似た意味を持つ「カテゴリー」と「ジャンル」と「セグメント」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「カテゴリー」と「ジャンル」と「セグメント」という言葉は、区分や領域という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
カテゴリーとジャンルとセグメントの違い
カテゴリーとジャンルとセグメントの意味の違い
カテゴリーとジャンルとセグメントの違いを分かりやすく言うと、カテゴリーはすべての事柄に使い、ジャンルは文学や芸術の様式に使い、セグメントはマーケティングでの分類に使うという違いです。
カテゴリーとジャンルとセグメントの使い方の違い
カテゴリーという言葉は、「様々なカテゴリーからこの分野を選んだのは間違いだったかもしれない」「カテゴリー別にまとめられているファイルを確認する」などの使い方で、同じような種類や性質のものが含まれる範囲やそれが区分されたものを意味します。
ジャンルという言葉は、「ジャンルによっては読むことができない本もある」「自宅の本棚は著者別かつジャンル別に並べてある」などの使い方で、文芸作品や芸術作品における様式や形態上の分類を意味します。
セグメントという言葉は、「セグメントを切って表にまとめる」「顧客セグメントはいつの時代も重要視される」などの使い方で、分割することや分割された区分を意味します。
カテゴリーとジャンルとセグメントの使い分け方
カテゴリーとジャンルは、物事をある基準にもとづいて分類したものの集まりを意味する言葉ですが、前者はビジネスやマーケティングなどだけではなくどの対象にも使うことができますが、後者は美術や文芸などの芸術作品にのみ対して使うことができます。
一方のセグメントという言葉も、カテゴリーやジャンルと同じように定められた基準に従って分類されたものや分類することを意味しますが、マーケティング用語として顧客の情報に沿って分類する時などに使われています。
これが、カテゴリー、ジャンル、セグメントの明確な違いです。
カテゴリーの意味
カテゴリーとは
カテゴリーとは、同じような種類や性質のものが含まれる範囲やそれが区分されたものを意味しています。
範疇(読み方:はんちゅう)という言葉が持つ意味とまったく同じ意味を持つため、哲学用語として、あらゆる事象をそれ以上には分類できない一般的な基本概念を指す言葉でもあります。
また、大西洋西部で発生するハリケーンの規模を表す言葉としても使われ、カテゴリー1から5までの5段階で示され、カテゴリー5が最も被害の大きいハリケーンと定義されています。
表現方法は「カテゴリーが違う」「カテゴリーに分ける」「カテゴリーに分類する」
「カテゴリーが違う」「カテゴリーに分ける」「カテゴリーに分類する」などが、カテゴリーを使った一般的な言い回しです。
「カテゴリーキラー」の意味
カテゴリーを使った言葉として、「カテゴリーキラー」があります。これは、特定の商品分野において品揃えと安さを武器に展開された小売業態を指す言葉です。基本的には、カテゴリーキラーには競合店は太刀打ちできずに、撤退などに追い込まれることとなります。
カテゴリーの対義語
カテゴリーの対義語・反対語としては、異なった性質のものが混じり合うことを意味する「混合」、区別がないことを意味する「一緒」があります。
カテゴリーの類語
カテゴリーの類語・類義語としては、種類などによって区別することを意味する「種別」、事物を性質などに従って分けることを意味する「分類」、複数に分けたそれぞれの項目を意味する「科目」、全体をいくつかに分けた物の一つを意味する「部門」などがあります。
ジャンルの意味
ジャンルとは
ジャンルとは、文芸作品や芸術作品における様式や形態上の分類を意味しています。
芸術作品と言えど、女性作家が書いた文学作品である「女流文学」や、地域の指定がある「日本文学」などの呼び方のように、作者の性別や使われている言語、作者の国籍などによる分類に関しては、ジャンルという言葉を使わないこともあります。
表現方法は「ジャンルが違う」「ジャンルが広い」「ジャンルに関係なく」
「ジャンルが違う」「ジャンルが広い」「ジャンルに関係なく」などが、ジャンルを使った一般的な言い回しです。
「ジャンル映画」の意味
ジャンルを使った言葉として、「ジャンル映画」があります。これは、その作品における世界観や形式、登場人物などが一定のパターンで特徴づけられるような分野の映画を指す言葉で、ジャンルの分類が簡単な娯楽映画を指します。
ジャンルの対義語
ジャンルの対義語・反対語としては、色々なものが入り混じっていることを意味する「雑多」があります。
ジャンルの類語
ジャンルの類語・類義語としては、性質や形態などが共通するものを分類したそれぞれのまとまりを意味する「種類」、ある範囲の事物や事柄に共通している一定の型を意味する「様式」、ある概念を内に含んでいる概念を意味する「類概念」などがあります。
セグメントの意味
セグメントとは
セグメントとは、分割することや分割された区分を意味しています。
一部分などの意味を持つ「segment」という英語をカタカナ読みして使っている言葉です。
表現方法は「セグメントを切る」「セグメントが異なる」「セグメントが違う」
「セグメントを切る」「セグメントが異なる」「セグメントが違う」などが、セグメントを使った一般的な言い回しです。
「セグメント化」の意味
セグメントを使った言葉として、「セグメント化」があります。これは通信分野において使う場合、大規模なネットワークを小規模なネットワークで管理することを意味する言葉となります。
また、マーケティングにおいて使う場合は、消費者や顧客を年齢、職業や居住地など、特定の条件によってグループ分けすることを意味する言葉として使われます。
宣伝をする相手として狙う対象を「ターゲット」と言い、対象を定めることを「ターゲティング」と言いますが、区分のみを行うことを意味する「セグメント」や「セグメンテーション」と混同されて使われることが多くあります。
セグメントの類語
セグメントの類語・類義語としては、全体の中のある限られた部分を意味する「局所」、事柄の一部分を意味する「一端」(読み方:ひとはし)、組織や構成の上から他と区別される部分を意味する「セクション」などがあります。
カテゴリーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、同じような種類や性質のものが含まれる範囲やそれが区分されたものを意味する時などが挙げられます。
どの例文も、芸術作品に使われたりマーケティング用語として使われているわけではないため、ジャンルやセグメントという言葉に置き換えて使うことはできません。
ジャンルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、文芸作品や芸術作品における様式や形態上の分類を意味する時などが挙げられます。
そのため、カテゴリーやセグメントという言葉に置き換えて使うことができません。
セグメントの例文
この言葉がよく使われる場面としては、分割することや分割された区分を意味する時などが挙げられます。
例文2の「ターゲットを絞る」という行為は、区分で分けるセグメントとは異なり、売り込む対象を定めることを意味します。
カテゴリーとジャンルとセグメントどれを使うか迷った場合は、すべての事柄を表す場合は「カテゴリー」を、文学や芸術の様式を表す場合は「ジャンル」を、マーケティングでの分類を表す場合は「セグメント」を使うと覚えておけば間違いありません。