似た意味を持つ「謹賀新年」(読み方:きんがしんねん)と「あけましておめでとうございます」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」という言葉は、どちらも新年の挨拶のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」の違い
「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」の意味の違い
「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」の違いを分かりやすく言うと、「謹賀新年」とは男性が使う言葉、「あけましておめでとうございます」とは女性が使う言葉という違いです。
「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」の使い方の違い
一つ目の「謹賀新年」を使った分かりやすい例としては、「謹賀新年、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます」「謹賀新年を入れた年賀状を作成しました」「謹賀新年、今年があなたにとって最高に素晴らしい1年になりますように」などがあります。
二つ目の「あけましておめでとうございます」を使った分かりやすい例としては、「あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします」「あけましておめでとうございますとメールを送ったものの返事が返ってこなくて少し寂しい」などがあります。
「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」の使い分け方
「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」はどちらも新年の挨拶のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「謹賀新年」は男性が使う言葉、「あけましておめでとうございます」は女性が使う言葉と覚えておきましょう。
ただし、現代では男女平等の社会なので、「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」はどちらを使っても問題ありません。
ではなぜ「謹賀新年」は男性が使う言葉、「あけましておめでとうございます」は女性が使う言葉になったのかというと、昔は新年の挨拶は一家の主である男性が行うという決まりがありました。そして、男性は漢語を使うのが一般的だっため、「謹賀新年」が男性の言葉になっていたのです。
一方、「あけましておめでとうございます」は大和言葉と言われており、女性が使う正式な賀詞とされていたので、女性が使う言葉となっていました。大和言葉とは漢語でも外来語でもない、古来から使われている日本で生まれ日本で育った言葉のことを指しています。
「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」の英語表記の違い
「謹賀新年」も「あけましておめでとうございます」も英語にすると「happy New Year」となり、例えば上記の「謹賀新年、今年があなたにとって最高に素晴らしい1年になりますように」を英語にすると「Happy New Year! May this be a happy and fruitful year」となります。
「謹賀新年」の意味
「謹賀新年」とは
「謹賀新年」とは、謹んで新年の喜びを申し述べることを意味しています。
「謹賀新年」の読み方
「謹賀新年」の読み方は「きんがしんねん」です。誤って「きんがしんとし」などと読まないようにしましょう。
「謹賀新年」の使い方
「謹賀新年」を使った分かりやすい例としては、「今年もらった年賀状には、謹賀新年と可愛い寅が一緒に載っていました」「1月7日を過ぎたのでそろそろ謹賀新年の垂れ幕を外そう」「お正月なので車内広告は謹賀新年が多い」などがあります。
「謹賀新年」は新年の挨拶として使う言葉です。また、「謹賀新年」は「謹」の漢字を使っているので相手に対しての敬意も含まれています。そのため、目上の人に対して使って問題ありません。
「謹賀新年」はいつまで使えるのか
「謹賀新年」はいつまで使っていいんだろうと迷う方もいると思いますが、一般的に松の内までと言われています。松の内とは正月の松飾りを立てておく期間のことです。主に、元日から7日と言われていますが、地域によっては15日までのところもあります。
「謹賀新年」の類語
「謹賀新年」の類語・類義語としては、うやうやしく新年をお祝い申し上げることを意味する「恭賀新年」(読み方:きょうがしんねん)、新年を祝うことを意味する「賀正」(読み方:がしょう)などがあります。
「あけましておめでとうございます」の意味
「あけましておめでとうございます」とは
「あけましておめでとうございます」とは、正月の挨拶のことを意味しています。
「あけましておめでとうございます」の漢字表記
「あけましておめでとうございます」を漢字にすると、「明けましておめでとうございます」と表記することができます。
「あけましておめでとうございます」の使い方
「あけましておめでとうございます」を使った分かりやすい例としては、「新年を迎えたので友人にあけましておめでとうスタンプを送りました」「あけましておめでとうございます、お陰様で無事新年を迎えることができました」などがあります。
「あけましておめでとうございます」は正月に使う挨拶のことで、年賀状やメールなどで定番のフレーズとして使われています。
「新年あけましておめでとうございます」は間違い
また、よく使われている「新年あけましておめでとうございます」は間違ったフレーズなので気を付けましょう。「あけまして」には年を改めるという意味があるため、新しい年のことを意味する「新年」とセットにしてしまうと重複した意味なので誤用です。
しかし、「新年あけましておめでとうございます」は誤用なものの広く一般的に使われているため、現代では許容されています。そのため、一概には間違いとは言えなくなっているのが現実です。
また、「新年」を使いたいのであれば、「新年おめでとうございます」を使えば誤用と思われることもないでしょう。
「あけましておめでとうございます」はいつまで使えるのか
「あけましておめでとうございます」はいつまで使っていいんだろうと迷う方もいると思いますが、一般的に松の内までと言われています。松の内とは正月の松飾りを立てておく期間のことです。主に、元日から7日と言われていますが、地域によっては15日までのところもあります。
「あけましておめでとうございます」は喪中では使えない
「あけましておめでとうございます」を使う上で気を付けなければいけないのは、喪中では使えないという点です。身内に不幸があった場合は翌年の新年の挨拶のお祝いを自粛するのが一般的になっています。また、喪中の方に対しても使わないようにしましょう。
もし、新年挨拶をしたいのであれば、「旧年中は大変お世話になりました」のようにお祝いの言葉は入れないのが一般的です。
「あけましておめでとうございます」の類語
「あけましておめでとうございます」の類語・類義語としては、年の初めにする挨拶のことを意味する「新年おめでとうございます」、新年に使う挨拶のことを意味する「謹んで新春のお慶びを申し上げます」などがあります。
「謹賀新年」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、謹んで新年の喜びを申し述べることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「謹賀新年」はお正月に使う言葉です。
「あけましておめでとうございます」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、正月の挨拶のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「あけましておめでとうございます」はお正月に使う言葉です。
「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」はどちらも新年の挨拶のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「謹賀新年」は男性が使う言葉、「あけましておめでとうございます」は女性が使う言葉と覚えておきましょう。
しかし、現代社会では性別による使い分けはないので、基本的に好きな方を使って問題ありません。