似た意味を持つ「心外」(読み方:しんがい)と「意外」(読み方:いがい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「心外」と「意外」という言葉は、どちらも思っていることと違うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
心外と意外の違い
心外と意外の意味の違い
心外と意外の違いを分かりやすく言うと、心外とは思っていたより残念な結果になること、意外とは思ってもいないことが起こることという違いです。
心外と意外の使い方の違い
一つ目の心外を使った分かりやすい例としては、「今年の大学受験は心外な結果に終わる」「このようなことをされるとは心外です」「酷い文句を言われたのは心外極まりない」「心外な反応をされて驚いた」などがあります。
二つ目の意外を使った分かりやすい例としては、「この和食は意外と美味しい」「彼女は意外に思うはずだ」「今日の試合は意外な展開を見せた」「意外と知らない名前も多い」「意外な物でも売れる」「スノーボードするなんて意外ですね」などがあります。
心外と意外の使い分け方
心外は上記の「今年の大学受験は心外な結果に終わる」のように、予想していた結果より悪く残念な場合に使います。分かりやすく言うと、今年の大学受験は自信があったが不合格だったという意味になります。
反対に上記の心外の部分を意外に置き換えて、「今年の大学受験は意外な結果に終わる」にすると、今年の大学受験はあまり自信がなかったけど合格したという意味なります。
心外はマイナスなイメージでしか使われないのに対し、意外はマイナスなイメージで使われることがあるものの、プラスなイメージで使われることが多いです。
心外と意外の英語表記の違い
心外を英語にすると「Out of mind」となり、例えば上記の「心外です」を英語にすると「Out of my mind」となります。一方、意外を英語にすると「Surprising」となり、例えば上記の「意外な展開」を英語にすると「Surprising development」となります。
心外の意味
心外とは
心外とは、思いがけない悪い結果に残念に思うことを意味しています。
表現方法は「心外だ」「心外です」「心外な気持ち」
「心外だ」「心外です」「心外な気持ち」などが、心外を使った一般的な言い回しです。
心外の使い方
心外を使った分かりやすい例としては、「犯人として疑われるとは心外だ」「期末試験が心外な結果に終わった」「怠け者と同じにされるのは心外極まりない」「心外に感じるような出来事に遭遇した」「悪口を言われて心外だった」などがあります。
その他にも、「心外な評価をされて落ち込んだ」「そんな言い方をされるのは心外だな」「心外そうな口ぶりをした」「悪女だなんて非常に心外です」「その名前で呼ばれるのは心外だね」「ちょっとそれは心外だわ」などがあります。
心外という言葉は、上記の「期末試験が心外な結果に終わった」のように、自分では良い結果になると思っていても、実際は悪かった場合などに使います。
また、上記の「悪女だなんて非常に心外です」や「その名前で呼ばれるのは心外だね」のように、他人からの評価が予想と違って悪かった時にも使います。そのため、心外という言葉マイナスなイメージを持って使われる言葉です。
心外は「心」という漢字から成り立っている通り、心の状態を表現するのに適しています。また、気持ちを表す言葉なため、日常会話、ビジネスシーンどちらでも使うことの出来る言葉です。
ただし、他人に対して使う場合は相手を不快にさせることがあるため、十分に注意して使ってください。また、ビジネスシーンにおいて、目上の人相手には使わないようにしましょう。
心外の類語
心外の類語・類義語としては、予想とは違う成り行きになることを意味する「予想外」、突然であることを意味する「不意」、思いがけないことを意味する「ひょんな」、思いもよらないことを意味する「意想外」、無礼なことを意味する「慮外」などがあります。
心外の心の字を使った別の言葉としては、気持ちがよくないことを意味する「心悪し」、思い違いや考え違いを意味する「心誤り」、頼るものがなく不安であることを意味する「心細い」、思いのままにすることを意味する「心任せ」などがあります。
意外の意味
意外とは
意外とは、考えていることと非常に違うことを意味しています。
表現方法は「意外に思う」「意外と」「意外だった」
「意外に思う」「意外と」「意外だった」などが、意外を使った一般的な言い回しです。
意外の使い方
意外を使った分かりやすい例としては、「彼は意外と良い人だ」「この中華料理は意外と美味しい」「昨日の試合は意外な結末だった」「意外の感に打たれた」「意外と知らないことも多い」「意外に高く売れる商品」などがあります。
その他にも「言語化するのは意外と難しい」「意外に身長が高い」「マリンスポーツが好きなんて意外ですね」「意外な事実を言われました」「それはとても意外だ」「トイレの正しい掃除方法は意外と知らない」「ここに居るとは意外でした」などがあります。
意外という言葉は、人にも物事にも幅広く使える言葉です。上記の「彼は意外と良い人だ」は人に対して使った例となります。彼は予想していたよりも良い人だったという意味です。
また、「この中華料理は意外と美味しい」や「意外に高く売れる商品」は物事に対して使った例となります。今食べている中華料理は予想以上に美味しいことや、この商品は思っていた以上に高く売れることを意味しています。
意外という言葉はプラスなイメージもマイナスなイメージもあります。予想より良い結果で使う場合はプラスなイメージになりますし、予想よりも悪い結果だった場合はマイナスなイメージになります。
また、上記の「意外な」は形容動詞、「意外と」や「意外に」は副詞となっており、「意外」という言葉はこのように形容動詞や副詞として使われることが多い言葉です。
意外の対義語
意外の対義語・反対語としては、そうなることが当たり前のことを意味する「当然」などがあります。
意外の類語
意外の類語・類義語としては、考えと違ってることを意味する「思いのほか」、予想が外れることを意味する「案外」、思ってもみないことを意味する「思いがけない」、様子が普通ではないことを意味する「異様」などがあります。
意外の意の字を使った別の言葉としては、ある問題に関する主張や考えなどを意味する「意見」、どうするつもりかという考えのことを意味する「意向」、物事に対しての考えのこと意味する「意想」、何かをしようとすることを意味する「意図」などがあります。
心外の例文
この言葉がよく使われる場面としては、思いがけない悪い結果に残念に思うことを表現したい時などが挙げられます。
例文1や例文3のように、不満を表す時によく使われます。心外という言葉を使う人は基本的に怒ってる時が多いです。ただし、心外という言葉を受け取る側も不快になることがよくあるので、使う場面には十分に気を付けてください。
意外の例文
この言葉がよく使われる場面としては、思っていることと非常に違うことを表現したい時などが挙げられます。
例文1、例文3、例文5のように、思ってもいなくて非常に驚いたという意味で使われることが多いです。
意外という言葉はどの場面でも非常に使いやすいため、馴染みがあるはずでしょう。