似た意味を持つ「揚げ足を取る」(読み方:あげあしをとる)と「重箱の隅をつつく」(読み方:じゅうばこのすみをつつく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「揚げ足を取る」と「重箱の隅をつつく」という言葉は、どちらも些細なミスを指摘することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「揚げ足を取る」と「重箱の隅をつつく」の違い
「揚げ足を取る」と「重箱の隅をつつく」の意味の違い
「揚げ足を取る」と「重箱の隅をつつく」の違いを分かりやすく言うと、「揚げ足を取る」とは人の言い間違いや言葉尻を捕らえて非難すること、「重箱の隅をつつく」とは非常に細かいことまで問題にして口うるさく言うことという違いです。
「揚げ足を取る」と「重箱の隅をつつく」の使い方の違い
一つ目の「揚げ足を取る」を使った分かりやすい例としては、「彼はすぐ揚げ足を取るのでみんなから嫌われている」「揚げ足を取るようなことを言わないでと叱られた」「揚げ足を取ってもいいことはありません」「彼女はいつも人の揚げ足取りばかりしている」などがあります。
二つ目の「重箱の隅をつつく」を使った分かりやすい例としては、「彼女はやることなすこと重箱の隅をつついてくる」「重箱の隅をつつくより先にやることがあるはずだ」「重箱の隅をつつくようなことを言わないでください」「彼女の重箱の隅をつつくような性格が嫌いです」などがあります。
「揚げ足を取る」と「重箱の隅をつつく」の使い分け方
「揚げ足を取る」と「重箱の隅をつつく」はどちらも些細なミスを指摘する場合に使う言葉ですが、ニュアンスが少し違うので間違えないように気をつけましょう。
「揚げ足を取る」は人の言い間違いや言葉尻を捕らえて非難することを意味しているのに対して、「重箱の隅をつつく」は非常に細かいことまで問題にして口うるさく言うことを意味しています。
「揚げ足を取る」と「重箱の隅をつつく」の英語表記の違い
「揚げ足を取る」を英語にすると「nitpick」「trip up」となり、例えば上記の「彼女はいつも人の揚げ足取りばかりしている」を英語にすると「She is always tripping people up」となります。
一方、「重箱の隅をつつく」を英語にすると「nitpick」「find fault」となり、例えば上記の「彼女はやることなすこと重箱の隅をつついてくる」を英語にすると「She finds fault with everything I do」となります。
「揚げ足を取る」の意味
「揚げ足を取る」とは
「揚げ足を取る」とは、人の言い間違いや言葉尻を捕らえて非難することを意味しています。
表現方法は「揚げ足を取る上司」「揚げ足を取る部下」「揚げ足を取る男」
「揚げ足を取る上司」「揚げ足を取る部下」「揚げ足を取る男」「揚げ足を取る女」などが、「揚げ足を取る」を使った一般的な言い回しになります。
「揚げ足を取る」の使い方
「揚げ足を取る」を使った分かりやすい例としては、「人の揚げ足を取る人は嫌われやすい」「過去のことでいつまでも揚げ足を取るのは辞めて欲しい」「私の姉はいつも揚げ足を取るので話したくありません」などがあります。
「揚げ足を取る」は人の言い間違いや言葉尻を捕らえて非難したり、からかったりすることを意味しており、マイナスなイメージでしか使わない言葉です。
「揚げ足を取る」の語源
「揚げ足を取る」の語源は、相撲や柔道などの勝負事において、相手が技をかけようとしてあげた足を取って逆に相手を倒すことです。このことが転じて、相手のミスに付け込むことを、「揚げ足を取る」と言うようになりました。
「上げ足を取る」「挙げ足を取る」の漢字表記は一般的ではない
「揚げ足を取る」は「上げ足を取る」や「挙げ足を取る」と表記することも可能ですが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、「揚げ足を取る」を使うようにしましょう。
「揚げ足を取る」の類語
「揚げ足を取る」の類語・類義語としては、他人の欠点や過失を殊更に探し出すことを意味する「粗探し」、些細な非などを取り立てて大げさに言うことを意味する「論う」(読み方:あげつらう)などがあります。
「重箱の隅をつつく」の意味
「重箱の隅をつつく」とは
「重箱の隅をつつく」とは、非常に細かいことまで問題にして口うるさく言うことを意味しています。
表現方法は「重箱の隅をつつく上司」「重箱をつつくような問題」「重箱の隅をつつく女」
「重箱の隅をつつく上司」「重箱をつつくような問題」「重箱の隅をつつく女」などが、「重箱の隅をつつく」を使った一般的な言い回しになります。
「重箱の隅をつつく」の使い方
「重箱の隅をつつく」を使った分かりやすい例としては、「どこにでも重箱の隅をつつく人は存在している」「重箱の隅をつつくような批判ばかりで嫌になります」「重箱の隅をつつくようなことばかりしていると嫌われる」などがあります。
「重箱の隅をつつく」は非常に細かいことまで問題にして口うるさく言うことを意味しており、本来であれば気にしなくていいことをグチグチ言う人対して使います。そのため、マイナスなイメージでしか使われない言葉です。
「重箱の隅をつつく」の語源
「重箱の隅をつつく」の語源は、「重箱の隅を楊枝でほじくる」が変化した言葉です。重箱とは料理を入れる四角い容器のことを意味しており、4つの隅に残った小さな食べ物をつついてる様子はゆとりがありません。
これが転じて、非常に細かいことまで問題にして口うるさく言うことを「重箱の隅をつつく」と言うようになりました。
「重箱の隅をつつく」の対義語
「重箱の隅をつつく」の対義語・反対語としては、些細なことは細かく干渉したり詮索したりしないで大目にみるべきということを意味する「重箱の隅は杓子で払え」(読み方:じゅうばこのすみはしゃくしではらえ)があります。
「重箱の隅をつつく」の類語
「重箱の隅をつつく」の類語・類義語としては、非常に細かいことまで問題にして口うるさく言うことを意味する「重箱の隅を楊枝でほじくる」(読み方:じゅうばこのすみをようじでほじくる)があります。
「揚げ足を取る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、人の言い間違いや言葉尻を捕らえて非難することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「揚げ足を取る」はマイナスなイメージでしか使わない言葉です。
「重箱の隅をつつく」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、非常に細かいことまで問題にして口うるさく言うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「重箱の隅をつつく」はマイナスなイメージでしか使われない言葉になります。
「揚げ足を取る」と「重箱の隅をつつく」はどちらも些細なミスを指摘することを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、人の言い間違いや言葉尻を捕らえて非難することを表現したい時は「揚げ足を取る」を、非常に細かいことまで問題にして口うるさく言うことを表現したい時は「重箱の隅をつつく」を使うようにしましょう。