同じ「こうひょう」という読み方の「好評」と「高評」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「好評」と「高評」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
好評と高評の違い
好評と高評の意味の違い
好評と高評の違いを分かりやすく言うと、好評とは人からの評判がよいこと、高評とは優れていて評価が高いことという違いです。
好評と高評の使い方の違い
一つ目の好評を使った分かりやすい例としては、「世界的に好評を博する作品です」「好評をいただくことが出来ました」「新たなデザインで好評を博す製品です」「前売り券は好評発売中です」「メディアに取り入れられ好評を博す」などがあります。
二つ目の高評を使った分かりやすい例としては、「先生にご高評を賜りたく存じます」「ソロリサイタルを開催し高評を得る」「ワクチンの効果が高いと高評です」「料理研究家からも高評を得る一品です」などがあります。
好評と高評の使い分け方
好評と高評という言葉は、どちらも「こうひょう」と読み、評判が良いことを表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
好評とは、好ましいと人に受け入れられることであり、人気があったり大衆に受け入れられている様子を表します。一方、高評とは、立派であると評価されることであり、性質や内容が優れていて専門家から見てもレベルが高い様子を表します。
このように、好評は人からの評価が高いこと、高評は内容の評価が高いこと、という違いがあります。二つの言葉は、同音異義語のため互いに置き換えて使うことは出来ません。
好評と高評の英語表記の違い
好評を英語にすると「popularity」「repute」となり、例えば上記の「好評を博する」を英語にすると「gain popularity」となります。
一方、高評を英語にすると「high reputation」「your opinion」となり、例えば上記の「ご高評を賜りたく存じます」を英語にすると「be anxious to hear your opinion」となります。
好評の意味
好評とは
好評とは、評判のよいことを意味しています。
表現方法は「好評をいただく」「好評を博す」「好評を得る」
「好評をいただく」「好評を博す」「好評を得る」などが、好評を使った一般的な言い回しです。
好評の使い方
好評を使った分かりやすい例としては、「好評をいただくことができ感謝です」「前作ほどの好評を得ることはなかった」「各地で好評を博すポップアップストアです」「ご好評につき延長して開催します」「好評発売中の写真集です」などがあります。
その他にも、「ご好評につき完売いたしました」「東京で好評を博すお店が名古屋に出店する」「ファンから好評を得る催しでした」「英語の音楽イベントが好評です」「人々から好評をいただく」「コロナ禍で巣ごもりグッズが好評です」などがあります。
好評という言葉の「好」とは、好ましいことや好感が持てることを表し、「評」とは物事のよしあしを判断することを表します。好評とは評判のよいことを意味し、好ましいと人に受け入れられる様子を表す言葉です。好評価という言葉の短縮形とも考えれますが、好評を用いるのが一般的です。
「好評発売中」の意味
上記の例文にある「好評発売中」とは、店舗のPOPなどに使われる表現で、発売されている商品が好評であることをアピールする文句です。実際には好評でなくとも使われており、販売促進を目的としたフレーズと言えます。
四字熟語「好評嘖嘖」の意味
好評という言葉を用いた四字熟語には、「好評嘖嘖」(読み方:こうひょうさくさく)があります。評判がよいものを人が口々に褒めはやす様子を意味し、「好評嘖嘖たる芸術作品である」などと使います。
好評の対義語
好評の対義語・反対語としては、悪い評判や悪い批評を意味する「悪評」、評判がよくないことを意味する「不人気」、評判の悪いことや評価の低いことを意味する「不評」などがあります。
好評の類語
好評の類語・類義語としては、名誉ある評判を意味する「名声」、人々の気受けや世間一般の評判を意味する「人気」、他人にもたれる好悪の印象や評判を意味する「人受け」、世間の関心の的になっていることを意味する「評判」などがあります。
高評の意味
高評とは
高評とは、評判が高いことを意味しています。
その他にも、「他人を敬ってその批評をいう語、高批」の意味も持っています。
表現方法は「高評を得る」「ご高評を仰ぐ」「ご高評を賜りたくお願い申し上げます」
「高評を得る」「ご高評を仰ぐ」「ご高評を賜りたくお願い申し上げます」などが、高評を使った一般的な言い回しです。
高評の使い方
「若手演奏家がコンサートで高評を得る」「この製品はコスパが良いと高評です」「高評を得る一方、批評する声もあった」「海外の映画祭で高評を得る」などの文中で使われている高評は、「評判が高いこと」の意味で使われています。
一方、「作品についてご高評を仰ぐ」「先生にご高評を頂きたいのです」「師匠にご高評を賜る」「ご高覧ご高評を賜りたく申し上げます」などの文中で使われている高評は、「他人を敬って、その批評をいう語」の意味で使われています。
高評という言葉は、上記の例文にあるように二つの意味を持ちます。一つは、優れているという評価を意味し、高評価と言い換えることができます。もう一つは、他人の批評に対する敬称です。この意味で使う場合、多くは「ご高評」「御高評」と相手への敬意を表す接頭辞の「ご」を付けて表します。
「ご高覧ご高評を賜りたく」の意味
上記の例文にある「ご高覧ご高評を賜りたく」とは、ご覧になって物事の是非や自分の評価を述べて欲しいことを丁寧に表現した一文です。「ご高覧」とは、相手を敬ってその人が見ることを意味する言葉です。
高評の対義語
高評の対義語・反対語としては、評判の悪いこを意味する「不評判」、手厳しく批評することを意味する「酷評」、手厳しく論じることを意味する「痛論」などがあります。
高評の類語
高評の類語・類義語としては、高い名声や優れた評判を意味する「英名」、世間に聞こえのよい名目を意味する「美名」、立派な評判や盛んな名声を意味する「盛名」、指導的な立場から理由などを述べながら批評を加えることを意味する「講評」などがあります。
好評の例文
この言葉がよく使われる場面としては、評判のよいこと、良い評判を表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「好評を博す」とは、世間から評価され人気となることを意味します。「博す」とは、獲得することを表し、「好評を博す」は例文3の「好評を得る」と同じ意味になります。
例文5にある「講評会」とは、作品について説明を受けながら評価される会のことです。「講評」は「好評」「高評」の同音異義語であり、指導的な立場で作品などの出来ばえを批評し、その理由などを説明することを意味する言葉です。
高評の例文
この言葉がよく使われる場面としては、評判の高いこと、高批を表現したい時などが挙げられます。
例文1や例文2の文中にある高評は「評判の高いこと」の意味で、例文3から例文5の文中にある高評は「他人の批評に対する敬称」の意味で使われています。例文1や例文2にある「高評」は「高評価」と言い換えることが出来ます。
好評と高評という言葉は、どちらも評価が良いことを表す同音異義語です。どちらの言葉を使うか迷った場合、人からの評判がよいことを表現したい時は「好評」を、内容的に評価が高いことを表現したい時は「高評」を使うようにしましょう。