似た意味を持つ「ギミック」と「トリック」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ギミック」と「トリック」という言葉は、「仕掛けられたもの」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ギミックとトリックの違い
ギミックとトリックの意味の違い
ギミックとトリックの違いを分かりやすく言うと、ギミックは存在が分かっている仕掛けを表現する時に使い、トリックは存在が分からない仕掛けを表現する時に使うという違いです。
ギミックとトリックの使い方の違い
一つ目のギミックを使った分かりやすい例としては、「購入したマグカップには素敵なギミックが施されている」「映像ギミックを隅から隅まで分析したい」「新しく発売される車のギミックが心躍るものだった」などがあります。
二つ目のトリックを使った分かりやすい例としては、「ちょっとしたトリックを教わった」「何らかのトリックがあるはずだと主人公が悩み込んだところまで読んだ」「事件のトリックを見抜けないままエンディングを迎えた」などがあります。
ギミックとトリックの使い分け方
ギミックとトリックはどちらも仕掛けを意味する言葉として使われていますが、ニュアンスが若干異なります。
ギミックは、相手の興味を引くような仕掛けを指すことがほとんどで、「映像ギミック」「曲中のギミック」「車のギミック」などのような使い方をすることもあります。
一方のトリックは、本物のように表現されて人の目を騙すような仕掛けを指すため、最初は認識ができなかったり隠されている仕掛けがほとんどです。「事件のトリック」「トリックアート」が良い例です。
つまり、ギミックは仕掛けられているものの存在があらかじめ分かっている場合も隠されている場合にも使うことができるのに対して、トリックは存在が隠されていたり、相手の注意を逸らす場合に使うことができるという違いがあります。
また、ギミックはどちらの場合でも使われることがあることから、トリックがギミックに含まれていると考えられることもあります。
ギミックとトリックの英語表記の違い
ギミックを英語にすると「gimmick」となり、例えば上記の「素敵なギミック」を英語にすると「a nice gimmick」となります。一方、トリックを英語にすると「trick」となり、例えば上記の「ちょっとしたトリック」を英語にすると「a little trick」となります。
ギミックの意味
ギミックとは
ギミックとは、ちょっとした仕掛けを意味しています。
その他にも、映像や音による特殊効果を意味する言葉としても使われています。
ギミックの使い方
「ギミックコインだと分かるまでに時間が掛かった」「ギミックが隠されているのは事前に教えてもらった」「お湯を入れると色が変化するギミックは目の保養の一つだ」などの文中で使われているギミックは、「仕掛け」の意味で使われています。
一方、「広告ギミックのおかげか企業の注目度が上がった」「この映像に施されたギミックが効果的でクリエイターとして勉強になる」などの文中で使われているギミックは、「興味を持たせるための特殊効果」の意味で使われています。
ギミックは英語で「gimmick」と表記され、秘密の仕掛けや工夫を意味する言葉として使われ、日本語でも同じように使われています。
広告や映像において使われる場合は見る人の興味を引くような手法を指し、自動車において使われる場合には豪華さの演出に用いられる装置を指します。音楽において使われる場合は、メロディや楽器の音に仕掛けを施して注目を集めるような手法を指します。
「ギミックコイン」の意味
上記例文の「ギミックコイン」とは、細工が施されている硬貨を指す言葉で、マジックにおいて使われている道具で、トリックコインとも呼ばれています。ただし、日本の本物の硬貨を加工して使うことは法律によって禁止されています。
ギミックの類語
ギミックの類語・類義語としては、仕掛けのある機械を意味する「機関」、やり方を意味する「手口」、人を騙して陥れるための工夫を意味する「罠」、計画や工夫を意味する「仕組み」などがあります。
トリックの意味
トリックとは
トリックとは、人を出し抜くためのからくりを意味しています。
その他にも、巧みな技術を意味する言葉としても使われています。
表現方法は「トリックを考える」「トリックを見破る」
「トリックを考える」「トリックを見破る」などが、トリックを使った一般的な言い回しです。
トリックの使い方
「トリックアートは見ることも作ることもできる」「トリックが仕掛けられていることは分かっても見たものを信じてしまう」「トリックをすぐさま見破る主人公のシーンから始まる」などの文中で使われているトリックは、「からくり」の意味で使われています。
一方、「叙述トリックは読んでいて最後にいい意味で裏切られたように感じて楽しめる」「策略を駆使するトリックスターは英雄として良いイメージを与えることが多い」などの文中で使われているトリックは、「妙技」の意味で使われています。
トリックは英語で「trick」と表記され、たくらみや策略、冗談、幻覚や錯覚といった意味を持つ言葉で、日本語でも同じように使われています。
「トリックアート」の意味
上記例文の「トリックアート」とは、人の目の錯覚を利用することで立体的に見せたり、角度によって見えるものが異なる作品を指す言葉です。実際には有り得ないものが描かれることや、実際に中に入ることで体感することができる作品もあります。
「叙述トリック」の意味
また、上記例文の「叙述トリック」は小説で使われる手法の一つで、読者に誤認させるために文章に施す仕掛けを指す言葉です。一般的には読者の先入観などを利用して、一部の描写を明確にしないまま物語を進めることでミスリードを誘います。
トリックの類語
トリックの類語・類義語としては、動力を得て目的に応じた運動や仕事をするものを意味する「機械」、機械仕掛けを意味する「メカニズム」、まやかしや奇術を意味する「マジック」などがあります。
ギミックの例文
この言葉がよく使われる場面としては、ちょっとした仕掛けを意味する時などが挙げられます。
例文4や5のように、仕掛けられた装置ではなく、商品などを目立たせて見た人の興味を引くような仕掛けに対しても使われています。
トリックの例文
この言葉がよく使われる場面としては、人を出し抜くためのからくりを意味する時などが挙げられます。
例文2の「トリック撮影」とは、映画やテレビなどで仕掛けや特殊な撮影をすることで、実際にはあり得ないことを本物のように見せる技術を指す言葉です。
ギミックとトリックは、どちらも「仕掛け」を表します。どちらを使うか迷った場合は、最初から存在が分かっている仕掛けを表す場合は「ギミック」を、存在が分からない仕掛けを表す場合は「トリック」を使うと覚えておけば間違いありません。