【申し上げます】と【申しあげます】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「もうしあげます」という読み方の「申し上げます」と「申しあげます」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「申し上げます」と「申しあげます」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの言葉によって使い方には少し違いがあります。




「申し上げます」と「申しあげます」の違い

「申し上げます」と「申しあげます」の意味の違い

「申し上げます」と「申しあげます」の違いを分かりやすく言うと、「申し上げます」は一般的に使われている、「申しあげます」一般的に使われていないという違いです。

「申し上げます」と「申しあげます」の使い方の違い

一つ目の「申し上げます」を使った分かりやすい例としては、「本年も益々のご活躍をお祈り申し上げます」「ご援助いただいたことに厚くお礼申し上げます」「お気遣い感謝申し上げます」などがあります。

二つ目の「申しあげます」を使った分かりやすい例としては、「師走の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申しあげます」「この間の件について深くお詫び申しあげます」などがあります。

「申し上げます」と「申しあげます」は同音で同じ意味を持つ言葉ですが、「申し上げます」の方が広く一般的使われているのに対して、「申しあげます」はあまり使われていないというのが違いです。

また、「申し上げます」が正しい日本語で、「申しあげます」は間違った日本語だという説もあります。なぜなら、動詞は漢字表記し、補助動詞は平仮名で表記するという決まりがあるからです。

「申し上げます」は、「申す」+「上げる」の組み合わせで補助動詞となるのではなく、「申し上げる」という動詞として使うので、漢字表記が正しいとも言われています。

補助動詞とは、動詞が本来の意味と独立性を失って、付属的な意味を添えるものとして用いられる言葉のことを意味しています。

分かりやすい例を挙げると、「私はアメリカ人である」の「ある」、「雨が降っている」の「いる」、「テレビを見ていらっしゃる」の「いらっしゃる」、「送ってください」の「ください」など、断定や動作の様態や敬意などを示すものとして使います。

「申し上げます」と「申しあげます」の英語表記の違い

英語には謙譲語表現がないので、「申し上げます」と「申しあげます」を直訳した英語はありません。近い表現を挙げるならば、「say」「speak」「tell」などがあります。

「申し上げます」の意味

「申し上げます」とは

「申し上げます」とは、言わせていただくことを意味しています。

表現方法は「感謝申し上げます」「お礼申し上げます」「お詫び申し上げます」

「感謝申し上げます」「お礼申し上げます」「お詫び申し上げます」「お願い申し上げます」などが、「申し上げます」を使った一般的な言い回しになります。

「申し上げます」の使い方

「申し上げます」を使った分かりやすい例としては、「陽春の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」「皆様の温かいご配慮に心より感謝申し上げます」「暑中お見舞い申し上げます」「この場を借りてお詫び申し上げます」などがあります。

「申し上げます」は言うの謙譲語である「申し上げる」に、丁寧語の「ます」が合わさった謙譲語です。謙譲語とは自分の行動を相手よりも下の立場として表現することにより相手への敬意を示すことを意味しています。

「申し上げます」は感謝やお詫びを伝える時、物事をお願いする時など様々な場面で使うことができます。またビジネスシーンでも頻繁に使われており、謙譲語表現であるため目上の人に対して使うことも可能です。

その他には、結婚式などのスピーチの挨拶の言葉としても使われています。

「申し上げます」の類語

「申し上げます」の類語・類義語としては、要求や反対意見などを言うことを意味する「物申す」、述べるの謙譲語を意味する「申し述べる」、特に取り上げて申し上げるを意味する「申し立てる」などがあります。

「申しあげます」の意味

「申しあげます」とは

「申しあげます」とは、言わせていただくことを意味しています。

表現方法は「感謝申しあげます」「お礼申しあげます」「お詫び申しあげます」

「感謝申しあげます」「お礼申しあげます」「お詫び申しあげます」「お願い申しあげます」などが、「申しあげます」を使った一般的な言い回しになります。

「申しあげます」の使い方

「申しあげます」を使った分かりやすい例としては、「盛夏の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申しあげます」「この度はご協力いただき感謝申しあげます」「今後ともいい関係を築けるようよろしくお願い申しあげます」などがあります。

「申しあげます」は言うの謙譲語である「申し上げる」に、丁寧語の「ます」が合わさった言葉です。そのため、「申しあげる」と平仮名で書くのは間違っているという説もあります。

「申しあげます」は感謝やお詫びを伝える時、物事をお願いする時など様々な場面で使うことができます。またビジネスシーンでも頻繁に使われており、謙譲語表現であるため目上の人に対して使うことも可能です。

「申しあげます」の類語

「申しあげます」の類語・類義語としては、 意見や主張などを唱え発表することを意味する「提唱する」、言葉を口にお出しになることを意味する「仰る」、口に出して言うことを意味する「言い出す」などがあります。

「申し上げます」の例文

1.厳寒の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
2.今後このようなことが二度と起こらないよう、十分注意して業務に精励することをお誓い申し上げます。
3.この度は結婚30周年を迎えられたとのことで、心からお祝い申し上げます。
4.今後とも健康に留意され、末永くご活躍されますことをお祈り申し上げます。
5.長年、無事勤め上げられましたことを、心よりお祝い申し上げます
6.本来でしたら直接退職のご挨拶に伺うべきところ、このようなメールでのご挨拶となったことをお詫び申し上げます。
7.あけましておめでとうございます。本年も鈴木様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
8.株式会社××の〇〇会長のご逝去の報に接し、弊社社員一同、謹んでお悔やみ申し上げます。
9.私事ですが今月1日に入籍いたしました。文面のみのご報告になったことをお許しください。末筆ながら皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
10.年賀状を出しそびれてしまったのであれば、「あけましておめでとうございます」から「寒中お見舞い申し上げます」に書き換えなくてはなりませんね。

この言葉がよく使われる場面としては、言わせていただくことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「申し上げます」はビジネスシーンにおいて使われている言葉です。

「申しあげます」の例文

1.立秋の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申しあげます。
2.被害に遭われた方々にお見舞い申しあげますとともに、一日も早い復興をお祈り申しあげます。
3.無事定年を迎えられたこと、心よりお祝い申しあげます。長年に渡り誠にありがとうございました。
4.皆様お誘いの上、是非ご参加くださいますようご案内申しあげます。
5.貴社の御盛業ぶりを拝承し、ぜひとも当社とお取引き願いたく、突然ながらお願い申しあげる次第です。
6.ただいまより主催者を代表いたしまして、株式会社ABC代表取締役社長山田太郎より、ご臨席のみなさまへご挨拶申しあげます。
7.この度はいろいろとご協力していただき、感謝申しあげます。これは心ばかりの品で恐縮ですがどうぞ皆様でお召し上がりください。
8.旦那様はずいぶんひどいことを申しあげましたが、これもあなたの将来を思うからこそですぞ。
9.いつも動画配信に来て下さるファンの皆様には心から感謝申しあげます。これからも楽しんでもらえるよう一層努力いたしますのでどうぞよろしくお願いいたします。
10.ついでに申しあげますと、たしか男がお店に来る時に、年ごろの若い娘と一緒にいたことがありました。

この言葉がよく使われる場面としては、言わせていただくことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「申し上げます」はビジネスシーンにおいて使われている言葉です。

「申し上げます」と「申しあげます」はどちらも言わせていただくことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一般的に使われているのが「申し上げます」、一般的に使われていないのが「申しあげます」と覚えておきましょう。

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