【ドラスティック】と【ドラマティック】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ドラスティック」と「ドラマティック」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ドラスティック」と「ドラマティック」という言葉は、どちらも「ドラ」という読み方を含むため混同して使われる傾向がありますが、意味は大きく異なりますのでご注意下さい。




ドラスティックとドラマティックの違い

ドラスティックとドラマティックの意味の違い

ドラスティックとドラマティックの違いを分かりやすく言うと、ドラスティックは行動に対して使い、ドラマティックは感情に対して使うという違いです。

ドラスティックとドラマティックの使い方の違い

一つ目のドラスティックを使った分かりやすい例としては、「ドラスティックな結論が出された」「改革案のドラスティックさには目を見張るものがあった」「ドラスティックに変更された仕様に顧客は満足しているようだ」などがあります。

二つ目のドラマティックを使った分かりやすい例としては、「試合中にドラマティックな場面を多く見た」「ドラマティックだと思っていた物語はまだ終わりではなかった」「ドラマティックさを感じる人生に憧れているらしい」などがあります。

ドラスティックとドラマティックの使い分け方

ドラスティックとドラマティックは、どちらも「ドラ」という文字を含むため読み方が似ている言葉ですが、意味は異なります。

ドラスティックは、思い切った様子や過激な様子を表す言葉です。そのため、上記例文の「改革案」「変更された仕様」などシステムや、それに関する動線などの変化を伴う場合に使います。

一方のドラマティックは、人の心を揺さぶるようなものに対して使われるもので、演劇などを見て感動したり印象的に感じたりする様子を表します。

つまり、ドラスティックは人の行動などに対して使うのに対して、ドラマティックは心情に対して使われる言葉という違いがあります。後者にも過激さを含む場合がありますが、前者に演劇のように感動的である様子という意味が含まれることはありません。

ドラスティックとドラマティックの英語表記の違い

ドラスティックを英語にすると「drastic」となり、例えば上記の「ドラスティックな結論」を英語にすると「a drastic end」となります。

一方、ドラマティックを英語にすると「dramatic」となり、例えば上記の「ドラマティックな場面」を英語にすると「a dramatic scene」となります。

ドラスティックの意味

ドラスティックとは

ドラスティックとは、思い切っていて過激な様子を意味しています。

表現方法は「ドラスティックな人」「ドラスティックな変化」「ドラスティックな計画」

「ドラスティックな人」「ドラスティックな変化」「ドラスティックな計画」などが、ドラスティックを使った一般的な言い回しです。

ドラスティックの使い方

ドラスティックを使った分かりやすい例としては、「今後はよりドラスティックに改善していく必要があると思っている」「ドラスティックな計画にメンバー全員目を皿にした」「ドラスティックなものでなく小さな修正が有効な場合もある」などがあります。

その他にも、「ドラスティックさのある案の実行が決定された」「彼の考えや行動は時折ドラスティックだと思っている」「改革を行うのであればドラスティックなものでなければ大きな変化は起きないだろう」などがあります。

ドラスティックは英語で「drastic」と表記され、「思い切った」「徹底的な」「猛烈な」という意味を持つ言葉で、日本語でも同じ意味で使われています。また、「ドラスチック」という表記もあります。

ビジネスシーンなどで使われている言葉ですが、大きな変化や徹底的なやり方を表すため、小さな変化を伴う計画や、大々的ではないものに対して使うことはできません。

また、過激という意味も持ちますがマイナスイメージはなく、基本的には改善策や改革などより良いものになるためのものに使われている言葉です。

ドラスティックの対義語

ドラスティックの対義語・反対語としては、刺激的ではない様子を意味する「マイルド」、程度がちょうどいいことを意味する「適度」、完全な状態ではなく、どちらともつかない状態を意味する「半端」があります。

ドラスティックの類語

ドラスティックの類語・類義語としては、度を越して激しいことを意味する「過激」、極めて手厳しい様子を意味する「辛辣」、勢いが強く激しい様子を意味する「猛烈」、物事の変化や動きなどが激しい様子を意味する「急激」などがあります。

