似た意味を持つ「ステレオタイプ」と「ステロタイプ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ステレオタイプ」と「ステロタイプ」という言葉は、「決まりきった型」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ステレオタイプとステロタイプの違い
ステレオタイプとステロタイプの意味の違い
ステレオタイプとステロタイプの違いを分かりやすく言うと、ステレオタイプはステロタイプよりも一般的に使われているという違いです。
ステレオタイプとステロタイプの使い方の違い
一つ目のステレオタイプを使った分かりやすい例としては、「ステレオタイプにとらわれたままでは新しいアイデアは出せないだろう」「白衣を着ているから理科の先生であるというステレオタイプに従って声をかけてしまった」などがあります。
二つ目のステロタイプを使った分かりやすい例としては、「ステロタイプ印刷機による印刷風景を見たことはない」「小さい頃からのステロタイプはなかなか払拭できない」「ステロタイプな人は柔軟な思考に憧れているようだ」などがあります。
ステレオタイプとステロタイプの使い分け方
ステレオタイプとステロタイプはどちらも同じ語をカタカナ語として使っている言葉で、意味や使い方に違いはありません。強いて挙げるならば発音が違う点が挙げられます。
どちらの言葉も、フランス語で鉛版を意味する「Stéréotype」を英語のように読んだものを語源とする社会学用語の一つで、先入観や思い込み、固定観念といった意味で使われています。
発音以外に大きな違いはありませんが、インターネット上ではステレオタイプという表記の方が多く使われており、検索エンジンにおけるヒット数はステロタイプの約274倍ものヒット数となり、前者の方が一般的に使われている言葉と言えます。
また、ステレオタイプとステロタイプには、同じ鋳型から生み出されたプレートや鉛版という意味もあり、この意味が転じて、上記の固定観念などの意味で使われるようになりました。
鉛版はステロ版と呼ばれることもあるため、ステレオタイプという言葉で鉛版を表すこともできますが、ステレオタイプは先入観を、ステロタイプは活版印刷の鉛版を指す言葉として区別して使われることもあります。
ステレオタイプとステロタイプの英語表記の違い
ステレオタイプとステロタイプを英語にすると「stereotype」となり、例えば上記の「ステレオタイプにとらわれる」を英語にすると「be caught up in a stereotype」となり、上記の「ステロタイプ印刷機」を英語にすると「stereotype machines」となります。
ステレオタイプの意味
ステレオタイプとは
ステレオタイプとは、固定観念を意味しています。
その他にも、偏見や差別を含んだ先入観や思い込みという意味で使われることもあります。
表現方法は「ステレオタイプな人」「ステレオタイプな考え方」「ステレオタイプ化」
「ステレオタイプな人」「ステレオタイプな考え方」「ステレオタイプ化」などが、ステレオタイプを使った一般的な言い回しです。
ステレオタイプの使い方
「女だから可愛いものが好きというステレオタイプが不思議だ」「何故だか白衣を着ている人は理系というステレオタイプが存在する」「ステレオタイプでも正しい考え方もある」などの文中で使われているステレオタイプは、「固定観念」の意味で使われています。
一方、「都会の人がマナーが悪いというステレオタイプは悪口だろう」「男なのに泣いてばかりという考え方はステレオタイプだ」「国籍に関するステレオタイプは拭われるべきだ」などの文中で使われているステレオタイプは、「思い込み」の意味で使われています。
ステレオタイプの由来
ステレオタイプは英語で「stereotype」と表記され、定型や典型、決まり文句を意味し、日本語でも同じように使われています。本来は活版印刷における鉛版を「ステロタイプ」と呼んでおり、これが語源となっています。
ステレオという言葉がギリシア語で「固い」という意味を持ち、「型」を表す言葉と組み合わせて定型化されたもの、型にはめられたものを表すようになります。
これが転じて、型を使って作られたように同じものを、先入観や思い込み、多くの人の中で共通している認識を指すようになりました。
ステレオタイプの対義語
ステレオタイプの対義語・反対語としては、他と異なる様子を意味する「ユニーク」、一つの立場や考え方にこだわらずに処置や判断できる様子を意味する「柔軟」があります。
ステレオタイプの類語
ステレオタイプの類語・類義語としては、物事の傾向の偏りを意味する「バイアス」、手法が型にはまって新鮮味がないことを意味する「マンネリ」、都合のいいように判断することを意味する「欲目」、考え方が偏っていることを意味する「偏向」などがあります。
ステロタイプの意味
ステロタイプとは
ステロタイプとは、ありふれたやり方を意味しています。
その他にも、印刷で用いる鉛版という意味で使われることもあります。
ステロタイプの使い方
「母親によって自分の思考がステロタイプ化されている」「社会や環境でステロタイプも変わっていく」「毎日の習慣もステロタイプの一つだろう」などの文中で使われているステロタイプは、「決まりきった型」の意味で使われています。
一方、「ステロタイプ印刷も誤植の変更ができるらしい」「ステロタイプよりもオフセット印刷が用いられるようになった」「ステロタイプの型には緩いカーブを描くものもある」などの文中で使われているステロタイプは、「鉛版」の意味で使われています。
ステロタイプの由来
ステロタイプは「ステレオタイプ」と読み方が異なるのみで、起源や意味などは全く同じです。元はフランス語の「Stéréotype」を英語読みした言葉です。
上記例文の「ステロタイプ印刷」は、文字や写真を圧縮して作った紙の型に鉛を流し込んで原版を作り、それを使って同じ印刷物をいくつも作れるようにする印刷方法です。「ステロ版印刷」と呼ばれることがほとんどです。
この印刷業界のステレオタイプが転じて、決まりきった型や先入観といった意味を持つようになり、人間の思考や言動に対して使われるようになりました。
ステロタイプの対義語
ステロタイプの対義語・反対語としては、融通がきき、柔軟性のある様子を意味する「フレキシブル」、他と異なり固有に持つ性質や様子を意味する「個性的」、思いがけないほど風変りな様子を意味する「奇抜」があります。
ステロタイプの類語
ステロタイプの類語・類義語としては、調子が同じで変化に乏しいことを意味する「一本調子」、多くの物事が同じ調子で面白みのないことを意味する「千編一律」同じことの繰り返しで代わり映えしないことを意味する「ワンパターン」などがあります。
ステレオタイプの例文
この言葉がよく使われる場面としては、固定観念を意味する時などが挙げられます。
例文1の「ステレオタイプ脅威」とは、自分自身がステレオタイプに適合する危険性を感じている状況を指す言葉です。この脅威によって、想定されている結果よりも悪い結果が出ることがあります。
ステロタイプの例文
この言葉がよく使われる場面としては、ありふれたやり方を意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように、鉛などの合金を流し込んで作られたプレートを表す言葉としても使われています。
ステレオタイプとステロタイプは、どちらも「決まりきった型」を表します。どちらも同じ使い方をするため、どちらを使うか迷った場合、「ステレオタイプ」は「ステロタイプ」よりも一般的に使われていると覚えておけば間違いありません。