似た意味を持つ「雑草」(読み方:ざっそう)と「野草」(読み方:のぐさ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「雑草」と「野草」という言葉は、どちらも自然に生える草を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
雑草と野草の違い
雑草と野草の違いを分かりやすく言うと、雑草とは人が管理している土地に生えている草のことを意味していて、野草とは人が管理していない土地に生えている草を意味しているという違いです。
雑草と野草には明確な定義がなく、必ず雑草や野草となる種類の植物はありません。人の認識次第で、雑草にも野草にもなりえるのです。それゆえに、私達の身近に場所に生えている草は雑草と認識することが多いです。
また、雑草は私達の身近な場所に生えて邪魔だと感じることが多いため、マイナスな意味合いが強い言葉です。反対に野草は、私達の身近な場所に生えていることは少なく、観賞用や調理で使われることもあるため、マイナスな意味合いを持つ言葉ではありません。
この雑草と野草に共通している漢字「草」は、木の性質を持たない植物を意味しており、この性質はどちらの言葉にも当てはまります。
雑草の意味
雑草とは
雑草とは、人間の手によって管理された土地に自然に生える草のことを意味しています。
他にも栽培目的以外の植物を意味していたり、生命力が強いことの例えとしても使われています。
雑草が生える場所
雑草が生える主な場所としては、家の庭、学校のグラウンド、公園、道路や歩道の脇、畑などがあります。雑草が生える場所によっては、そこで栽培していた野菜や花などの栄養分を奪われたり、雑草が大きく成長することにより影が作られ、光合成の邪魔をする場合もあります。
そのため、雑草という言葉はマイナスなイメージを持つことが多いです。
雑草の読み方
北原白秋が書いた『夢殿』や『海阪』など昔の著書では、雑草を「あらくさ」という読み方で使用されていましたが、現代では「あらくさ」という読み方は使用されておらず、「ざっそう」という読み方でしか使用される事はありません。
「雑草魂」の意味
雑草という言葉を用いた日本語には「雑草魂」があり、雑草のようにどんなに環境が悪くても、諦めない精神を持ち続けることを意味しています。「雑草魂」はプロ野球選手の上原浩治選手の座右の銘としても有名です。
雑草の類語
雑草の類語・類義語としては、名もついていない草を意味する「名無し草」や、庭に生えている草を意味する「庭草」などがあります。
雑草という言葉の「雑」という漢字はいろいろなものが入りまじり、区別がしにくいものを意味しています。
雑草の雑の字を使った別の言葉としては、複数の人が入り交じって寝ることを意味する「雑魚寝」、不愉快に感じられるうるさい音を意味する「雑音」、培養以外を目的とした微生物を意味する「雑菌」などがあります。
野草の意味
野草とは
野草とは、人間の手によって管理されていない土地に自生する草のことを意味しています。
野草が生える場所
野草が生える主な場所としては、山の沢や斜面、河川の中州などがあり、ヨモギ、フキなど調理して食べられるものあります。調理の他にも観賞用として使われることも多く、この言葉はマイナスな意味合いを持つことが少ないです。
ただし野草の中には有毒なものもあるため、しっかりと知識をつけてから収穫や調理をしましょう。その中でもトリカブトやイヌサフランは、誤食すると死に至る可能性があるため十分に気を付けてください。
野草の読み方
また、一般的には「野草」(読み方:のぐさ)の読み方で使用されていますが、辞書などでは「野草」(読み方:やそう)と表現されていることの方が多いです。
野草の類語
野草という言葉の「野」という漢字は自然のまま平らな地の事を意味しています。
野草の野の字を使った別の言葉としては、あたり一面に草が広がっている平地を意味する「野原」、広々とした野を意味する「広野」、野原で吹いてる風を意味する「野風」などがあります。
雑草の例文
この言葉がよく使われる場面としては、身近に生えている栽培されていない草を表現したい時などが挙げられます。
雑草は私達にとって邪魔な草と認識されているため、「駆除する」「掃除する」などの単語と一緒に使われることが多いです。
野草の例文
この言葉がよく使われる場面としては、山や川に生えている栽培されていない草を表現したい時などが挙げられます。
他にも野草は芸術面で登場することがよくあります。
基本的にマイナスのイメージを持つ草は雑草、マイナスのイメージを持たない草は野草と覚えておくと良いでしょう。