ドラマティックの意味

ドラマティックとは

ドラマティックとは、感動的で印象的である様子を意味しています。

ドラマティックの使い方

ドラマティックを使った分かりやすい例としては、「ドラマティック・アイロニー的描写はシェイクスピアが得意としていた」「ドラマティックな展開に胸が躍る」「誕生日イベントにもドラマティックさがほしいと要望を受けた」などがあります。

その他にも、「サプライズだけがドラマティックな雰囲気を演出するわけではない」「彼のプロポーズの言葉がドラマティックだったと友人は喜んでいた」「彼女はドラマティックな夢を見続けては自分に語ってくる」などがあります。

ドラマティックは英語で「dramatic」と表記され、「演劇の」「劇的な」「表情豊かな」という意味を持つ言葉で、日本語でも同じ意味で使われています。また、「ドラマチック」という表記もあります。

「ドラマティック・アイロニー」の意味

上記例文の「ドラマティック・アイロニー」とは、物語の結末が当事者が知らないままに期待などとはかけ離れたものになることを意味する言葉です。物語中の登場人物には知り得ないものの観客には理解できる皮肉な状態を指す時に使われます。

その時の登場人物の言葉が、のちのち自分が陥る不幸をまるで説明していたかのような言葉であったことを、観客が見届けることとなった場合に使われます。俗に言う、不吉な兆候の意味で使われる「フラグ」と似たようなものです。

ドラマティックの対義語

ドラマティックの対義語・反対語としては、物事が平穏である様子を意味する「平坦」、毎日のように繰り返されるようなものを意味する「日常的」があります。

ドラマティックの類語

ドラマティックの類語・類義語としては、劇を見ているように緊張感や感動を覚える様子を意味する「劇的」、劇的な変化に富んでいることを意味する「波瀾万丈」、怒ったり感心したりする様子を意味する「目を見張る」などがあります。

ドラスティックの例文

1.ドラスティックな改革が打ち出されて他の社員も驚いていたが、実際進めてみればどの社員にも利がある内容だった。
2.旧バージョンからの変更は思ったよりも保守的で、ドラスティックなものではなかった。
3.業務内容の見直しから多くのフローが改善されたが、ドラスティックさは無く、以前と大きな動きの違いがなかった。
4.予備費として用意されていた予算がドラスティックに削減されたものの、逆に余裕がなくなったからか堅実に事を進めるようになった気がする。
5.ドラスティックなサービスが提供されるという告知がSNSで広まり始めてから、実際に消費者のもとまで届くまでは気が抜けない。

この言葉がよく使われる場面としては、思い切っていて過激な様子を意味する時などが挙げられます。

どの例文のドラスティックという言葉も計画や行動などに使われているため、ドラマティックという言葉に置き換えて使う場合意味が大きく変わります。

ドラマティックの例文

1.ドラマティックな展開が人気なのだろう、原作である書籍はもちろん、先日映画化されたこともあり、多くのメディアで人々に愛されている作品だとわかる。
2.プロポーズはドラマティックに行いたいと考えていた友人は、逆にプロポーズをされたらしいが、微塵もドラマティックな雰囲気ではなかったそうだ。
3.ドラマティックさをホラー映画などのジャンルに求めて鑑賞するのは不思議だと思わざるを得ない。
4.観劇した舞台のラストシーンは非常にドラマティックで、実際にこんな出来事に遭遇したらドッキリを疑ってしまうだろうと思った。
5.人によってドラマティックだと思える瞬間は異なるのかもしれないと感じたのは、友人とドラマの感想を言い合っている時だった。

この言葉がよく使われる場面としては、感動的で印象的である様子を意味する時などが挙げられます。

どの例文のドラマティックという言葉も演劇を見て覚えるような感動や驚きを感じた時に使われるため、ドラスティックという言葉に置き換えて使うことはできません。

ドラスティックとドラマティックどちらを使うか迷った場合は、行動に対して使う場合は「ドラスティック」を、感情に対して使うを表す場合は「ドラマティック」を使うと覚えておけば間違いありません。

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