似た意味を持つ「クラスタ」と「コミュニティ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「クラスタ」と「コミュニティ」という言葉は、「集団や群れ」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
クラスタとコミュニティの違い
クラスタとコミュニティの意味の違い
クラスタとコミュニティの違いを分かりやすく言うと、クラスタは相互関係がない集まりを表現する時に使い、コミュニティは相互関係がある集まりを表現する時に使うという違いです。
クラスタとコミュニティの使い方の違い
一つ目のクラスタを使った分かりやすい例としては、「アイドルクラスタの友人の解説を聞きながらライブ映像を見た」「友人は別ジャンルのクラスタだが話が合う」「クラスタシステムを導入するにあたって勉強しなければならない」などがあります。
二つ目のコミュニティを使った分かりやすい例としては、「コミュニティを形成することが苦手なために様々な交流会に顔を出した」「敷居が高いオンラインコミュニティは見るだけで精一杯だ」「コミュニティ活動に積極的に参加する」などがあります。
クラスタとコミュニティの使い分け方
クラスタとコミュニティはどちらも集団や群れを表す言葉として使われていますが、性質が若干異なります。
クラスタは、客観的に共通点を見出されてグループ化された集団を指す言葉です。その他、複数のものを関連させて一つにまとめたものを意味する言葉としてIT分野などで使われています。
一方のコミュニティは、共同体や共同の社会的特質を持つ者たちの集まりを指す言葉で、その共同体に属する人たちが相互に関わり合っている状態である場合に使われています。また、ネット上での情報交換を行うことを目的とした集団に対しても使われます。
つまり、クラスタは共通点はあるものの個々のつながりは能動的に作られないのに対して、コミュニティは個々のつながりが存在し重要視されているという違いがあります。
そのため、上記例文の「アイドルクラスタ」を「アイドルコミュニティ」に、「コミュニティを広げる」を「クラスタを広げる」などのように言葉を置き換えて使うことはできません。
クラスタとコミュニティの英語表記の違い
クラスタを英語にすると「cluster」となり、例えば上記の「クラスタシステム」を英語にすると「cluster system」となります。
一方、コミュニティを英語にすると「community」となり、例えば上記の「コミュニティを形成する」を英語にすると「form a community」となります。
クラスタの意味
クラスタとは
クラスタとは、同種のものや人の集まりを意味しています。
その他にも、複数のものを関連させて一つにまとめたものを表す言葉として使われています。
表現方法は「クラスター感染」「クラスタを構成する」「創作クラスタ」
「クラスター感染」「クラスタを構成する」「創作クラスタ」などが、クラスタを使った一般的な言い回しです。
クラスタの使い方
「ニチアサクラスタは時間になるとSNSで楽しそうにしている」「有名な作品のクラスタの人たちは治安が悪いという噂を聞く」「ファンよりもクラスタという言葉の方がオタクのようだ」などの文中で使われているクラスタは、「集団」の意味で使われています。
一方、「クラスタシステムのおかげで処理が効率化された」「クラスタ機能であれば業務を停止することなく運用を継続させられる」「クラスタ化されたネットワークを誰が管理するのか」などの文中で使われているクラスタは、「集合体」の意味で使われています。
クラスタは英語で「cluster」と表記され、「房」「群れ」「集団」を意味する言葉です。日本語として使う場合は房という意味を持たないため、「一房のブドウ」を「一クラスタのブドウ」という表現をすることはできません。
このように「房」を表すことから転じて、共通点を見出されグループ化された集団を指す言葉として、IT分野、天文学、医学や化学など幅広い分野で使われています。
今日では、同じ趣味嗜好を持つ人たちを一つの集団として捉える言葉として使われており、上記例文の「ニチアサクラスタ」などのように「〇〇クラスタ」という表現で特定のジャンルに詳しい人たちや愛好者たちを指すことができます。
また、「クラスター」という表記がされることもあり、2019年から感染者集団を指す言葉として多く使われていました。
クラスタの対義語
クラスタの対義語・反対語としては、特定の個人や団体、商品などに対して攻撃的な言葉を使ったり反対意見を押し付けるような人々を意味する「アンチ」があります。
クラスタの類語
クラスタの類語・類義語としては、特定の趣味に没頭している人を意味する「オタク」、特定の作品や人物に対して熱心な愛好家を意味する「ファン」、一つのことに熱中する事や熱中している人を意味する「マニア」などがあります。
コミュニティの意味
コミュニティとは
コミュニティとは、共同体や共同の社会的特質を持つ者たちの集まりを意味しています。
その他にも、共通の生活様式や伝統を持つ社会を意味する言葉として使われています。
表現方法は「地域コミュニティ」「コミュニティの場」「コミュニティに入る」
「地域コミュニティ」「コミュニティの場」「コミュニティに入る」などが、コミュニティを使った一般的な言い回しです。
コミュニティの使い方
「コミュニティを広げる努力は惜しまない」「一つのコミュニティにばかり属していると視野が狭くなる気がした」「そのコミュニティは全国誰でも参加できるらしい」などの文中で使われているコミュニティは、「共同体」の意味で使われています。
一方、「コミュニティバスを利用して観光地を巡る」「自治体は地域コミュニティの活性化を願っている」「コミュニティ活動は老若男女問わず行なっている」などの文中で使われているコミュニティは、「地域社会」の意味で使われています。
コミュニティは英語で「community」と表記され、「共同体」「共同社会」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じような意味を持ち、今日ではネット上での情報交換を行うためのつながりを指す言葉としても使われています。
社会学においては、一体感や生活様式の一致といった特徴を持つ一定地域内の人々を指し、属する人たちが相互に関わり合っている状態の集団であるなどの定義が存在し、日本語では「地域社会」と呼ばれています。
さらに、伝統などの共通点を持ち、その集団の一人であるという自覚を強く持つようになった人たちの集まりは「共同体」と呼ばれ区別されていますが、地域社会も共同体もコミュニティという言葉で表すことができます。
「コミュニティバス」の意味
上記例文の「コミュニティバス」とは、一定の地域を交通需要に合わせて運行するバスを指す言葉で、その地域の公共施設や、通常の路線バスでは止まらない場所に停留するといった特徴を持ちます。
コミュニティの対義語
コミュニティの対義語・反対語としては、いくつかあるうちの一つ一つを意味する「個々」、一つのところにあったものを分けて散らすことを意味する「分散」、ただ一人だけであることを意味する「単独」などがあります。
コミュニティの類語
コミュニティの類語・類義語としては、複数の個人の集まりを意味する「集団」、家族や家族のように結ばれたグループを意味する「ファミリー」、家族や仲間などの密接な間柄の人たちを意味する「内輪」などがあります。
クラスタの例文
この言葉がよく使われる場面としては、同種のものや人の集まりを意味する時などが挙げられます。
例文4「クラスタ構成」と例文5「クラスタ化」とは、複数のサーバーを連携して一つのコンピューターシステムに統合するシステムを指す言葉で、「クラスタシステム」とも呼ばれています。
コミュニティの例文
この言葉がよく使われる場面としては、共同体や共同の社会的特質を持つ者たちの集まりを意味する時などが挙げられます。
例文4の「オンラインコミュニティ」とは、共通の趣味や目的を持つ人たちがインターネット上で情報共有などを行う集まりや、そのWebサイトを指す言葉です。
クラスタとコミュニティは、どちらも「集団や群れ」を表します。どちらを使うか迷った場合は、相互関係がない集まりを表す場合は「クラスタ」を、相互関係がある集まりを表す場合は「コミュニティ」を使うと覚えておけば間違いありません。