似た日本語の「たかをくくる」と「腹をくくる」(読み方:はらをくくる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「たかをくくる」と「腹をくくる」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「たかをくくる」と「腹をくくる」の違い
「たかをくくる」と「腹をくくる」の意味の違い
「たかをくくる」と「腹をくくる」の違いを分かりやすく言うと、「たかをくくる」とは大したことはないと見くびること、「腹をくくる」とは覚悟を決めることという違いです。
「たかをくくる」と「腹をくくる」の使い方の違い
一つ目の「たかをくくる」を使った分かりやすい例としては、「たかをくくったら酷い目に遭いました」「たかをくくっているとライバルに出し抜かれるだろう」「いい加減たかをくくるのはやめなさいと叱られました」「最初は大したことないとたかをくくっていた」などがあります。
二つ目の「腹をくくる」を使った分かりやすい例としては、「腹をくくって審理の結果を待つことにしました」「ここまで来たら腹をくくって戦うしかありません」「これから街頭演説なので腹をくくって頑張ります」「あなたは腹をくくるべきです」などがあります。
「たかをくくる」と「腹をくくる」の使い分け方
「たかをくくる」と「腹をくくる」はどちらも「くくる」を使った似た日本語ですが、意味は全く異なっているので間違えないように注意しましょう。
「たかをくくる」は大したことはないと見くびることを意味しており、格下だと思ってたかをくくっていたら痛い目を見た」「たかをくくっていたらすぐ追い抜かれるよ」などのように使います。
一方、「腹をくくる」は覚悟を決めることを意味しており、「経営者として腹をくくることにしました」「こうなったらお互い腹をくくるしかないだろう」などのように使います。
「たかをくくる」と「腹をくくる」の英語表記の違い
「たかをくくる」を英語にすると「light」「underestimate」となり、例えば上記の「最初は大したことないとたかをくくっていた」を英語にすると「At first I took it lightly」となります。
一方、「腹をくくる」を英語にすると「prepare oneself for the worst」となり、例えば上記の「あなたは腹をくくるべきです」を英語にすると「You must prepare oneself for the worst」となります。
「たかをくくる」の意味
「たかをくくる」とは
「たかをくくる」とは、大したことはないと見くびることを意味しています。
「たかをくくる」の漢字表記
「たかをくくる」を漢字にすると、「高を括る」になります。
表現方法は「たかをくくっていた」「たかをくくる人」
「たかをくくっていた」「たかをくくる人」などが、「たかをくくる」を使った一般的な言い回しになります。
「たかをくくる」の使い方
「たかをくくる」を使った分かりやすい例としては、「すぐ終わるだろうとたかをくくっていた自分をぶん殴りたい」「たかをくくるもんじゃないよと怒られました」「自分は大丈夫だとたかをくくるのは良くないことです」「格下なのでたかをくくっていたら大苦戦しました」などがあります。
「たかをくくる」は大したことはないと見くびることを意味しており、相手の実力を本来の評価よりも低く見ている場合に使う言葉です。そのため、マイナスなイメージを伴っています。
「たかをくくる」の語源
「たかをくくる」の語源はお米の生産量です。戦国時代はお米の生産量がその国の力として見られていました。国とは現在でいう都道府県みたいなものです。そして、このお米の生産量のことを石高(読み方:こくだが)と言っていました。
他国の石高を低く見積もることで、戦の準備や戦力の向上を怠り、戦に負けることを「たかをくくる」と表現していたのです。これが現代になっても変わらず使用されており、大したことはないと見くびることを「たかをくくる」と言うようになりました。
「たかをくくる」の類語
「たかをくくる」の類語・類義語としては、価値や意味があるものとしてみないことを意味する「軽んじる」(読み方:かろんじる)、人を軽くみて馬鹿にすることを意味する「侮る」、軽視することを意味する「見くびる」などがあります。
「腹をくくる」の意味
「腹をくくる」とは
「腹をくくる」とは、覚悟を決めることを意味しています。
「腹をくくる」の漢字表記
「腹をくくる」を漢字にすると、「腹を括る」と表記することができます。
表現方法は「腹をくくるしかない」「腹をくくって」
「腹をくくるしかない」「腹をくくって」などが、「腹をくくる」を使った一般的な言い回しになります。
「腹をくくる」の使い方
「腹をくくる」を使った分かりやすい例としては、「戦場ではパニックが起こる前に腹をくくる必要があります」「こうなってしまっては腹をくくるしかありません」「腹をくくって勝負に出ることにしました」などがあります。
「腹をくくる」は覚悟を決めることを意味している慣用句です。覚悟決めて行う時に使えるので、ビジネスシーンやスポーツシーン、何かに挑戦する時など様々な場面で使うことができます。
「腹をくくる」の語源
「腹をくくる」の語源は諸説ありますが、どれが正しいのかは未だに分かっていません。
一つ目は戦場に向かう武士が帯を締め直すことが転じた説です。二つ目は着物を着ている人が緩んでいる帯を締め直すことが転じた説です。
上記にも記載したように、これらの説は俗説であり正しい語源は判明していないと覚えておきましょう。
「腹をくくる」の類語
「腹をくくる」の類語・類義語としては、心を決めることを意味する「決心する」、覚悟をすることを意味する「腹を決める」、自分の意志をはっきりと決めることを意味する「決意する」、覚悟を決めることを意味する「腹を固める」などがあります。
「たかをくくる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、大したことはないと見くびることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「たかをくくる」はマイナスなイメージを持つ言葉です。
「腹をくくる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、覚悟を決めることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「腹をくくる」は気持ちを引き締めて覚悟を決めた時に使う言葉です。
「たかをくくる」と「腹をくくる」はどちらも「くくる」を使った言葉ですが、意味が異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、大したことはないと見くびることを表現したい時は「たかをくくる」を、覚悟を決めることを表現したい時は「腹をくくる」を使うと覚えておきましょう。