【弱り目に祟り目】と【泣きっ面に蜂】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「弱り目に祟り目」(読み方:よわりめにたたりめ)と「泣きっ面に蜂」(読み方:なきっつらにはち)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「弱り目に祟り目」と「泣きっ面に蜂」という言葉は、どちらも不幸や災難が重なることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「弱り目に祟り目」と「泣きっ面に蜂」の違い

「弱り目に祟り目」と「泣きっ面に蜂」の意味の違い

「弱り目に祟り目」と「泣きっ面に蜂」の違いを分かりやすく言うと、「弱り目に祟り目」よりも「泣きっ面に蜂」の方が知られている言葉という違いです。

「弱り目に祟り目」と「泣きっ面に蜂」の使い方の違い

一つ目の「弱り目に祟り目」を使った分かりやすい例としては、「財布は忘れるし道で転ぶし今日は弱り目に祟り目です」「会社をクビになったと思ったら、恋人にもフラれてしまい、まさに弱り目に祟り目です」などがあります。

二つ目の「泣きっ面に蜂」を使った分かりやすい例としては、「こんなに災難が続くなんて泣きっ面に蜂だろう」「自転車がパンクしただけでなく鍵も壊れてしまい泣きっ面に蜂です」「入試に失敗しただけでなく彼氏にもフラれてまさに泣きっ面に蜂だ」などがあります。

「弱り目に祟り目」と「泣きっ面に蜂」の使い分け方

「弱り目に祟り目」と「泣きっ面に蜂」はどちらも不幸や災難が重なることを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「弱り目に祟り目」よりも「泣きっ面に蜂」の方がやや知られている言葉という点です。

ただし、上記にも記載したり通りほぼ違いがないので、基本的に好きな方を使って問題ありません。また、お互いに置き換えることも可能となっています。

「弱り目に祟り目」と「泣きっ面に蜂」の英語表記の違い

「弱り目に祟り目」も「泣きっ面に蜂」も英語にすると「Misfortunes never come singly」となります。

「弱り目に祟り目」の意味

「弱り目に祟り目」とは

「弱り目に祟り目」とは、弱った時にさらに災難に遭うことを意味しています。

「弱り目に祟り目」の使い方

「弱り目に祟り目」を使った分かりやすい例としては、「こんなに良くないことが続くなんて弱り目に祟り目だろう」「最近弱り目に祟り目なので何をやっても上手く行く気がしません」「不具合を見つけたと思ったらさらに別の場所でも不具合を発見し弱り目に祟り目だ」などがあります。

「弱り目に祟り目」は弱っている状態や困っている状態を意味する「弱り目」に、祟りに遭うことや災難に遭うことを意味する「祟り目」が合わさったことわざです。

「弱り目」という良くない状態で、「祟り目」という別の良くないことが重なって起こったので、弱った時にさらに災難に遭うことの意味で使われるようになりました。

「弱り目」や「祟り目」の「目」は、顔の目や目玉のことではなく、「別れ目」「落ち目」「こげ目」「結び目」などのように、動詞の連用形に付いてその状態にあることを意味する接尾語になります。

「弱り目に祟り目」は二つの不幸に因果関係がなくても使うことができるのが特徴です。例えば、「財布を落としてしまったが、家の鍵も付いていたので家に入ることができない、まさに弱り目に祟り目です」は二つの事柄が因果関係にある使い方になります。

一方、「会社でリストラを告げられて、帰りにパチンコをしたら大負けしたが弱り目に祟り目としか言いようがない」のように、リストラされたことと、パチンコで負けたことの因果関係はないが、連続して不幸が起きているので使っても問題ありません。

「弱り目に祟り目」の類語

「弱り目に祟り目」の類語・類義語としては、一つの災難が過ぎてほっとする間もなくまた次の災難が起きることを意味する「一難去ってまた一難」、重ね重ね酷い目にあうことを意味する「踏んだり蹴ったり」などがあります。

「泣きっ面に蜂」の意味

「泣きっ面に蜂」とは

「泣きっ面に蜂」とは、不運や不幸が重なることを意味しています。

「泣きっ面に蜂」の読み方

「泣きっ面に蜂」の読み方は「なきっつらにはち」です。誤って「なきっづらにはち」などと読まないようにしましょう。

「泣きっ面に蜂」の使い方

「泣きっ面に蜂」を使った分かりやすい例としては、「財布だけではなく家の鍵も無くしてしまい泣きっ面に蜂です」「泣きっ面に蜂というように、こんなに不運が続くなんて思ってもいませんでした」などがあります。

