似た意味を持つ「馴れ初め」(読み方:なれそめ)と「きっかけ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「馴れ初め」と「きっかけ」という言葉は、どちらも物事を始めた要因のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「馴れ初め」と「きっかけ」の違い
「馴れ初め」と「きっかけ」の意味の違い
「馴れ初め」と「きっかけ」の違いを分かりやすく言うと、「馴れ初め」は恋愛関係のみに使う、「きっかけ」は恋愛関係以外でも使えるという違いです。
「馴れ初め」と「きっかけ」の使い方の違い
一つ目の「馴れ初め」を使った分かりやすい例としては、「ここでお二人の馴れ初めをご紹介いたします」「中学の同窓会は馴れ初めの話で盛り上がる」「先日結婚した彼女の馴れ初めの話は面白い」「彼女との馴れ初めは婚活パーティーです」などがあります。
二つ目の「きっかけ」を使った分かりやすい例としては、「彼女とはふとしたきっかけで知り合いました」「妻が身籠ったことがきっかけで煙草を辞めました」「彼と付き合ったきっかけは友人の紹介です」「それが事件のきっかけになりました」などがあります。
「馴れ初め」と「きっかけ」の使い分け方
「馴れ初め」と「きっかけ」はどちらも物事を始めた要因のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「馴れ初め」は「彼との馴れ初めは大学のサークルです」「同じバイト先で働いていたことが彼女との馴れ初めになります」などのように、恋愛関係のみで使える言葉になります。
一方、「きっかけ」は「仕事を辞めるきっかけになったのは上司からのパワハラです」「サッカーを始めたきっかけはワールドカップで日本代表の試合を観たことです」などのように、恋愛関係以外に対しても使うことができるというのが違いです。
また、恋愛関係においては「馴れ初め」と「きっかけ」どちらでも使えるので、「彼との馴れ初めは合コンで意気投合したことです」を「彼と付き合ったきっかけは合コンで意気投合したことです」のように置き換えることができます。
「馴れ初め」と「きっかけ」の英語表記の違い
「馴れ初め」を英語にすると「beginning of love」「start of a romance」となり、例えば上記の「彼女との馴れ初めは婚活パーティーです」を英語にすると「The beginning of my love with my girlfriend was at matchmaking party」となります。
一方、「きっかけ」を英語にすると「a start」「a chance」「an opportunit」「a clue」となり、例えば上記の「それが事件のきっかけになりました」を英語にすると「That was how it all started」となります。
「馴れ初め」の意味
「馴れ初め」とは
「馴れ初め」とは、恋仲の者が知り合った初めのことを意味しています。
「馴れ初め」の読み方
「馴れ初め」の読み方は「なれそめ」です。誤って「なれはじめ」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「馴れ初めを聞く」「馴れ初めを聞いてくる」「夫婦の馴れ初め」
「馴れ初めを聞く」「馴れ初めを聞いてくる」「夫婦の馴れ初め」などが、「馴れ初め」を使った一般的な言い回しです。
「馴れ初め」の使い方
「馴れ初め」を使った分かりやすい例としては、「婚約を決めた友人に馴れ初めを聞きました」「馴れ初めは略奪愛なのでとても言いにくいです」「私の馴れ初めは職場での出会いです」「二人の馴れ初めについて聞くことにしました」などがあります。
「馴れ初め」は経験したりして違和感がなくなることを意味する「馴れる」に、物事の起こりのことを意味する「初め」が合わさり、恋仲の者が知り合った初めのことの意味で使われている言葉です。
「馴れ初め」はただ単に親しくなったきっかけではなく、恋愛に発展したきっかけで使う言葉になります。そのため、ただの友人関係では「馴れ初め」を使うことができないと覚えておきましょう。
「馴れ初め」は結婚式のスピーチなどでよく使われる
「馴れ初め」は結婚式のスピーチなどでよく使われる言葉ですが、ネットの発達により近年の出会いは多種多様になっています。そのため、公の場では言いにくい「馴れ初め」もあるはずです。その場合はオブラートに包んだ表現に言い換えることも可能と覚えておきましょう。
合コンで知り合った場合は「知人の紹介」「知人との食事会」、オンラインゲームやマッチングアプリで知り合った場合は「共通の趣味を通じて」、婚活パーティーや街コンで知り合った場合は「異業種交流会」、ナンパで知り合った場合は「運命的な出会い」なで言い換えることができます。
「馴れ初め」の類語
「馴れ初め」の類語・類義語としては、初めて知り合うことを意味する「出会い」、物事を考えるときの出発点のことを意味する「原点」などがあります。
「きっかけ」の意味
「きっかけ」とは
「きっかけ」とは、物事を始める手掛かりのことを意味しています。その他にも、歌舞伎などの舞台においての進行上の合図のことの意味も持っています。
「きっかけ」の漢字表記
「きっかけ」を漢字にすると、「切っ掛け」と表記することもできます。
表現方法は「きっかけを作る」「きっかけになる」「きっかけを与える」
「きっかけを作る」「きっかけになる」「きっかけを与える」などが、「きっかけ」を使った一般的な言い回しです。
「きっかけ」の使い方
「きっかけ」を使った分かりやすい例としては、「事態打開のきっかけを掴みました」「フラれたことをきっかけにスポーツジムへ通い始めました」「健康診断に引っ掛かったことがきっかけで飲酒を辞めました」などがあります。
「きっかけ」は二つの意味を持つ言葉ですが、一般的に使われているのは物事を始める手掛かりのことの意味になります。
「きっかけ」の由来
「きっかけ」の由来は「切り掛け」です。材料を途中まで切ることを「切り掛け」と言い、その切り始めた部分の先端、つまり物事の発端という意味で使われるようになりました。このことが転じて、物事を始める手掛かりのことを「きっかけ」と呼んでいます。
「きっかけ」は物事全てに使うことができるので、恋愛関係はもちろん、恋愛関係以外でも使うことができるというのが特徴です。
「きっかけ」の類語
「きっかけ」の類語・類義語としては、ある事態を引き起こす直接の原因のことを意味する「引き金」、動機のことを意味する「契機」、物事がそうなった主要な原因のことを意味する「要因」、物事の始まりのことを意味する「発端」などがあります。
「馴れ初め」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、恋仲の者が知り合った初めのことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「馴れ初め」は恋愛関係でのみ使える言葉です。
「きっかけ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事を始める手掛かりのことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、歌舞伎などの舞台においての進行上の合図のことを表現したい時にも使います。
例文1から例文4の「きっかけ」は物事を始める手掛かりのこと、例文5の「きっかけ」は、歌舞伎などの舞台においての進行上の合図のことの意味で使っています。
「馴れ初め」と「きっかけ」はどちらも物事を始めた要因のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、恋愛関係のみに使うのが「馴れ初め」、恋愛関係以外でも使えるのが「きっかけ」と覚えておきましょう。