似た意味を持つ「その旨をお伝えください」(読み方:そのむねをおつたえください)と「その旨をお伝えいただければ幸いです」(読み方:そのむねをおつたえいただければさいわいです)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「その旨をお伝えください」と「その旨をお伝えいただければ幸いです」という言葉は、どちらもそのような内容や話を伝えて欲しいとお願いすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「その旨をお伝えください」と「その旨をお伝えいただければ幸いです」の違い
「その旨をお伝えください」と「その旨をお伝えいただければ幸いです」の意味の違い
「その旨をお伝えください」と「その旨をお伝えいただければ幸いです」の違いを分かりやすく言うと、「その旨をお伝えください」は目上の人に対して使うのは避けた方がいい言葉、「その旨をお伝えいただければ幸いです」は目上の人に対して使っても問題ない言葉という違いです。
「その旨をお伝えください」と「その旨をお伝えいただければ幸いです」の使い方の違い
一つ目の「その旨をお伝えください」を使った分かりやすい例としては、「もし不具合が見つかりましたらその旨をお伝えください」「欠席の場合はその旨をお伝えください」「明日の会議が中止になったその旨をお伝えください」などがあります。
二つ目の「その旨をお伝えいただければ幸いです」を使った分かりやすい例としては、「担当者の方にその旨をお伝えいただければ幸いです」「開発部の方々にもその旨をお伝えいただければ幸いです」などがあります。
「その旨をお伝えください」と「その旨をお伝えいただければ幸いです」の使い分け方
「その旨をお伝えください」と「その旨をお伝えいただければ幸いです」は、どちらもそのような内容や話を伝えて欲しいとお願いすることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「その旨をお伝えください」は、正しい敬語表現ではあるものの、やや命令文口調である「ください」を使っているので、親しい上司、目下の人、立場が同等な人に対して使っても何も問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に使うのは避けた方がいい言葉になります。
一方、「その旨をお伝えいただければ幸いです」はもらうの謙譲語「いただく」に仮定を表す「れば」と、丁寧な表現である「幸いです」が合わさったとても柔らかい表現になります。そのため、目上の人に対して使って問題ない言葉です。
「その旨をお伝えください」と「その旨をお伝えいただければ幸いです」の英語表記の違い
「その旨をお伝えください」も「その旨をお伝えいただければ幸いです」も英語にすると「Please pass on my message to」「Please forward this message to」となります。
「その旨をお伝えください」の意味
「その旨をお伝えください」とは
「その旨をお伝えください」とは、そのような内容や話を伝えて欲しいとお願いすることを意味しています。
「その旨をお伝え下さい」はあまり好ましくない
「その旨をお伝えください」の「ください」を漢字にして、「その旨をお伝え下さい」とするのはあまり好ましくありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「その旨をお伝えください」を使うようにしましょう。
「その旨をお伝えください」の使い方
「その旨をお伝えください」を使った分かりやすい例としては、「セミナーに参加される方は事前にその旨をお伝えください」「質問などありましたらその旨をお伝えください」「スケジュールの確認が済みましたらその旨をお伝えください」などがあります。
「その旨をお伝えください」は、そのような内容や話のことを意味する「その旨」に、伝えることを丁寧に表現がした「お伝えください」が合わさり、そのような内容や話を伝えて欲しいとお願いすることの意味で使われている言葉です。
「その旨をお伝えください」は丁寧な表現ではあるものの、目上の人に対して使うのは避けた方がいい言葉になっています。なぜなら、「ください」という表現が命令形であるため、不快に思う人もいるからです。
もし、目上の人に対して使いたいのであれば「その旨をお伝えください」ではなく、「その旨をお伝えいただければと存じます」や「その旨をお伝えいただければ幸いです」などを使うようにしましょう。
「その旨をお伝えください」の類語
「その旨をお伝えください」の類語・類義語としては、そのような内容や話を伝えて欲しいとお願いすることを意味する「そのことをお伝えください」があります。
「その旨をお伝えいただければ幸いです」の意味
「その旨をお伝えいただければ幸いです」とは
「その旨をお伝えいただければ幸いです」とは、そのような内容や話を伝えてくれると嬉しいことを意味しています。
「その旨をお伝え頂ければ幸いです」は誤用
「その旨をお伝えいただければ幸いです」を漢字にして、「その旨をお伝え頂ければ幸いです」とするのは誤用です。
ではなぜ誤用かと言うと、「いただければ幸いです」の「いただければ」は補助動詞であり、日本語には動詞は漢字表記し、補助動詞はひらがなで表記するという決まりがあるのが理由になります。
「その旨をお伝えいただければ幸いです」の使い方
「その旨をお伝えいただければ幸いです」を使った分かりやすい例としては、「人事部の方々にもその旨をお伝えいただければ幸いです」「社長様にもその旨をお伝えいただければ幸いです」「もし欠席する場合はその旨をお伝えいただければ幸いです」などがあります。
「その旨をお伝えいただければ幸いです」は、そのような内容や話のことを意味する「その旨」に、伝えることを丁寧に表現がした「お伝え」、もらうの謙譲語である「いただく」、その人にとって望ましくありがたいことを意味する「幸い」、丁寧語の「です」が合わさった言葉です。
「その旨をお伝えいただければ幸いです」はとても丁寧な表現なので、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの目上の人に対して使うこともできます。
ただし、「その旨」という表現は頻繁に使う言葉ではないので、会話や文章の最後のまとめとして使うのが適切と覚えておきましょう。
「その旨をお伝えいただければ幸いです」の類語
「その旨をお伝えいただければ幸いです」の類語・類義語としては、そのような内容や話を伝えてくれると嬉しいことを意味する「その旨をお伝えいただけますと幸いです」があります。
「その旨をお伝えください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、そのような内容や話を伝えて欲しいとお願いすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「その旨をお伝えください」は目上の人には使うのを避けた方がいい表現です。
「その旨をお伝えいただければ幸いです」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、そのような内容や話を伝えてくれると嬉しいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「その旨をお伝えいただければ幸いです」は目上の人に使っても問題ない表現です。
「その旨をお伝えください」と「その旨をお伝えいただければ幸いです」はそのような内容や話を伝えて欲しいとお願いすることどちらもを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、「その旨をお伝えください」は目上の人に対して使うのは適していないのに対して、「その旨をお伝えいただければ幸いです」は目上の人に対して使うのは適していると覚えておきましょう。