似た意味を持つ「水物商売」(読み方:みずものしょうばい)と「水商売」(読み方:みずしょうばい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「水物商売」と「水商売」という言葉は、どちらも「不安定で盛衰の激しい商売」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
水物商売と水商売の違い
水物商売と水商売の意味の違い
水物商売と水商売の違いを分かりやすく言うと、水物商売とは収入が不安定な商売全般を表し、水商売とは収入が不安定な夜のお店を表すという違いです。
水物商売と水商売の使い方の違い
一つ目の水物商売を使った分かりやすい例としては、「過去に水物商売で苦労した経験があります」「不動産業界は水物商売と呼ばれることがあります」「株で儲ける水物商売で勝負するつもりだ」などがあります。
二つ目の水商売を使った分かりやすい例としては、「水商売の女に金をつぎ込むなんて辞めた方がいいよ」「水商売は税金対策のメリットが大きい業種です」「夜間保育園は水商売のシングルマザーを支えています」などがあります。
水物商売と水商売の使い分け方
水物商売と水商売という言葉は、どちらも不安定で先の見通しが立ちにくい商売を指し、二つの言葉は同じような意味を持っています。
ただし、水物商売と水商売では使い方に若干の違いがあります。水商売は、主にスナックやバー、クラブやキャバレーなど夜のお店を表す言葉です。水物商売は、夜のお店に限定した言葉ではないので、水商売は水物商売よりも限定的な表現になります。
一方、水物商売は夜のお店に限らず、見通しの立ちにくい職業に対して使われる言葉であることを覚えておきましょう。
水物商売と水商売の英語表記の違い
水物商売を英語にすると「an uncertain trade」「a chancy trade」となり、例えば上記の「水物商売で苦労する」を英語にすると「take pains with a chancy trade」となります。
一方、水商売を英語にすると「nightclub business」「liquor trade」となり、例えば上記の「水商売の女」を英語にすると「a woman working in a nightclub」となります。
水物商売の意味
水物商売とは
水物商売とは、世間の動きに影響を受け、先の見通しが立ちにくく、収入が不安定な商売を意味しています。
水物商売の使い方
水物商売を使った分かりやすい例としては、「彼は水物商売を生業にしている」「フリーアナウンサーも水物商売だろう」「水物商売では先行きが不安だ」「仕事が水物商売であることは親に言えません」などがあります。
その他にも、「受け継いだ家業を水物商売にはしないつもりです」「日雇いのような水物商売では安心できません」「収入が不安定な水物商売を辞めて公務員になりました」「水商売と水物商売は似て非なるものです」などがあります。
水物商売とは、世の中の潮流に大きく依存し、収入が安定しない商売を意味する言葉です。水物商売という言葉の由来となる「水物」とは、そのときの条件によって変わりやすく予想しにくい物事のことです。
「商売は水物」と言われるように、そもそも商売はその時の景気によって収入が不確定なものですが、特に世間の人気や嗜好に大きく依存していて収入が不安定な商売を言います。例えば、フリーランスで働くジャーナリストや舞台俳優などは水物商売と言えます。
水物商売の対義語
水物商売の対義語・反対語としては、会社に雇われ働いている人を意味する「会社員」、給料で生活する人を意味する「サラリーマン」、官公庁や会社などに勤務している人を意味する「勤め人」などがあります。
水物商売の類語
水物商売の類語・類義語としては、一定の会社や団体などに所属しない自由契約者を意味する「フリーランス」、一定の雇用関係によらず独立して営む職業を意味する「自由業」などがあります。
水商売の意味
水商売とは
水商売とは、客に遊興させるのを目的とし、客の人気によって収入が動く、盛衰の激しい商売を意味しています。
水商売の使い方
水商売を使った分かりやすい例としては、「水商売の仕事を求人サイトで探しています」「水商売といっても種類は色々です」「水商売でお金を貯めて英語留学するつもりです」「水商売の方から確定申告の相談を受けました」などがあります。
その他にも、「水商売と呼ばれる職種は様々なものがあります」「水商売だと賃貸物件を探すときに苦労します」「水商売で給料は手渡しだけど税金は引かれているのだろうか」「友達のお母さんが水商売の人のような服装をしていた」などがあります。
水商売とは、客の人気や贔屓によって収入が左右される商売のことであり、具体的には、キャバレーやバー、ホストクラブなどを指す言葉です。
水商売の由来
水商売という言葉の由来は諸説あります。水商売の「水」は収入が不確定な状態を表し、収入が客の人気によって成り立っていく盛衰の激しい商売であることを意味します。また、芸妓を「泥水稼業」や「泥水商売」と呼んでいたことからとする説などがあります。
水商売の対義語
水商売の対義語・反対語としては、職業や生活がまっとうで着実なことを意味する「堅気」、社会で容認されているまともな職業や堅気の商売を意味する「正業」などがあります。
水商売の類語
水商売の類語・類義語としては、お客の人気により収入が左右される商売を意味する「水稼業」、客を接待し飲食や射幸的な遊技をさせたりする営業の総称を意味する「風俗営業」、客のもてなしを主とする商売を意味する「客商売」、旅館など客の相手をする職業を意味する「接客業」などがあります。
水物商売の例文
この言葉がよく使われる場面としては、そのときの状況によって変わりやすく不安定な商売表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、水物商売という言葉は、俳優、歌手、観光人力車、飲食店など、水商売に比べると幅広い職種を表します。
水商売の例文
この言葉がよく使われる場面としては、客のひいきによって成り立つ盛衰の激しい商売を表現したい時などが挙げられます。
例文5にある「水商売の黒服」とは、水商売の店における男性従業員の通称であり、業務内容は、開店前の準備や、営業中のウェイター業務、閉店時の片付けや会計業務など多岐に渡ります。
水物商売と水商売という言葉は、どちらも「不安定で盛衰の激しい商売」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、特に客に遊興させるのを目的とするバーやキャバレーなどを表現したい時は「水商売」を使うようにしましょう。