「泣きっ面に蜂」は泣いて顔がむくんでいるところに、さらに蜂がきて顔刺してしまうということが転じて、不運や不幸が重なることを意味することわざです。本来は「泣き面に蜂」でしたが、促音化され「泣きっ面に蜂」になり、現在ではこちらが主流になっています。

「泣きっ面に蜂」の由来

「泣きっ面に蜂」の由来は江戸のいろはかるたです。「な」で始まる取り札として、「泣きっ面に蜂」を使っていました。

「泣きっ面に蜂」は不幸や災難が重なった場合に使う言葉になります。そのため、基本的にマイナスなイメージで使う言葉と覚えておきましょう。

「泣きっ面に蜂」の類語

「泣きっ面に蜂」の類語・類義語としては、一難を逃れてまた他の難儀にあうことを意味する「虎口を逃れて竜穴に入る」(読み方:こうをのがれてりゅうけつにいる)があります。

「弱り目に祟り目」の例文

1.こんなに不幸が続くとは思ってもいませんでした。これが弱り目に祟り目ということだろう。
2.怪我が治りかけたと思ったら、また別の箇所を怪我してしまいました。まさに弱り目に祟り目です。
3.弱り目に祟り目という言葉があるので、災難に遭った時ほどこそ気を付けよう。
4.お財布を無くしたと思ったら、家の鍵も無くしてしまい、弱り目に祟り目の状況となってしまった。
5.会社の経営が悪化している時に、不祥事が明るみに出てしまいました。まさに弱り目に祟り目です。
6.会社用のスマホを飲食店に置き忘れてしまい翌朝大あわてで店に向かおうとしたら駅の階段で転んで足を骨折。弱り目に祟り目だ。
7.早いところ経済音痴の首相に退陣してもらわないと、与党自体が弱り目に祟り目で取り返しのつかないことになるだろう。
8.大事な仕事の時に限って体調は崩すし、電車は延滞するしで弱り目に祟り目だというのに、今度は部下が現場に来ないとはどういうことだ。
9.上司と喧嘩してバイトをクビになったと思ったら、恋人の浮気現場に遭遇するしで、まさに弱り目に祟り目だ。
10.今日は同級生に教科書を貸したら無くされるし、先生には叱られるしで弱り目に祟り目な一日だった。

この言葉がよく使われる場面としては、弱った時にさらに災難に遭うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「弱り目に祟り目」は不幸や災難が続いた時に使う言葉です。

「泣きっ面に蜂」の例文

1.泣きっ面に蜂と言わんばかりに不幸なことが起こり続けるので、有名なお寺でお祓いをしてもらうことにしました。
2.階段で転んでお気に入りのジーズンを破いてしまっただけではなく、捻挫もしていたので泣きっ面に蜂です。
3.期末試験で赤点を取るだけでなく、部活のレギュラーからも外されるなんて泣きっ面に蜂です。
4.今日は寝坊した上に、仕事で使う大切な資料を家に忘れてしまうなんて泣きっ面に蜂としか言いようがありません。
5.パワハラが問題になり自宅謹慎になっただけではなく、家に帰ると妻が実家に帰っていた。まさに泣きっ面に蜂です。
6.冷蔵庫と洗濯機が同時に故障し買い換えたら今度はエアコンが動かなくなった。出費はかさむし混んでいるので納品は2週間後になると言われ、暑いなか泣きっ面に蜂だなと思った。
7.若い頃、オープンカーをレンタルして彼女に告白しようとしたら、見事に振られて、しかも雨にまで降られてもう泣きっ面に蜂でした。
8.私は預かったお金を無くしてしまうし、階段で転んでけがをしてしまうし、泣きっ面に蜂とはこのことかと思うほどでした。
9.18歳の時は大学入試に失敗してしまっただけでなく、その時付き合っていた恋人にも捨てられてしまい、泣きっ面に蜂状態でした。
10.今月から食料品の値段が上がるだけでなく、税金や保険料まで上がるのだから、国民は皆泣きっ面に蜂だろう。

この言葉がよく使われる場面としては、不運や不幸が重なることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「泣きっ面に蜂」は不幸や災難が続いた時に使う言葉です。

「弱り目に祟り目」と「泣きっ面に蜂」はどちらも不幸や災難が重なることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「弱り目に祟り目」よりも「泣きっ面に蜂」の方が知られている言葉と覚えておきましょう。

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