似た意味を持つ「売り言葉に買い言葉」(読み方:うりことばにかいことば)と「ああ言えばこう言う」(読み方:ああいえばこういう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「売り言葉に買い言葉」と「ああ言えばこう言う」という言葉は、どちらも投げられた言葉に応戦することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「売り言葉に買い言葉」と「ああ言えばこう言う」の違い
「売り言葉に買い言葉」と「ああ言えばこう言う」の意味の違い
「売り言葉に買い言葉」と「ああ言えばこう言う」の違いを分かりやすく言うと、「売り言葉に買い言葉」の方が「ああ言えばこう言う」よりも喧嘩というニュアンスが強いという違いです。
「売り言葉に買い言葉」と「ああ言えばこう言う」の使い方の違い
一つ目の「売り言葉に買い言葉」を使った分かりやすい例としては、「売り言葉に買い言葉で思ってもいないことを言ってしまいました」「売り言葉に買い言葉では落としどころが見つからない」「彼は売り言葉に買い言葉を言う」などがあります。
二つ目の「ああ言えばこう言う」を使った分かりやすい例としては、「ああ言えばこう言う人と話すのはとても疲れる」「ああ言えばこういう人にはなりたくありません」「ああ言えばこう言う人はみんなから嫌われている」などがあります。
「売り言葉に買い言葉」と「ああ言えばこう言う」の使い分け方
「売り言葉に買い言葉」と「ああ言えばこう言う」はどちらも投げられた言葉に応戦することを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「売り言葉に買い言葉」は相手の暴言に応じて同じような調子で言い返すことを意味しており、喧嘩というニュアンスが強い言葉になります。
一方、「ああ言えばこう言う」は人が意見や忠告などを言っても様々な理由や理屈を言って従わないことを意味しており、喧嘩というよりは屁理屈などを言って話が進まない場合に使う言葉です。
つまり、「売り言葉に買い言葉」の方が「ああ言えばこう言う」よりも喧嘩というニュアンスが強いというのが違いになります。
「売り言葉に買い言葉」と「ああ言えばこう言う」の英語表記の違い
「売り言葉に買い言葉」を英語にすると「tit for tat」となり、例えば上記の「彼は売り言葉に買い言葉を言う」を英語にすると「he give a person tit for tat」となります。
一方、「ああ言えばこう言う」を英語にすると「Always has to have the last word in」「You have a comeback for everything I say」「Whatever I say, you say the opposite」となります。
「売り言葉に買い言葉」の意味
「売り言葉に買い言葉」とは
「売り言葉に買い言葉」とは、相手の暴言に応じて同じような調子で言い返すことを意味しています。
「売り言葉に買い言葉」の使い方
「売り言葉に買い言葉」を使った分かりやすい例としては、「売り言葉に買い言葉だと話し合いは上手くいきません」「売り言葉に買い言葉で文句を言ってしまった彼女の気持ちもわからなくない」「売り言葉に買い言葉が発端で仲が悪くなってしまった」などがあります。
「売り言葉に買い言葉」は人を怒らせて喧嘩をしかけるような言葉を意味する「売り言葉」に、他人から言われた悪口などに対して負けずに言い返す言葉を意味する「買い言葉」が合わさり、相手の暴言に応じて同じような調子で言い返すことを意味することわざです。
「売り言葉に買い言葉」は相手の言ったことに対して、喧嘩腰で対応してしまう場合に使います。そのため、褒め言葉などのプラスな場面では使いません。悪口や暴言などのマイナスな場面で使うと覚えておきましょう。
「売り言葉に買い言葉」の由来
「売り言葉に買い言葉」の由来は商品の売買です。品物を売り買いする時は非常にテンポの良い言葉を言い合うので、売買するものを喧嘩に例えて使われるようになったと言われています。
「売り言葉に買い言葉」は日常生活だけではなくビジネスシーンにおいても使われている言葉です。ただし、ビジネスシーンにおいては喧嘩というニュアンスはあまりなく、顧客や他社との巧妙な駆け引きというニュアスンで使われています。
「売り言葉に買い言葉」の類語
「売り言葉に買い言葉」の類語・類義語としては、激しく議論することを意味する「舌戦」(読み方:ぜっせん)、言い争いをすることを意味する「口論」、激しい言葉でののしり合うことを意味する「口喧嘩」などがあります。
「ああ言えばこう言う」の意味
「ああ言えばこう言う」とは
「ああ言えばこう言う」とは、人が意見や忠告などを言っても様々な理由や理屈を言って従わないことを意味しています。
表現方法は「ああ言えばこう言う人」「ああ言えばこう言う男」
「ああ言えばこう言う人」「ああ言えばこう言う男」などが、「ああ言えばこう言う」を使った一般的な言い回しになります。
「ああ言えばこう言う」の使い方
「ああ言えばこう言う」を使った分かりやすい例としては、「ああ言えばこう言う人にはうんざりしています」「ああ言えばこう言う人に何かを説明するのは疲れる」「彼にああ言えばこう言うのを止めるように注意した」などがあります。
「ああ言えばこう言う」は人が意見や忠告などを言っても様々な理由や理屈を言って従わないことを意味することわざです。そのため、マイナスなイメージを持っており、「ああ言えばこう言う」人は嫌われる傾向があります。
また、「ああ言えばこう言う」は相手に対して喧嘩腰で対応するというよりかは、理屈を述べたり何か理由をつけて反論することと覚えておけば問題ないでしょう。
「ああ言えばこう言う」の類語
「ああ言えばこう言う」の類語・類義語としては、まるですじの通らない理屈を言うことを意味する「屁理屈をこねる」、人の言うことにすべて反対することを意味する「右と言えば左」、人の言葉に常に反対することを意味する「山と言えば川」などがあります。
「売り言葉に買い言葉」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手の暴言に応じて同じような調子で言い返すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「売り言葉に買い言葉」はマイナスなイメージで使われている言葉です。
「ああ言えばこう言う」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、人が意見や忠告などを言っても様々な理由や理屈を言って従わないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ああ言えばこう言う」はマイナスなイメージで使われている言葉です。
「売り言葉に買い言葉」と「ああ言えばこう言う」はどちらも投げられた言葉に応戦することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「売り言葉に買い言葉」の方が「ああ言えばこう言う」よりも喧嘩というニュアンスが強いと覚えておきましょう。