似た意味を持つ「後の祭り」(読み方:あとのまつり)と「手遅れ」(読み方:ておくれ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「後の祭り」と「手遅れ」という言葉は、どちらも適切なタイミング逃してしまったことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「後の祭り」と「手遅れ」の違い
「後の祭り」と「手遅れ」の意味の違い
「後の祭り」と「手遅れ」の違いを分かりやすく言うと、「後の祭り」はあまり一般的ではない、「手遅れ」は一般的に使われているという違いです。
「後の祭り」と「手遅れ」の使い方の違い
一つ目の「後の祭り」を使った分かりやすい例としては、「今更悔やんでも後の祭りだ」「後の祭りにならないよう遠足の準備をしてから布団に入ることにした」「今更慌てても後の祭りだろう」などがあります。
二つ目の「手遅れ」を使った分かりやすい例としては、「早く手当しないと手遅れになる」「今更何を言っても手遅れだろう」「手遅れになってからじゃ遅いので早めに病院へ行こう」「気付いた時は手遅れでした」などがあります。
「後の祭り」と「手遅れ」の使い分け方
「後の祭り」と「手遅れ」はどちらも適切なタイミング逃してしまったことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「後の祭り」はあまり一般的ではないのに対して「手遅れ」とは一般的に使われているという点です。
ただし、上記にも書いた通り基本的に大きな違いはないので、好きな方を使って問題ないと覚えておきましょう。
「後の祭り」と「手遅れ」の英語表記の違い
「後の祭り」も「手遅れ」も英語にすると「too late」となり、例えば上記の「気付いた時は手遅れでした」を英語にすると「It’ too late when you realize it」となります。
「後の祭り」の意味
「後の祭り」とは
「後の祭り」とは、時機遅れで無駄なことを意味しています。その他にも、祭りの済んだ翌日のことの意味も持っています。
「後の祭り」の読み方
「後の祭り」の読み方は「あとのまつり」です。誤って「のちのまつり」などと読まないようにしましょう。
「後の祭り」の使い方
「後の祭り」を使った分かりやすい例としては、「今更罪悪感に駆られても後の祭りだ」「今から明日の期末試験の勉強をやっても後の祭りだ」「後の祭りにならないように大会へ向けて一生懸命練習しました」などがあります。
「後の祭り」は時機遅れで無駄なことと、祭りの済んだ翌日のことの二つの意味を持つ言葉ですが、一般的に使われているのは時機遅れで無駄なことの意味になります。
「後の祭り」の由来
「後の祭り」の由来は二通りの説があり、どちらが正しいかはまだはっきりしていません。
一つ目は祇園際説です。祇園際とは7月に行われる京都三大祭りの一つで、、山鉾巡業が行われる前祭り(読み方:さきまつり)、還車を送る後祭り(読み方:あとまつり)の二部構成になっています。
一番の目玉イベントは、出車の一つであるたくさんの山鉾が町の中を祇園ばやしに合わせて巡業し盛り上げる前祭りです。それに対して、還車を送る後祭りはとても地味で観ていてもあまり面白くありません。これが転じて、時機遅れで無駄なことを「後の祭り」と言うようになりました。
二つ目は故人説です。「後の祭り」は故人の霊を祀ることというニュアンスも持っており、亡くなったあとに盛大な儀式をしても仕方がないということが転じて、時機遅れで無駄なことという意味で使われるようになりました。
「後の祭り」は時機遅れで無駄なこと、つまり手遅れになってしまった場合に使う言葉になります。そのため、取り返しがつかないことをしてしまったり、深く後悔した場面で使う言葉と覚えておきましょう。
「後の祭り」の類語
「後の祭り」の類語・類義語としては、時機に後れて役に立たない物事のことを意味する「六日の菖蒲」(読み方:むいかのあやめ)、元通りにすることが不可能なことを意味する「取り返しがつかない」などがあります。
「手遅れ」の意味
「手遅れ」とは
「手遅れ」とは、遅れたために効果がないことを意味しています。
表現方法は「もう手遅れ」「手遅れになる前に」「手遅れだった」
「もう手遅れ」「手遅れになる前に」「手遅れだった」などが、「手遅れ」使った一般的な言い回しになります。
「手遅れ」は「手後れ」とも書く
「手遅れ」という言葉は「手後れ」と別の漢字で表記することも可能です。どちらの漢字を使っても正解なので、好きな方を使って問題ありません。
「手遅れ」の使い方
「手遅れ」を使った分かりやすい例としては、「早く手術しないと手遅れになる」「彼は騙されたと知るがすでに手遅れだった」「もう少しで手遅れになるところでした」「手遅れになる前にどうするか決めた方がいいだろう」などがあります。
「手遅れ」は手当てや処置すべき時機を逃すことや遅れたために効がないことの意味で使う言葉です。つまり、もっと早くやっておけば良かったという後悔の念が込められた言葉になっています。
また、「手遅れ」は広く一般的に使われている言葉なので、馴染みがある人も多いでしょう。
「手遅れ」の類語
「手遅れ」の類語・類義語としては、今となっては打つ手がないことを意味する「時すでに遅し」、一度したことはもはや取り返しがつかないことを意味する「覆水盆に返らず」(読み方:ふくすいぼんにかえらず)などがあります。
「後の祭り」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、時機遅れで無駄なことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「後の祭り」は深い後悔の念に駆られた場合に使うことが多い言葉です。
「手遅れ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、遅れたために効果がないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「手遅れ」は深い後悔の念に駆られた場合に使うことが多い言葉です。
「後の祭り」と「手遅れ」はどちらも適切なタイミング逃してしまったことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、意味に大きな違いはないので好きな方を使っても問題ありません。