似た意味を持つ「武闘派」(読み方:ぶとうは)と「強硬派」(読み方:きょうこうは)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「武闘派」と「強硬派」という言葉は、どちらも「強い態度で自分の主張を貫こうとする姿勢」を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
武闘派と強硬派の違い
武闘派と強硬派の意味の違い
武闘派と強硬派の違いを分かりやすく言うと、強硬派よりも武闘派の方が、暴力的なニュアンスが強いという違いです。
武闘派と強硬派の使い方の違い
一つ目の武闘派を使った分かりやすい例としては、「彼らは武闘派集団として周囲に恐れられている」「武闘派キャラに憧れて体を鍛えています」「武闘派などの極右グループが市街地でデモを行いました」などがあります。
二つ目の強硬派を使った分かりやすい例としては、「強硬派の意見が反映される結果となった」「積極的な保守強硬派の登用を進める」「あの議員は人種隔離政策の強硬派らしい」「党内強硬派が主導権を握る見込みだ」などがあります。
武闘派と強硬派の使い分け方
武闘派と強硬派という言葉は、どちらも政治の世界で使用され、強い態度で自分の主張を貫こうとする姿勢を表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
武闘派とは、論理的な対話ではなく、暴力や武力を用いて自分の主張を貫こうとする考えを意味します。話し合いで問題を解決しようとせず、目的の為なら武力をもって行うことを辞さないとする一派を指す言葉です。
強硬派とは、自分の主張を貫くために、強い言動や強硬的な手段を用いて物事を押し通そうとする考えを意味します。場合によっては武力行使も辞さない態度を示しますが、武闘派ほど暴力や武力を前面に出すものではありません。
つまり、武闘派とは暴力や武力ありきで主張を貫くことですが、強硬派は暴力や武力ありきではありません。二つの言葉を比べると、強硬派よりも武闘派の方が暴力的なニュアンスがあると言えるでしょう。
武闘派と強硬派の英語表記の違い
武闘派を英語にすると「militant」「aggressive」となり、例えば上記の「武闘派集団」を英語にすると「militant group」となります。
一方、強硬派を英語にすると「hardliner」「hawk」となり、例えば上記の「強硬派の意見」を英語にすると「the opinion of hard-liners」となります。
武闘派の意味
武闘派とは
武闘派とは、相手と妥協せず、暴力や武力を用いて自分の主張を貫こうとする考えの人を意味しています。
表現方法は「武闘派サラリーマン」「武闘派女子」「武闘派ヤクザ」
「武闘派サラリーマン」「武闘派女子」「武闘派ヤクザ」などが、武闘派を使った一般的な言い回しです。
武闘派の使い方
武闘派を使った分かりやすい例としては、「大阪では名の知れた武闘派ヤクザである」「武闘派芸能人と言えば誰を思い浮かべますか」「取締役は武闘派CIOとして知られている」「武闘派ヤクザとは関わりたくない」などがあります。
その他にも、「仁義なき戦いで武闘派な精神が芽生える」「武闘派はロシア軍への徹底抗戦を主張する」「英語の先生は意外にも武闘派らしい」「あなたの職場に武闘派サラリーマンはいますか」などがあります。
武闘派の「武闘」は、武力や腕力をもって相手とあらそい戦うことを表します。主義や利害関係などによって結ばれた人々のつながりを表す「派」と結び付き、武闘派とは、武力を用いて自分の主張を貫こうとする人を意味します。
武闘派という言葉は、主に政治や軍事に関して使用され、攻撃的あるいは暴力的なニュアンスのある言葉です。また、日常生活においては喧嘩腰やフィジカルが強いといった意味合いで、「武闘派サラリーマン」「武闘派芸能人」「武闘派女子」などと表現することがあります。
武闘派の対義語
武闘派の対義語・反対語としては、直面した問題を穏やかに解決しようとする立場の人を意味する「穏健派」などがあります。
武闘派の類語
武闘派の類語・類義語としては、政治上の暴力主義者やテロリズムを奉ずる人を意味する「テロリスト」、過激思想をもつ党派や一派を意味する「過激派」などがあります。
強硬派の意味
強硬派とは
強硬派とは、自分の主張を貫くために、強い態度であくまでも押し通そうとする立場の人を意味しています。
強硬派の使い方
強硬派を使った分かりやすい例としては、「歯に衣着せぬ強硬派が勢力を拡大している」「ロシア政府内で強硬派が台頭している」「保守強硬派が主導権を握る」「強硬派たちは核攻撃を主張している」などがあります。
その他にも、「独立強硬派による爆弾テロ事件が発生した」「保守強硬派の不満を抑える狙いがある」「強硬派の声に耳を傾ける」「共和党の対強硬派譲歩に批判が高まる」「強硬派議員らは相次ぎ落選した」「穏健派と強硬派を交互に調整し新体制を維持する」などがあります。
強硬派の「強硬」は、自分の立場や主張を強い態度であくまでも押し通そうとすることを意味します。強硬派とは、自分の政治的主張を貫くために軍事力や制裁などの強硬手段も辞さない、強気な見方や発言をする人や集団を意味します。
強硬派という言葉は、しばしば「鷹派」「タカ派」とも言い換えられることがあります。元々は政治的傾向を分類する用語ですが、金融の世界でも使われることもあります。この場合、景気安定よりも物価上昇の抑制を優先し、利上げなど金融引き締め的な政策を支持する傾向のある人を指します。
強硬派の対義語
強硬派の対義語・反対語としては、強硬手段を用いず穏健に問題を解決しようとする立場の人たちを意味する「ハト派」などがあります。
強硬派の類語
強硬派の類語・類義語としては、、自分の主張を貫くために強硬に事を運ぼうとする立場に立つ人を意味する「タカ派」などがあります。
武闘派の例文
この言葉がよく使われる場面としては、対話ではなく武力などの強制力によって自分の主張を貫こうとする人を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3にあるように、武闘派の慣用的な言い回しには「武闘派○○」があります。言動や主張が激しくアグレッシブであったり、すぐにもケンカを仕掛けそうな様子を表します。
強硬派の例文
この言葉がよく使われる場面としては、強硬手段も辞さない強気な見方や発言をする人を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3の強硬派は、政治や軍事の分野に関して使用されています。例文4や例文5の強硬派は、金融や経済分野について用いられています。
武闘派と強硬派という言葉は、どちらも「強い態度で自分の主張を貫こうとする立場」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、武力や暴力を用いて自分の主張を貫こうとする態度を表現したい時は「武闘派」を使うようにしましょう。