似た意味を持つ「長閑」(読み方:のどか)と「閑散」(読み方:かんさん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「長閑」と「閑散」という言葉は、どちらも静かなことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
長閑と閑散の違い
長閑と閑散の意味の違い
長閑と閑散の違いを分かりやすく言うと、長閑とはプラスなイメージで静かなことを表現すること、閑散とはマイナスなイメージで静かなことを表現することという違いです。
長閑と閑散の使い方の違い
一つ目の長閑を使った分かりやすい例としては、「老後は長閑な風景がみえる田舎で暮らしたい」「長閑な口調の人は話しやすい」「昨日止まった旅館はとても長閑な場所にあった」「長閑な小春日和なのでお出かけしよう」などがあります。
二つ目の閑散を使った分かりやすい例としては、「休日の閑散としたビジネス街を歩いている」「不景気によって閑散な市場が続いてる」「新型ウイルスによって街が閑散としている」「我が社は閑散期と繁忙期の差がとても激しい」などがあります。
「長閑な場所」と「閑散としている場所」の違い
長閑も閑散どちらとも静かなことを意味しているのですが、使う言葉によってイメージが違ってきます。「長閑な場所」と「閑散としている場所」で比較してみましょう。
長閑な場所は静かでのんびりとした落ち着いた場所というプラスなイメージで使い、閑散としている場所とは静まり返っていて寂しい場所というマイナスなイメージで使います。
他の違いとしては、長閑は空が晴れていて天候が穏やかな意味を持っていること、閑散は仕事がなくて暇なことや、売買取引などが少ないことの意味を持っていることです。
長閑と閑散の英語表記の違い
長閑も閑散も英語にすると、静かなを意味する「Quiet」となり、例えば上記の「街が閑散としている」を英語にすると「Town is quiet」となります。
長閑の意味
長閑とは
長閑とは、静かでのんびりと落ち着いていることを意味しています。
その他にも、空が晴れていて天候が穏やかなことの意味も持っています。
長閑の使い方
「祖母の家はとても長閑な田舎ににある」「彼女は長閑な口調で話すのでとても居心地がいい」「長閑な場所にあるカフェは私のお気に入りだ」などの文中で使われている長閑は、「静かでのんびりと落ち着いていること」の意味で使われています。
一方、「長閑な小春日和なのでピクニックに出かけよう」「長閑な小春日和が続いて欲しいな」などの文中で使われている長閑は、「空が晴れていて天候が穏やかなこと」の意味で使われています。
長閑の読み方
長閑という言葉を「ちょうかん」と読む方が多いのですが、それは間違いです。正しい読み方は「のどか」と覚えておいてください。
表現方法は「長閑な風景」「長閑な場所」
「長閑な風景」や「長閑な場所」はよく使われる言葉です。のんびりと落ち着いた風景やのんびりと落ち着いた場所のことを意味しており、基本的にプラスのイメージを持って使われます。
長閑の類語
長閑の類語・類義語としては、心静かに落ち着いていることを意味している「安穏」(読み方:あんのん)、穏やかで変わったことのないことを意味する「安らか」、静かで穏やかなことを意味する「静穏」、変わったこともなく穏やかなことを意味する「平穏」などがあります。
長閑の長の字を使った別の言葉としては、落ち着いてのんびりしていることを意味する「長閑けし」(読み方:のどけし)、空が晴れていて天候が穏やかなことを意味する「長閑やか」(読み方:のどやか)などがあります。
閑散の意味
閑散とは
閑散とは、ひっそりと静まり返っていることを意味しています。
その他にも、仕事がなくて暇なことや、売買や取引が少ないことの意味も持っています。
表現方法は「閑散とした住宅街」「街が閑散としている」「閑散とした部屋」
「閑散とした住宅街」「街が閑散としている」「閑散とした部屋」などが、閑散を使った一般的な表現方法です。
閑散の使い方
「閑散とした住宅街を歩いている」「平日の閑散とした遊園地に遊びにいった」「昼は賑わっている商店街も夜は閑散としている」「お客さんが来なくてこの店はとても閑散としている」などの文中で使われている閑散は、「ひっそりと静まり返っていること」の意味で使われています。
一方、「来月は閑散期なので楽できそうだ」「閑散としている市場では株の売買はしない方がいい」などの文中で使われている閑散は、「仕事がなくて暇なことや、売買や取引が少ないこと」の意味で使われています。
閑散という言葉は、マイナスの意味で使われる場合が多いです。例を挙げると上記の「お客さんが来なくてこの店はとても閑散としている」となり、お客さんが来なくて店が静まり返っていて寂しいというマイナス意味で使っています。
「閑散期」の意味
閑散を使った言葉に「閑散期」があります。閑散期とは一年の中で暇な時期を意味しており、例を挙げると「来月は閑散期だ」「ディズニーランドは閑散期にいこう」などがあります。基本的に、ビジネスシーンで多く使われる言葉です。
閑散の対義語
閑散の対義語・反対語としては、仕事が多くて忙しいことを意味する「繁忙」があります。
閑散の類語
閑散の類語・類義語としては、物音一つせず、静まり返ってることを意味する「深閑」(読み方:しんかん)、辺りがひっそりと静まり返ってることを意味する「深深」(読み方:しんしん)などがあります。
閑散の散の字を使った別の言葉としては、静かでもの寂しいことを意味する「蕭散」(読み方:しょうさん)、執着から離れることのない日常的な心のことを意味する「定散」(読み方:じょうさん)などがあります。
長閑の例文
この言葉がよく使われる場面としては、静かでのんびりと落ち着いていることを表現したい時などが挙げられます。
例文1や例文4は一般的な長閑の使い方になります。静かで落ち着いた風景や場所のことを意味しており、長閑を使ったことがある人も多いはずです。例文5は空が晴れていて穏やかな意味の長閑の使い方になります。
閑散の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ひっそりと静まり返っていることを表現したい時などが挙げられます。
例文4は一般的な閑散の使い方になります。静まり返っていて寂しいことを意味しており少しマイナスなイメージを含んでいます。例文5の閑散は、取引が少ないことの意味で使われています。
長閑も閑散どちらも日常生活やビジネスシーンで見たことがある言葉なはずです。意味が似ているため使い方を間違えやすいので、十分に注意してください。