹約家だった」「倹約家を言い換えると節約家だろう」「ケチだから倹約家とは言えません」などがあります。
倹約家という言葉の「倹約」とは、無駄を省いて出費をできるだけ少なくすることを意味します。倹約家とは、お金や物を無駄に使うことなく必要なときに必要な分だけ出費する人を意味する言葉です。むやみに金品を惜しむ「ケチ」とは違い、倹約家は堅実なプラスイメージのある言葉です。
倹約家の対義語
倹約家の対義語・反対語としては、金銭をむだに使う人を意味する「浪費家」、金銭などを必要のないことに使うことを意味する「無駄遣い」、不必要なことに金銭をつかうことを意味する「散財」などがあります。
倹約家の類語
倹約家の類語・類義語としては、むだ遣いをやめて切りつめることを意味する「節約」、むやみに金品を惜しむ人を意味する「けち」、物や金を出し惜しみする人をいう俗な言葉である「けちんぼ」、ひどく物惜しみをすることを意味する「吝嗇」などがあります。
素封家の例文
この言葉がよく使われる場面としては、大金持ちの人、財産家を表現したい時などが挙げられます。
例文2のとおり、素封家は大金持ちの意味であり、倹約家の意味は含まれません。「素」という漢字が「質素」や「素朴」のように何も持っていないことを表すため、倹約家であると連想させることがありますが、倹約家の意味はありません。
倹約家の例文
この言葉がよく使われる場面としては、金や物を無駄遣いしない人を表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「倹約家とは正反対の人」は、「浪費家」と言い換えることができます。浪費家とは、必要以上にお金を使う傾向のある人を意味します。
素封家と倹約家という言葉は、どちらもお金と人の関係を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、財産を多く持っていることを表現したい時は「素封家」を、お金を無駄遣いしない人を表現したい時は「倹約家」を使うようにしましょう。