似た意味を持つ「どんでん返し」(読み方:どんでんがえし)と「うっちゃり」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「どんでん返し」と「うっちゃり」という言葉は、どちらも形勢や立場などが逆転することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「どんでん返し」と「うっちゃり」の違い
「どんでん返し」と「うっちゃり」の意味の違い
「どんでん返し」と「うっちゃり」の違いを分かりやすく言うと、「どんでん返し」は良い状態と悪い状態どちらでも使える、「うっちゃり」は悪い状態から良い状態になる場合にのみ使えるという違いです。
「どんでん返し」と「うっちゃり」の使い方の違い
一つ目の「どんでん返し」を使った分かりやすい例としては、「今日観た映画は結末にどんでん返しがあって面白かったです」「どんでん返しの逆転満塁ホームランを打ったことで会場が盛り上がる」「この刑事ドラマは結末のどんでん返しが見ものです」などがあります。
二つ目の「うっちゃり」を使った分かりやすい例としては、「彼はうっちゃりが得意な力士です」「9回裏で相手にチームにうっちゃりを食わせてやりました」「相撲の試合でうっちゃりが決まると会場が盛り上がる」などがあります。
「どんでん返し」と「うっちゃり」の使い分け方
「どんでん返し」と「うっちゃり」はどちらも形勢や立場などが逆転することを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「どんでん返し」は、「試合の終盤でどんでん返しのゴールを決めて勝利することができました」のように、悪い状況から良い状況になる場合だけではなく、「9回裏でどんでん返しをくらい負けてしまいました」のように、良い状況から悪い状況になる場合にも使うことができます。
一方、「うっちゃり」は劣勢な状況から一気に好転するという、悪い状況から良い状況になる場合にのみ使うというのが違いです。しかし、現代では良い状況から悪い状況になる場合にも使う人もいると覚えておきましょう。
「どんでん返し」と「うっちゃり」の英語表記の違い
「どんでん返し」を英語にすると「reversal」となり、例えば上記の「この刑事ドラマは結末のどんでん返しが見ものです」を英語にすると「This detective drama has a marvelous unexpected twist at the end」となります。
一方、「うっちゃり」は日本で生まれた言葉なので、英語にすると「utchari」となります。
「どんでん返し」の意味
「どんでん返し」とは
「どんでん返し」とは、形勢や立場などが逆転することを意味しています。
表現方法は「どんでん返しがすごい」「どんでん返しがある」「どんでん返しをくらう」
「どんでん返しがすごい」「どんでん返しがある」「どんでん返しをくらう」などが、「どんでん返し」を使った一般的な言い回しです。
「どんでん返し」の使い方
「どんでん返し」を使った分かりやすい例としては、「サッカーの試合でどんでん返しが起こると会場が盛り上がる」「このドラマは終盤でどんでん返しがあり面白かったです」「応援しているチームがどんでん返しでシーズン優勝を決めました」などがあります。
「どんでん返し」は形勢や立場などが逆転することを意味する言葉で、スポーツシーンや小説や映画などの創作物においての展開技法としてよく使われています。
「どんでん返し」は悪い状況から良い状況になる場合と、良い状況から悪い状況になる場合のどちらでも使うことができるのが特徴です。
例えば、「9回裏に打者一巡の猛攻で6点を奪いどんでん返しで試合に勝利することができました」は悪い状況から良い状況になる使い方になります。
また、「後半ロスタイムにどんでん返しをくらい負けてしまいました」のように、「どんでん返しをくらう」「どんでん返しにあう」の言い回しを使う場合は、良い状況から悪い状況になることを表現しています。
「どんでん返し」の由来
「どんでん返し」の由来は歌舞伎の強盗返し(読み方:がんどうがえし)です。強盗返しとは、歌舞伎で大道具を90度後ろへ倒して底面を垂直に立てて次の場面に転換させる仕掛けのことを意味しています。
この「強盗返し」を行う際に太鼓を鳴らすのが一般的で、「どんでんどんでん」という音が鳴り響ひていました。この場面が変わることが転じて、形勢や立場などが逆転することを「どんでん返し」と言うようになったと言われています。
「どんでん返し」の類語
「どんでん返し」の類語・類義語としては、事の成り行きなどがそれまでとは反対になることを意味する「逆転」、物事が急激に発展や変革することを意味する「革命」などがあります。
「うっちゃり」の意味
「うっちゃり」とは
「うっちゃり」とは、土壇場で形勢を逆転させることを意味しています。その他にも、相撲の決まり手の意味も持っています。
「うっちゃり」の漢字表記
「うっちゃり」を漢字にすると、「打っ遣り」や「打っ棄り」と表記することができますがあまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「うっちゃり」を使うようにしましょう。
「うっちゃり」の使い方
「うっちゃり」を使った分かりやすい例としては、「うっちゃりを決めて試合に勝ちました」「この映画は終盤でうっちゃりがあり観ていて面白かったです」「うっちゃりじゃなくてもっと早く試合に勝てと親方に怒られました」などがあります。
「うっちゃり」は基本的に悪い状況から良い状況になる場合に使う言葉になります。しかし、近年では良い状況から悪い状況になる場合にも使う人が増えていると覚えておきましょう。
「うっちゃり」の由来は相撲
「うっちゃり」は元々、相撲の決まり手の一つで、相手が寄ってくるのを土俵際で堪えて体をひねって相手を逆に土俵の外へ出す技のことを意味していました。つまり、「うっちゃり」は普通は寄り切りられるところを、逆転する技になります。
これが転じて、劣勢の状況から逆転することを「うっちゃり」と言うようになりました。現代ではこちらの意味で使うのが一般的になっています。
「うっちゃり」の類語
「うっちゃり」の類語・類義語としては、劣勢な状況を一気に覆すことを意味する「一発逆転」、事の成り行きなどがそれまでとは反対になることを意味する「大逆転」などがあります。
「どんでん返し」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、形勢や立場などが逆転することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「どんでん返し」は驚くような結末を迎えた時に使う表現です。
「うっちゃり」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、土壇場で形勢を逆転させることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「うっちゃり」は驚くような結末を迎えた時に使う表現です。
「どんでん返し」と「うっちゃり」はどちらも形勢や立場などが逆転することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、良い状態と悪い状態どちらでも使えるのが「どんでん返し」、悪い状態から良い状態になる場合にのみ使えるのが「うっちゃり」と覚えておきましょう。