似た意味を持つ「アフレコ」と「オフレコ」と「アテレコ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「アフレコ」と「オフレコ」と「アテレコ」という言葉は、録音することという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
アフレコとオフレコとアテレコの違い
アフレコとオフレコとアテレコの意味の違い
アフレコとオフレコとアテレコの違いを分かりやすく言うと、アフレコは映像に合わせた声や音楽を録音する時に使い、オフレコは公表しないことを条件に録音する時に使い、アテレコは録音と録画を同時に行う時に使うという違いです。
アフレコとオフレコとアテレコの使い方の違い
アフレコという言葉は、「声優のアフレコを生で見ることができるイベントが行われた」「実際に演技をするのとアフレコをするのは大きく異なる」などの使い方で、すでに存在する映像などに合わせて音声を録音することを意味します。
オフレコという言葉は、「オフレコとされた内容は口外してはならない」「友人にオフレコでと頼まれた」などの使い方で、記録や公表をしないことを条件とすることを意味します。
アテレコという言葉は、「最近ではカラオケでアテレコを楽しむこともできる」「犬や猫の気持ちのアテレコするテレビ番組が放送されていた」などの使い方で、外国映画などの台詞を母国語で吹き込むことを意味します。
アフレコとオフレコとアテレコの使い分け方
アフレコとアテレコは、どちらも映像や画像などに音楽や声を合わせて録音することを指す言葉ですが、前者はすでに作られた映像などに声を合わせる場合のみに使い、後者は映像なども同時に録画する場合も含みます。
また、アニメ映像に音声を付ける場合にはアフレコ、洋画などの吹き替えにはアテレコを使って区別をしていたようですが、今日ではアフレコに統一されていることがほとんどです。
一方のオフレコは、口外しないよう条件として定めることを意味するため、アフレコやアテレコとは意味が大きく異なります。
これが、アフレコ、オフレコ、アテレコの明確な違いです。
アフレコの意味
アフレコとは
アフレコとは、すでに存在する映像などに合わせて音声を録音することを意味しています。
表現方法は「アフレコを担当する」「アフレコを入れる」「アフレコを録音する」
「アフレコを担当する」「アフレコを入れる」「アフレコを録音する」などが、アフレコを使った一般的な言い回しです。
アフレコはアフターレコーディングの省略語
アフレコは「アフターレコーディング」を省略した言葉で、1956年に放送されたアメリカの映画が日本で初めてのアフレコ作品です。
出来上がった映像や画像に音や声、歌を合わせていくため、目の前で実際に動いている人に対してや、同時に録画を行っている場合にはアフレコという言葉は使いません。
アフレコは「あふれ呼」は全く違う意味
同じ読み方をする「あふれ呼」は、コールセンターなどで電話が掛かってきても対応できる人数が足りていなかったり、電話が掛かってくる数が電話の数よりも上回ってしまうことで対応ができない電話を指す言葉ですが、本来のアフレコとは異なります。
アフレコの対義語
アフレコの対義語・反対語としては、セリフや音楽、歌を先に収録し、それらに合わせて映像を作成したり、演技を行う方法である「プレスコ」や「プリレコ」があります。
オフレコの意味
オフレコとは
オフレコとは、記録や公表をしないことを条件とすることを意味しています。または、その条件下で発言された内容を指します。
オフレコの由来
オフレコは、英語で記録しないことや非公開のものを意味する「off the record」の読み方が由来となった言葉です。
「完全オフレコ」の意味
オフレコを使った言葉として、「完全オフレコ」があります。これは、名前はもちろん発言内容も公表を拒否することを表す言葉です。
名前だけを隠して内容を公表する場合には匿名報道という扱いになりますが、基本的には発言者の承諾なしに公開されることはありません。
表現方法は「オフレコで頼む」「オフレコでお願いします」「オフレコ破り」
「オフレコで頼む」「オフレコでお願いします」「オフレコ破り」などが、オフレコを使った一般的な言い回しです。
オフレコの対義語
オフレコの対義語・反対語としては、公表しても問題ないとすることを意味する「オンレコ」があります。
オフレコの類語
オフレコの類語・類義語としては、表向きではないことを意味する「非公式」、人に聞かれないようにこっそりする話を意味する「内緒話」があります。
アテレコの意味
アテレコとは
アテレコとは、外国映画などの台詞を母国語で吹き込むことを意味しています。
アテレコの語源
アテレコのアテは「台詞を割り当てる」という言葉の「当て」から取り、レコーディングのレコと合わせて作られた造語で、「当てレコ」と表記されることもあります。
洋画など本来の映像内で話されている言語が母国語と違う場合に行う吹き替えや、スタントマンなどが演じた部分に声を割り当てる場合、動物など人語を話すわけではないものに対して台詞を当てる場合などに多く使われています。
また、英語では「リボイシング」といい、スケジュールの都合などで俳優がアフレコに参加できないなどの理由で行われています。
「アテレコ論争」の意味
アテレコを使った言葉として、「アテレコ論争」があります。これは、演技を行う俳優に声を当てるアテレコの是非に関する論争で、1960年頃から始まりました。
雑誌のコラムなどで展開されていく中でも、海外映画の吹き替えは増え、アニメブームもあってか、声優という職業が確立されていくようになりました。
アフレコの例文
この言葉がよく使われる場面としては、すでに存在する映像などに合わせて音声を録音することを意味する時などが挙げられます。
例文1の「生アフレコ」とは、本来スタジオなどで行われる録音を、観客らの目の前で行うことを意味する言葉です。
オフレコの例文
この言葉がよく使われる場面としては、記録や公表をしないことを条件とすることを意味する時などが挙げられます。
例文2の「オフレコ破り」は、その会社によっては停職などが命じられることもあります。
アテレコの例文
この言葉がよく使われる場面としては、外国映画などの台詞を母国語で吹き込むことを意味する時などが挙げられます。
例文1の「生アテレコ」とは、スタジオで行われる録音を、観客らに見えるように声を当てることを意味しますが、生アフレコとは違って、目の前で動く着ぐるみなどに使うことができるのが特徴です。
アフレコとオフレコとアテレコどれを使うか迷った場合は、映像に合わせた音声録音を表す場合は「アフレコ」を、公表しない記録の録音を表す場合は「オフレコ」を、録画を同時に行う録音を表す場合は「アテレコ」を使うと覚えておけば間違いありません。