似た意味を持つ「読み込む」(読み方:よみこむ)と「読み取る」(読み方:よみとる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「読み込む」と「読み取る」という言葉は、どちらも文章をよく読むことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「読み込む」と「読み取る」の違い
「読み込む」と「読み取る」の意味の違い
「読み込む」と「読み取る」の違いを分かりやすく言うと、「読み込む」とはただ単純に熟読すること、「読み取る」とは作者の思考や主張を推察することという違いです。
「読み込む」と「読み取る」の使い方の違い
一つ目の「読み込む」を使った分かりやすい例としては、「参考資料を読み込んで論文を書く」「ハードディスクのデータを読み込む」「データの読み込みに時間がかかるのでそろそろ買い替えるつもりです」などがあります。
二つ目の「読み取る」を使った分かりやすい例としては、「この機械でバーコードを読み取ることができます」「彼女態度から苛立っていることを読み取れました」「カラー画像を読み取るために新しい機械を使用する」「バーコードをスキャナーで読み取る」などがあります。
「読み込む」と「読み取る」の使い分け方
「読み込む」と「読み取る」はどちらも文章をよく読むことを意味ている言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「読み込む」は「先方から渡された資料を読み込む」のように、ただ単純に熟読するというニュアンスで使います。一方、「読み取る」は「作者の意図を読み取る必要がある」のように、作者の思考や主張を推察するというニュアンスで使うというのが違いです。
また、「読み込む」にはデータを保存するという意味があるのに対して、「読み取る」にはデータを保存するという意味はないというのも違いの一つになります。
「読み込む」と「読み取る」の英語表記の違い
「読み込む」も「読み取る」も英語にすると「read」「register」となり、例えば上記の「バーコードをスキャナーで読み取る」を英語にすると「Read the bar code with a scanner」となります。
「読み込む」の意味
「読み込む」とは
「読み込む」とは、よく読んで自分のものとすることを意味しています。その他にも、コンピューターで補助記憶装置にあるデータを本体のメモリー上に移し入れることの意味も持っています。
「読み込む」は「読込む」とも表記可能
「読み込む」は送り仮名の「み」を省略して「読込む」と表記することも可能です。どちらも正しい日本語なので、好きな方を使って問題ありません。
表現方法は「データを読み込む」「資料を読み込む」「よく読み込む」
「データを読み込む」「資料を読み込む」「よく読み込む」などが、「読み込む」を使った一般的な言い回しになります。
「読み込む」の使い方
「史料を読み込んで論文を完成させました」「明日の打ち合わせのために先方から渡された資料を読み込む」などの文中で使われている「読み込む」は、「よく読んで自分のものとすること」の意味で使われています。
一方、「ここにあるディスクのデータを読み込む」「アドレス帳のデータを読み込むことに成功しました」などの文中で使われている「読み込む」は、「コンピューターで補助記憶装置にあるデータを本体のメモリー上に移し入れること」の意味で使われています。
「読み込む」は複数の意味を持つ言葉ですが、どちらの意味でも使われています。よく読んで自分のものとすることの意味は、本や資料などを熟読する場合に使います。
また、コンピューターで補助記憶装置にあるデータを本体のメモリー上に移し入れることの意味はデータを扱う場合に使います。
「読み込む」の類語
「読み込む」の類語・類義語としては、他のいいものを受け入れることを意味する「取り込む」、コンピューターで入力装置や補助記憶装置にあるデータを主記憶装置に移し入れることを意味する「ロード」などがあります。
「読み取る」の意味
「読み取る」とは
「読み取る」とは、文章などを読んで意味や主旨を理解することを意味しています。その他にも、 外面に現れたことから本心などを推し量って理解すること、コンピューターなどの機器が文字や記号を判断することの意味も持っています。
表現方法は「読み取る力」「思いを読み取る」
「読み取る力」「思いを読み取る」などが、「読み取る」を使った一般的な言い回しになります。
「読み取る」の使い方
「この小説の言わんとするところを読み取る」「作者の意図を読み取ることはとても大切です」などの文中で使われている「読み取る」は、「文章などを読んで意味や主旨を理解すること」の意味で使われています。
一方、「表情から彼の苦悩を読み取る」「これはクレジットカードを読み取る機械です」などの文中で使われている「読み取る」は、「外面に現れたことから本心などを推し量って理解することやコンピューターなどの機器が文字や記号を判断すること」の意味で使われています。
「読み取る」は複数の意味を持つ言葉ですが、どの意味でも使われています。また、文章などを読んで意味や主旨を理解することの意味は、ただ文章を読むのではなく、作者の思考や主張を推察しながら文章を読むという意味で使うのが特徴です。
「読み取る」の類語
「読み取る」の類語・類義語としては、人の言葉や行動などを自分なりの判断で解釈することを意味する「受け取る」、言葉や文章の意味や内容を解きほぐして明らかにすることを意味する「解釈」などがあります。
「読み込む」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、よく読んで自分のものとすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、コンピューターで補助記憶装置にあるデータを本体のメモリー上に移し入れることを表現したい時にも使います。
例文1から例文3の「読み込む」はよく読んで自分のものとすること、例文4と例文5の読み込むはコンピューターで補助記憶装置にあるデータを本体のメモリー上に移し入れることの意味で使っています。
「読み取る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、文章などを読んで意味や主旨を理解するを表現したい時などが挙げられます。その他にも、 外面に現れたことから本心などを推し量って理解すること、コンピューターなどの機器が文字や記号を判断することを表現したい時にも使います。
例文1と例文2の「読み取る」は文章などを読んで意味や主旨を理解すること、例文3と例文4の「読み取る」は外面に現れたことから本心などを推し量って理解すること、例文5の「読み取る」はコンピューターなどの機器が文字や記号を判断することの意味で使っています。
「読み込む」と「読み取る」はどちらも文章をよく読むことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ただ単純に熟読することを表現したい時は「読み込む」を、作者の思考や主張を推察することを表現したい時は「読み取る」を使うと覚えておきましょう。