似た意味を持つ「アパレル」と「ファッション」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「アパレル」と「ファッション」という言葉は、「服装」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
アパレルとファッションの違い
アパレルとファッションの意味の違い
アパレルとファッションの違いを分かりやすく言うと、アパレルは衣服のみを表現する時に使い、ファッションは衣服だけでなく髪型やアクセサリーを含んだ服装を表現する時に使うという違いです。
アパレルとファッションの使い方の違い
一つ目のアパレルを使った分かりやすい例としては、「アパレルの仕事をするのは大変そうだと年末年始によく思うことだ」「アパレルスタッフとして年末年始は大忙しだ」「アパレル業界は流行り廃りを察知するのに長けている人が多いように思う」などがあります。
二つ目のファッションを使った分かりやすい例としては、「ファッションショーができるほど姉は洋服を持っている」「ファッション誌のコーディネートを参考に服を買う」「自分が属する職種では学歴はファッション化していると思う」などがあります。
アパレルとファッションの使い分け方
アパレルとファッションはどちらも、服装を表す言葉ですが、指し示す範囲が若干異なります。
アパレルは、服装や装いなど衣服の総称を表したり、既製服を扱う業種に対して使われています。そのため、髪型やメイク、アクセサリーといった衣料品は含みません。
一方のファッションは、衣服や髪型などについて特徴や雰囲気を持った型を表します。格好に関連する衣服やアクセサリーなどだけでなく、
つまり、アパレルは衣服のみを指し示し、ファッションは衣服だけでなく髪型やアクセサリーも含むという違いがあります。
また、ファッションという言葉は上記例文の「ファッション化」のように外見上のためだけのお飾りといった意味で使われることもありますが、「アパレル化」といった使い方をすることはできません。
アパレルとファッションの英語表記の違い
アパレルを英語にすると「apparel」となり、例えば上記の「アパレルの仕事をする」を英語にすると「work in apparel」となります。
一方、ファッションを英語にすると「fashion」となり、例えば上記の「ファッションショー」を英語にすると「a fashion show」となります。
アパレルの意味
アパレルとは
アパレルとは、服装や装いなど衣服の総称を意味しています。
表現方法は「アパレル求人」「アパレル服」「アパレル業界」
「アパレル求人」「アパレル服」「アパレル業界」などが、アパレルを使った一般的な言い回しです。
アパレルの使い方
アパレルを使った分かりやすい例としては、「アパレルメーカー周りの仕組みを知らなかった」「アパレル店員になってみてから大変さが分かった」「有名人が新しくアパレルブランドを立ち上げることになったそうだ」などがあります。
その他にも、「アパレル用語には素人では分からないことも多い」「アパレルショップのアルバイトを募集している広告を見た」「アパレル系の会社に努めている友人は繁忙期のため忙殺されている」などがあります。
アパレルは英語で「apparel」と表記され、「着せる」「衣服」「衣装」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われていますが、「着せる」という動詞として使われることはありません。
「アパレルメーカー」「アパレル店員」「アパレルブランド」の意味
特に既製服や、既製服を扱う職種の総称として使われ、上記例文の「アパレルメーカー」「アパレル店員」「アパレルブランド」などのように用いられています。そのため、既製服以外のアクセサリーなどは含みません。
アパレルの類語
アパレルの類語・類義語としては、衣服や下着類を意味する「衣料」、出来合いの衣服を意味する「レディメイド」、街を歩いたり買い物に出たりする時の衣服を意味する「街着」(読み方:まちぎ)などがあります。
ファッションの意味
ファッションとは
ファッションとは、衣服や髪型などについて特徴や雰囲気を持った型を意味しています。
その他にも、見せたい外見のために振る舞っている様子や、お飾りを意味する言葉として使われています。
表現方法は「ファッション男子」「ファッションコーディネート」
「ファッション男子」「ファッションコーディネート」「ファッションデザイナー」などが、ファッションを使った一般的な言い回しです。
ファッションの使い方
「流行りのファッションをSNSを見て勉強している」「ファッション雑誌は美容室でしか読んでいない」「昔のファッションを見ると、かつての流行が再燃していることもある」などの文中で使われているファッションは、「衣服や髪型」の意味で使われています。
一方、「ファッションオタクの友人はいつもコーディネートをしてくれる」「職種が多様化していくのにつれて徐々に進学実績もファッション化している節がある」などの文中で使われているファッションは、「お飾り」の意味で使われています。
ファッションは英語で「fashion」と表記され、「仕方」「流儀」「流行」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じような意味を持ちますが、服装を指して使われることがほとんどです。
由来となったラテン語の「factio」が流行を表すことから、特に流行となっている格好に対して使われるため、上記例文の「流行りのファッション」などのように、時代やユーザーの好みなどを反映したものを表す言葉などと併用されることが多くあります。
「ファッションオタク」の意味
また、上記例文の「ファッションオタク」は服飾に関してこだわりを持つ人を指しますが、外見上こだわりを持っているよう振る舞っている人を指し「にわか」と同じような言葉として使われることもあります。
ファッションの対義語
ファッションの対義語・反対語としては、言動や考え方がその時代の傾向に合っていないことを意味する「時代錯誤」、やり方などが一時代前のものである様子を意味する「前近代的」があります。
ファッションの類語
ファッションの類語・類義語としては、方式や様式、先駆けて作られたファッションを意味する「モード」、傾向や変動、動向を意味する「トレンド」、嗜好や流行を意味する「好尚」などがあります。
アパレルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、服装や装いなど衣服の総称を意味する時などが挙げられます。
基本的には、既製服を表す言葉として使われますが、既製服を中心としていればアクセサリーなどを売っている店舗や企業に対しても使われています。
ファッションの例文
この言葉がよく使われる場面としては、衣服や髪型などについて特徴や雰囲気を持った型を意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように、外見上そう見える様子やお飾りといった意味で使われることもあります。
アパレルとファッションは、どちらも「服装」を表します。どちらを使うか迷った場合は、衣服のみを表す場合は「アパレル」を、衣服だけでなく髪型やアクセサリーを含んだ服装を表す場合は「ファッション」を使うと覚えておけば間違いありません。