【憂い】と【愁い】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「うれい」という読み方の「憂い」と「愁い」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「憂い」と「愁い」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「憂い」と「愁い」の違い

「憂い」と「愁い」の意味の違い

「憂い」と「愁い」の違いを分かりやすく言うと、「憂い」とは予測される悪い事態に対する心配や気遣いのこと、「愁い」とは嘆き悲しむことという違いです。

「憂い」と「愁い」の使い方の違い

一つ目の「憂い」を使った分かりやすい例としては、「将来のことを憂いしっかりと勉強することにしました」「あなたと同じくらいその事態を憂いている」「後顧の憂いがあっては思うように働けません」「彼女の釈放が延期になる憂いがあります」などがあります。

二つ目の「愁い」を使った分かりやすい例としては、「いつも元気な彼女が愁いのある表情をしていたので心配です」「最近は愁いがある女性は男性から人気がある」「その知らせに一同愁い沈んだ」などがあります。

「憂い」と「愁い」の使い分け方

「憂い」と「愁い」は同音の言葉でどちらもお互いの意味を持ち合わせていますが、「憂い」は予測される悪い事態に対する心配や気遣いのこと、「愁い」は嘆き悲しむことの意味で使うのが一般的というのが違いです。

「憂い」と「愁い」の英語表記の違い

「憂い」を英語にすると「fear」「worry」となり、例えば上記の「彼女の釈放が延期になる憂いがあります」を英語にすると「There is some fear that her release may be postponed」となります。

一方、「愁い」を英語にすると「grief」「sorrow」「distress」となり、例えば上記の「その知らせに一同愁い沈んだ」を英語にすると「We sank into despair at the news」となります。

「憂い」の意味

「憂い」とは

「憂い」とは、予測される悪い事態に対する心配や気遣いのことを意味しています。

「憂い」の読み方

「憂い」の読み方は「うれい」です。誤って「ゆうい」と読まないようにしましょう。

表現方法は「憂いを帯びた」「憂いに満ちた」「憂いがある」

「憂いを帯びた」「憂いに満ちた」「憂いがある」「憂いにかかる」などが、「憂い」を使った一般的な言い回しになります。

「憂い」の使い方

「憂い」を使った分かりやすい例としては、「キャプテンを任せられる後輩がいるので後顧の憂いなく引退できる」「こんな天気の悪い日は物憂いです」「いつまでも就職先が見つからず憂いと不安が隠せません」「現状を憂いていてもしょうがないだろう」などがあります。

「憂い」は予測される悪い事態に対する心配や気遣いのことの他に、嘆き悲しむことの意味も持っていますが、基本的には予測される悪い事態に対する心配や気遣いのことの意味で使う言葉と覚えておきましょう。

また、「憂い」は心配するや不安になるというニュアンスなので、基本的にマイナスのイメージで使う言葉になります。

「憂い」は元々「うれえ」と読んでいた言葉ですが、中世以降は音変化し「うれい」と読まれるようになり、現代では「うれい」の方を使うのが一般的になっています。

「憂い」の類語

「憂い」の類語・類義語としては、物事の先行きなどを気にして心を悩ますことを意味する「心配」、気がかりで落ち着かないことを意味する「不安」、どうなるかと不安で心から離れないことを意味する「気掛かり」などがあります。

「愁い」の意味

「愁い」とは

「愁い」とは、嘆き悲しむことを意味しています。

「愁い」の読み方

「愁い」の読み方は「うれい」です。誤って「しゅうい」と読まないようにしましょう。

表現方法は「愁いを感じる」「愁いを帯びた」「愁いを含む」

「愁いを感じる」「愁いを帯びた」「愁いを含む」などが、「愁い」を使った一般的な言い回しになります。

「愁い」の使い方

「愁い」を使った分かりやすい例としては、「彼は愁いの顔をしているか何かあったのだろうか」「愁いがある表情はなるべくしないように心掛けています」「彼女は愁いを含んだ表情をしていました」「ここ最近愁い事が多くてとても辛いです」などがあります。

「愁い」は嘆き悲しむことの他に、予測される悪い事態に対する心配や気遣いのことの意味も持ていますが、基本的には嘆き悲しむこの意味で使う言葉と覚えておきましょう。

また、「愁い」は寂しいや悲しいというニュアンスなので、基本的にマイナスのイメージで使う言葉になります。

「愁い」は元々「うれえ」と読んでいた言葉ですが、中世以降は音変化し「うれい」と読まれるようになり、現代では「うれい」の方を使うのが一般的になっています。

「愁い」の類語

「愁い」の類語・類義語としては、思い煩うことを意味する「愁思」、感じやすく涙脆いことを意味する「センチメンタル」、気が塞ぐことを意味する「メランコリー」などがあります。

「憂い」の例文

1.現場を任せられる部下がいるので、後顧の憂いなく退職することができます。
2.備えあれば憂いなしという言葉があるように、災害がいつ起きてもいいように防災セットを常備しています。
3.自分がプロジェクトリーダーをしていいのか、憂いを抱いてしまいます。
4.新婚なのに彼女の表情には憂いが見られたので、何ああったのだろうか。
5.彼が憂いな表情をしているのは、オーディションで思うように演技をできなかったかららしいです。
6.部屋でずっとネットばかり見ている息子の将来に憂いを感じているが、子どもは子どもで親の定年後を心配しているらしい。
7.失業した彼は、生活費のことで憂いを抱えながら、再就職の活動を続けていた。
8.彼女は女性への偏見や差別に対する憂いを持ち、社会の変革を目指して活動していた。
9.彼は自分自身の過去や失敗に対する憂いを持ちつつ、冷静に自身の未来を見据えていた。
10.彼女はやや憂いを含んだ表情で目を閉じ、墓前に手を合わせていました。

この言葉がよく使われる場面としては、予測される悪い事態に対する心配や気遣いのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「憂い」はマイナスなイメージで使われている言葉です。

「愁い」の例文

1.彼女は結婚を考えていた彼氏にフラれて、愁いに満ちた顔をしています。
2.いつも元気なお兄ちゃんが、愁いのある表情をしていたのでとても心配です。
3.最近彼が愁いのある顔をよく見せるようになったので、何か悲しい出来事でもあったのだろうか。
4.彼は受験に失敗してしまい、愁いに満ちた顔をしています。
5.愁いに沈んだ時は、思いっきり遊んで気晴らしをするようにしています。
6.同僚はいつも本心を見せず愁いを帯びた表情をしているが、ペットの猫を抱いているときは満面の笑みでそのギャップに驚いた。
7.彼女は愁いの深い表情で、窓から見える景色を見つめていたが、何かあったのだろうか。
8.彼は愁いを帯びた声で話し、過去の出来事について語り始めた。そして私達はじっと彼の話に耳を傾けた。
9.彼女は愁いを含んだ表情をしていましたから、きっと悲しいことがあったに違いありません。
10.ここ最近愁い事が多くてつらい気持ちであったが、友達とハイキングをすることで嫌な気持ちが晴れました。

この言葉がよく使われる場面としては、嘆き悲しむことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「愁い」はイナスなイメージで使われている言葉です。

「憂い」と「愁い」は同音の言葉になります。どちらの言葉を使うか迷った場合、予測される悪い事態に対する心配や気遣いのことを表現したい時は「憂い」を、嘆き悲しむことを表現したい時は「愁い」を使うと覚えておきましょう。

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