似た意味を持つ「オンスケ」と「リスケ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「オンスケ」と「リスケ」という言葉は、「予定に関する言葉」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
オンスケとリスケの違い
オンスケとリスケの意味の違い
オンスケとリスケの違いを分かりやすく言うと、オンスケは計画予定通りを表現する時に使い、リスケは計画予定の再調整を表現する時に使うという違いです。
オンスケとリスケの使い方の違い
一つ目のオンスケを使った分かりやすい例としては、「作業はオンスケで進んでいるが油断は禁物だ」「納品日を勘違いしていたためオンスケではなくなってしまった」「オンスケという言葉は日常生活であまり耳にしない」などがあります。
二つ目のリスケを使った分かりやすい例としては、「タスクをリスケするために上司に相談することにした」「リスケをお願いされた時に日程の候補も複数もらった」「銀行にリスケを交渉するにはメリットもデメリットもある」などがあります。
オンスケとリスケの使い分け方
オンスケとリスケはどちらも、予定に関する言葉として使われていますが、意味は大きく異なります。
オンスケは、作業や計画が遅れることなく予定通りであることを意味する言葉です。予定よりも作業が早い場合にも使われることがあるため、設けられた締切を基準にして考えられています。
一方のリスケは、計画や予定の再調整を意味する言葉です。また、債務返済を延ばすために都合することを意味する金融用語でもあります。
つまり、オンスケは予定通りであるのに対して、リスケは予定の再調整を指し、後者を使う場合は、予定よりも遅い状態を表すという違いがあり、これらの言葉は対義語・反対語の関係にあります。
オンスケとリスケの英語表記の違い
オンスケを英語にすると「on schedule」となり、例えば上記の「作業はオンスケで進んでいる」を英語にすると「Their work in progress is on schedule」となります。
一方、リスケを英語にすると「reschedule」となり、例えば上記の「タスクをリスケする」を英語にすると「reschedule a task」となります。
オンスケの意味
オンスケとは
オンスケとは、作業や計画が予定通り進んでいることを意味しています。
表現方法は「オンスケに戻す」「オンスケです」「オンスケで進める」
「オンスケに戻す」「オンスケです」「オンスケで進める」などが、オンスケを使った一般的な言い回しです。
オンスケの使い方
オンスケを使った分かりやすい例としては、「オンスケのまま納品できるとは思わなかった」「オンスケに戻していけるよう急ピッチで作業を進めている」「オンスケと言われて最初は全く理解できなかった」などがあります。
その他にも、「ビハインドではなくオンスケであれば問題ないだろう」「オンスケではなく予定よりも早めに事を済ませたいところだ」「オンスケでは難しいと相談されたため先方に確認して猶予を頂くことになった」などがあります。
オンスケは英語で「on schedule」と表記されますが、この表現をカタカナにした「オンスケジュール」を省略した言葉です。そのため、日本語でも同じように使われています。
本来は予定や計画の通りの進行状況を表す言葉ではありますが、日本語の場合は、予定を前倒しで進めている状況や締切より前に事が済んだ際にも使われています。英語圏では予定より早い場合、オンスケと表現することはできなくなります。
ビジネスシーンで使われることが多い言葉ですが、目上の人や取引相手などに使うのには適していないため、「予定通りです」「順調に進んでいます」などの表現をするのが好ましいです。
また、オンスケを含んだ「オンスケール」という言葉もありますが、縮尺のついた図面を指す言葉であるため、「オンスケジュール」とは意味するものが異なります。
オンスケの対義語
オンスケの対義語・反対語としては、業務などが遅れていることを意味する「ビハインド」、物事がよくない方向に進んでいく状態を意味する「逆調」があります。
オンスケの類語
オンスケの類語・類義語としては、定刻通りを意味する「オンタイム」、滞りなく物事が進行することを意味する「順調」、すばらしく物事の調子がいいことを意味する「快調」、物事が滞らずすらすらと運ぶことを意味する「円滑」などがあります。
リスケの意味
リスケとは
リスケとは、予定の再調整を意味しています。
その他にも、債務の返済を延ばすことも意味する言葉として使われています。
表現方法は「リスケできない」「リスケできますか」「リスケをお願いする」
「リスケできない」「リスケできますか」「リスケをお願いする」などが、リスケを使った一般的な言い回しです。
リスケの使い方
「教授の都合により飲み会がリスケとなった」「三回連続でリスケが続けば何かしてしまったのではと少し不安になる」「納品締切日のリスケを先方にお願いするメールを送った」などの文中で使われているリスケは、「日程の再調整」の意味で使われています。
一方、「リスケが終わらなければ新しく銀行から融資をしてもらえない」「リスケをして月の返済額を猶予してもらう必要があるほど困っているとは思っていなかった」などの文中で使われているリスケは、「債務返済の延期」の意味で使われています。
リスケは英語で「reschedule」と表記され、「計画を変更する」「返済を延期する」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われていますが、計画や日程の再調整の意味で使われることの方が多い言葉です。
債務返済を遅らせることを表す場合には「リスケジューリング」と表記されることもあり、個人だけでなく国家間の債務返済のやり取りに対しても使われます。
ただし、リスケを相手に頼む場合は、「日時を変更させていただけませんでしょうか」「日程の変更をお願いしたくご連絡いたしました」などの表現を用いて、リスケという言葉を使わないようにするのがマナーとされています。
リスケの対義語
リスケの対義語・反対語としては、物事の調子が思い通りに上手くいくことを意味する「好調」、物事がうまい具合に運ぶことを意味する「上首尾」があります。
リスケの類語
リスケの類語・類義語としては、期限や予定のある日時などを延ばすことを都合すること意味する「繰延」、順番を変えて後に遅らせることを意味する「後回し」、物事の処理や解決を先に延ばすことを意味する「先送り」などがあります。
オンスケの例文
この言葉がよく使われる場面としては、作業や計画が予定通り進んでいることを意味する時などが挙げられます。
例文5のように、オンスケという言葉を目上の人に対して使うのは失礼に当たるため、別の表現に言い換える必要があります。
リスケの例文
この言葉がよく使われる場面としては、予定の再調整を意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように、金融用語として債務返済の先延ばしを意味する言葉としても使われています。
例文5の「特例リスケ」とは、資金繰りに困っている中小企業らに対して金融機関への返済猶予を要請するもので、「特例リスケジュール」の略称です。
オンスケとリスケは、どちらも「予定に関する言葉」を表します。どちらを使うか迷った場合は、予定通りを表す場合は「オンスケ」を、予定の再調整を表す場合は「リスケ」を使うと覚えておけば間違いありません。