似た意味を持つ「セオリー」と「マニュアル」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「セオリー」と「マニュアル」という言葉は、「法則的な筋道」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
セオリーとマニュアルの違い
セオリーとマニュアルの意味の違い
セオリーとマニュアルの違いを分かりやすく言うと、セオリーは主観的な筋道を表現する時に使い、マニュアルは客観的な筋道を表現する時に使うという違いです。
セオリーとマニュアルの使い方の違い
一つ目のセオリーを使った分かりやすい例としては、「私のセオリーは数々の経験によって出来上がったものだ」「セオリー通りであれば困らないだろう」「効率化のためにセオリーを確立する必要がある」などがあります。
二つ目のマニュアルを使った分かりやすい例としては、「ユーザーマニュアルをウェブ上で確認してから使用する」「口頭で説明されるより図解されるマニュアルがあると後で読み返せる」「マニュアル撮影の方が自分の望んだ写真を撮れる」などがあります。
セオリーとマニュアルの使い分け方
セオリーとマニュアルは、どちらも法則に沿って組み立てられたものを表す言葉ですが、意味は若干異なります。
セオリーは、物事が筋道立てられた理論を指していますが、持論や意見を意味することから語り手の経験などに基づいて作り上げられた手法や手順を表します。
一方のマニュアルは、機器類などの取扱説明書を指す言葉で、操作する人や話者などの主観が入らずに手順や筋道を表します。また、手動という意味もあるため、車やカメラなどを人の手で操作する場合にも使われています。
つまり、セオリーは主観的に筋道が組み立てられた手順や方法を指し、マニュアルは客観的かつ推奨されている使用方法を指すという違いがあります。
また、効率に焦点を当てた場合は、セオリーは効率化できるよう変化を加えたものを指すこともありますが、マニュアルは基礎的な手法となるため逐一変更されることはありません。
セオリーとマニュアルの英語表記の違い
セオリーを英語にすると「theory」となり、例えば上記の「自分のセオリー」を英語にすると「my theory」となります。一方、マニュアルを英語にすると「manual」となり、例えば上記の「ユーザーマニュアル」を英語にすると「a user’s manual」となります。
セオリーの意味
セオリーとは
セオリーとは、物事の原理や法則を筋道立てて考え組み立てたものを意味しています。
その他にも、持論、自分の意見を主張することを意味する言葉として使われています。
表現方法は「セオリー通り」「セオリーが通じない」「セオリーを覆す」
「セオリー通り」「セオリーが通じない」「セオリーを覆す」などが、セオリーを使った一般的な言い回しです。
セオリーの使い方
「野球のセオリーを理解していない自分でも興奮する試合だった」「グランドセオリーは応用させることなく様々な場合で参考になるだろう」「モチベーション・セオリーに興味がある」などの文中で使われているセオリーは、「理論」の意味で使われています。
一方、「マイセオリーを他者に押し付けるわけにはいかない」「誰かのセオリーを常識と思われても困る」「ここ数年仕事をする上でのセオリーというものが気が付けば存在している」などの文中で使われているセオリーは、「持論」の意味で使われています。
セオリーは英語で「theory」と表記され、持論や理屈、仮設、学説を意味する言葉として使われています。日本語でも同じように使われています。もとは、見ることを意味するギリシア語を英語にしたもので、
「グランドセオリー」の意味
上記例文の「グランドセオリー」とは、あらゆる学問分野における領域で適応できる一般的な理論を指す言葉で、ゼネラルセオリーとも呼ばれています。
「モチベーション・セオリー」の意味
また、上記例文の「モチベーション・セオリー」とは、人や動物が外的な影響より欲求によってのみ行動することに繋がるのかを解説しようとする学説を指す言葉です。看板広告を見たからではなく、自身の欲求によって店内に入ることを決めることなどが該当します。
セオリーの対義語
セオリーの対義語・反対語としては、実際に理論通りに自分で行うことを意味する「実践」、通例の原則に当てはまらないものを意味する「例外」があります。
セオリーの類語
セオリーの類語・類義語としては、物事をする際の最上とされる方法や手順を意味する「定石」、体系的な方法や方式を意味する「メソッド」、議論を進めていく際の論理の運び方を意味する「論法」などがあります。
マニュアルの意味
マニュアルとは
マニュアルとは、取扱説明書を意味しています。
その他にも、操作が手動のものを指す言葉として使われています。
表現方法は「マニュアルを作る」「マニュアルがない」「マニュアルに沿って」
「マニュアルを作る」「マニュアルがない」「マニュアルに沿って」などが、マニュアルを使った一般的な言い回しです。
マニュアルの使い方
「勤務開始日までにマニュアルを読んでおくよう言われた」「後輩のためのマニュアル作成に追われている」「マニュアルを見ても対応できなかったため指示を仰いだ」などの文中で使われているマニュアルは、「手順書」の意味で使われています。
一方、「マニュアル車を運転することができる免許証ではない」「マニュアル式の機器を使って丁寧に作られたコーヒーが売りらしい」「マニュアルモードで撮影するには知識がが必要だ」などの文中で使われているマニュアルは、「手動式」の意味で使われています。
マニュアルは英語で「manual」と表記され、手引や案内書を意味する言葉として使われています。他にも、手先や手動を表すため、上記例文の「マニュアル車」のように変速を手動で動かすタイプの車などに使われています。
上記例文の、効果的なセールス活動のための手引書を意味する「セールス・マニュアル」のように使われることもあれば、法で定められている飛行規程を意味する「フライトマニュアル」などのように規定や基準を示す場合にも使われています。
マニュアルの対義語
マニュアルの対義語・反対語としては、人が操作せずとも自動的に動いて処理する機械や装置を意味する「オートマチック」、自分から進んで行うことを意味する「自発」があります。
マニュアルの類語
マニュアルの類語・類義語としては、新たに始める人のために手ほどきをするための書物を意味する「手引き書」、物事の内容を知るために便利で調べやすいよう編集された本を意味する「ハンドブック」などがあります。
セオリーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事の原理や法則を筋道立てて考え組み立てたものを意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように、自説や持論を意味する言葉として使われることもあります。
マニュアルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、取扱説明書を意味する時などが挙げられます。
例文5のように、手動で操作するものを指す言葉として使われています。
セオリーとマニュアルは、どちらも「法則的な筋道」を表します。どちらを使うか迷った場合は、主観的な筋道を表す場合は「セオリー」を、客観的な筋道を表す場合は「マニュアル」を使うと覚えておけば間違いありません。