【風下にも置けない】と【風上にも置けない】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「風下にも置けない」(読み方:かざしもにもおけない)と「風上にも置けない」(読み方:かざかみにもおけない)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「風下にも置けない」と「風上にも置けない」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「風下にも置けない」と「風上にも置けない」の違い

「風下にも置けない」は「風上にも置けない」の間違い

「風下にも置けない」と「風上にも置けない」の違いを分かりやすく言うと、「風下にも置けない」とは「風上にも置けない」の間違った使い方、「風上にも置けない」とは性質や行動の卑劣な者を罵る言葉のことです。

「風下にも置けない」は誤字

一般的には「風下にも置けない」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「風上にも置けない」のことを間違えて「風下にも置けない」を使っている人がほとんどです。

「風上にも置けない」は正しい日本語

正しい言葉である「風上にも置けない」を使った分かりやすい例としては、「子供が居るのに浮気するなんて母親の風上にも置けない奴だ」「不意打ちをするなんて武士の風上にも置けない人だ」「彼女は美術界の風上にも置けない奴です」などがあります。

「風上にも置けない」という言葉はあっても、「風下にも置けない」という言葉は存在しません。同時に「風上にも置けない」という単語の意味について「性質や行動の卑劣な者を罵る言葉のこと」と覚えておきましょう。

「風上にも置けない」の英語表記

「風上にも置けない」を英語にすると「not」「disgrace」となり、例えば上記の「彼女は美術界の風上にも置けない奴です」を英語にすると「She is a disgrace to the art world」となります。

「風下にも置けない」の意味

「風下にも置けない」とは

「風下にも置けない」とは、「風上にも置けない」の間違った使われ方です。

「風下にも置けない」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「風上にも置けない」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「風下にも置けない」と間違えやすい理由

「風上にも置けない」を間違って「風下にも置けない」と言ってしまう理由としては、「風上にも置けない」は性質や行動の卑劣な者を罵る言葉のことを意味しているので、「風下」に置けないほど価値がないことと勘違いしてしまっているのが原因です。

「風下」とは風の吹いていく方向で主に下側を指しています。しかし、「風上にも置けない」の「風上」は物理的な上か下を表しているわけではないので誤用になります。

「風上にも置けない」は風上に悪臭を発するものがあれば風下では臭くて困ることが転じて、性質や行動の卑劣な者を罵る言葉のことの意味で使われるようになった言葉です。したがって、「風下にも置けない」としてしまうと、少し意味が分からない言葉になってしまうので注意しましょう。

「風下」を使った正しい日本語

間違った言葉である「風下にも置けない」の「風下」を使った別の言葉としては、人の風を真似ることを意味する「風下に居る」(読み方:かざしたにいる)、他に後れをとることを意味する「風下に立つ」(読み方:かざしもにもたつ)などがあります。

「風上にも置けない」の意味

「風上にも置けない」とは

「風上にも置けない」とは、性質や行動の卑劣な者を罵る言葉のことを意味しています。

「風上にも置けない」の読み方

「風上にも置けない」の読み方は「かざかみにもおけない」です。誤って「かぜうえにもおけない」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「風上にも置けない奴」「風上にも置けない人」「男の風上にも置けない」

「風上にも置けない奴」「風上にも置けない人」「男の風上にも置けない」「ファンの風上にも置けない」などが、「風上にも置けない」を使った一般的な言い回しになります。

「風上にも置けない」の使い方

「風上にも置けない」を使った分かりやすい例としては、「賄賂で私腹を肥やすなんて政治家の風上にも置けない人だ」「裁判で勝つために手段を選ばないなんて弁護士の風上にも置けない奴です」「職権を乱用するなんて警察官の風上にも置けない人だ」などがあります。

「風上にも置けない」は性質や行動の卑劣な者を罵ることや仲間としては到底扱えぬほど卑劣なことを意味することわざです。また、「風上に置けない」や「風上に置けぬ」などと言い換えることもできると覚えておきましょう。

「風上にも置けない」は同じ仲間としては考えられないというニュアンスを持ち、マイナスなイメージで使う言葉です。そのため、目上の人に対して使うのはあまり適していない言葉になります。

例えば、「彼は平気で女性に暴力を振るうので男の風上にも置けない」とすると、「彼は平気で女性に暴力を振るうので同じ男とは考えられない」という意味で使うことができます。

また、「握手会でもらった特典をオークションに出品するなんてファンの風上にも置けない」とすると、「握手会でもらった特典をオークションに出品するなんて同じファンとして到底考えることができない」という意味になります。

「風上にも置けない」の語源

「風上に置けない」の語源は風上に悪臭を発するものがあれば風下では臭くて困ることです。悪臭を放つものを風上におくと、風下にその悪臭がどんどんと流れる原理があるため、風下に居る人々はとても困ってしまいます。

この悪臭を性質や行動の卑劣な者に例えて、性質や行動の卑劣な者を仲間と考えてはいけないと罵る言葉のことを「風上に置けない」と言うようになりました。

「風上にも置けない」の類語

「風上にも置けない」の類語・類義語としては、情け容赦もなくたちが悪いことを意味する「悪辣な」、人としてのあり方や生き方に外れていることを意味する「非道」、道理に背く考えのことを意味する「外道」などがあります。

「風下にも置けない」の例文

1.「風下にも置けない」という言葉は存在しないので、おそらく「風上にも置けない」の言い間違いだろう。
2.「風上にも置けない」という言葉は性質や行動の卑劣な者を罵ることで、「風下にも置けない」という言葉はない。
3.「風下にも置けない」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.女性を殴るなんて男の風下にも置けない奴だという言葉を使う人はいるが、正しくは女性を殴るなんて男の風上にも置けない奴だです。
5.裏金で判決を変えるなんて裁判官の風上にも置けないという言葉はあるが、裏金で判決を変えるなんて裁判官の風下にも置けないという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「風上にも置けない」という言葉を間違えて「風下にも置けない」と表現している時などが挙げられます。

「風下にも置けない」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「風上にも置けない」を間違えて使っている可能性が高いです。

「風下にも置けない」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「風下にも置けない」ではなく、「風上にも置けない」と表現するのが正しい使い方になります。

「風上にも置けない」の例文

1.患者の命よりも自分の出世を優先するなんて、あんたは医者の風上にも置けない。
2.闇カジノへの出入りや違法取引を繰り返すなんて、刑事の風上にも置けない奴だ。
3.ライブ会場で暴れて他の客に迷惑を掛けるなんて、ジャニーズファンの風上にも置けない人だ。
4.他人を傷つけるための道具を開発するなんて、科学者の風上にも置けない奴だ。
5.絶対勝ちたいからと言って、危険なファウルを行なう人はサッカー選手の風上にも置けない。
6.職業上の特権を悪用して個人情報を入手しストーカー行為に及ぶなんて警察官の風上にも置けないやつだ。
7.大学をビジネススキームでしか考えることができない学長なんて、教育者の風上にも置けない。

この言葉がよく使われる場面としては、性質や行動の卑劣な者を罵る言葉のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「風上にも置けない」はマイナスなイメージで使われている言葉です。

「風下にも置けない」と「風上にも置けない」どちらを使うか迷った場合は、「風下にも置けない」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「風上にも置けない」を使うようにしましょう。

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