似た意味を持つ「ロジカルシンキング」と「クリティカルシンキング」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ロジカルシンキング」と「クリティカルシンキング」という言葉は、「客観的な思考」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違い
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの意味の違い
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いを分かりやすく言うと、ロジカルシンキングは論理的な考え方を表す時に使い、クリティカルシンキングは批判的な考え方を表す時に使うという違いです。
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの使い方の違い
一つ目のロジカルシンキングを使った分かりやすい例としては、「ロジカルシンキングを学ぶためのワークシートを受け取った」「ロジカルシンキングを用いた説明で子どもは納得した」「ロジカルシンキングはどんな場面でも役立つだろう」などがあります。
二つ目のクリティカルシンキングを使った分かりやすい例としては、「クリティカルシンキングの能力を養いたい」「批判と言えど相手を悪く言うことがクリティカルシンキングではない」「クリティカルシンキングを考慮する余裕を作り出したい」などがあります。
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの使い分け方
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングはどちらも、物事を客観的に考える際に使われる思考方法ですが、その考え方に違いがあります。
ロジカルシンキングは、論理的に思考することやその考え方を指す言葉で、問題解決のための情報整理とも言えます。結果の分析を行い課題を見つけ、論理的に解決策を見出していきます。
一方のクリティカルシンキングは、前提条件や他の要因を疑い、検討して思考することやその考え方を指す言葉です。批判的思考とも言われますが、否定的な意味だけで使われるわけではありません。
つまり、ロジカルシンキングは情報の整理を行い筋道を立てるような考え方を表し、クリティカルシンキングは情報の批判を行い検証や検討をすることで精度を高める考え方を表します。
これらに優劣はなく、両者同時に用いられることもあり、問題解決のために役立てられています。
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの英語表記の違い
ロジカルシンキングを英語にすると「logical thinking」となり、例えば上記の「ロジカルシンキングを学ぶ」を英語にすると「learn about logical thinking」となります。
一方、クリティカルシンキングを英語にすると「critical thinking」となり、例えば上記の「クリティカルシンキングの能力」を英語にすると「critical thinking skills」となります。
ロジカルシンキングの意味
ロジカルシンキングとは
ロジカルシンキングとは、論理的思考を意味しています。
ロジカルシンキングの使い方
ロジカルシンキングを使った分かりやすい例としては、「ロジカルシンキングは今では多くの場面で役に立つ」「研修でロジカルシンキングの考え方を学び応用ができそうだと感じた」「幼少期からロジカルシンキングを大切にした方が良い」などがあります。
その他にも、「ロジカルシンキングはゲームで身に付けることができる」「今までロジカルシンキングを使って様々な問題を解決してきた」「子どもたちにロジカルシンキングを鍛えてもらいたい」などがあります。
ロジカルシンキングのロジカルは英語で「logical」と表記され、論理的、必然や不可避を意味する言葉として使われています。しかし、ロジカルシンキングという言葉は英辞書にはあまり記載されていないこともあり、一般的に英語圏では使われていません。
日本のコンサルタントたちが著書にロジカルシンキングについてや、そのためのツールを記したことから広まった考え方であるため、経営に関する用語と言えます。
仕事や勉強などにおける課題を挙げてその原因を探り、さらにその原因が引き起こされている理由を考えます。その上で、考え得る根本的な原因の解決方法を模作する、といった考え方はロジカルシンキングの一例です。
また、ロジカルシンキングには、一般論といった大前提から見聞きした前提情報を結びつけて結論を導く演繹法と、複数の出来事や情報から結論を導く帰納法の大きく分けて二つの方法があります。
ロジカルシンキングの類語
ロジカルシンキングの類語・類義語としては、複雑な事柄を一つ一つ確認し構成などを明らかにする考え方を意味する「分析的思考」があります。
クリティカルシンキングの意味
クリティカルシンキングとは
クリティカルシンキングとは、批判的思考を意味しています。
クリティカルシンキングの使い方
クリティカルシンキングを使った分かりやすい例としては、「クリティカルシンキングという言葉を初めて聞いた時はどんな考え方かわからなかった」「クリティカルシンキングの過程で挙げられた仮説を並べる」などがあります。
その他にも、「クリティカルシンキングに則って根拠を得てから話を進めたい」「クリティカルシンキングを応用させる場合は一人で意見を出すよりも他者を交える方がいいだろう」「徐々にクリティカルシンキングが重視され始めている」などがあります。
クリティカルシンキングのクリティカルは英語で「critical」と表記され、批評や評論などの意味で使われています。酷評することも表すこともありますが、日本語のクリティカルシンキングは必ずしも否定的な考え方をするわけではありません。
1930年代にアメリカで主張され、1960年代に注目されることとなった教育用語で、日本では1970年代頃にこの考えを用いることが考えられていました。
クリティカルシンキングの定義は、科学的な考え方と矛盾する点を探すことや、自分の考えだけが正しいのではなく他の思考も吟味すること、評価的になってすべての議論を考慮することや、多面的に物事をとらえて本質を見抜くことなど、学者によって様々です。
クリティカルシンキングの類語
クリティカルシンキングの類語・類義語としては、自分の考えや行動などを振り返る考え方を意味する「内省的思考」があります。
ロジカルシンキングの例文
この言葉がよく使われる場面としては、論理的思考を表す時などが挙げられます。
例文4の考え方は、帰納法と呼ばれる考えてロジカルシンキングの手法の一つです。
クリティカルシンキングの例文
この言葉がよく使われる場面としては、批判的思考を表す時などが挙げられます。
どの例文のクリティカルシンキングという言葉も、ロジカルシンキングという言葉に置き換えて使うことはできません。
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングは、どちらも「客観的思考」を表します。
どちらを使うか迷った場合は、情報を整理する論理的な考え方を表す場合は「ロジカルシンキング」を、情報を検討する批判的な考え方を表す場合は「クリティカルシンキング」を使うと覚えておけば間違いありません。