似た意味を持つ「サンプル」(読み方:さんぷる)と「見本」(読み方:みほん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「サンプル」と「見本」という言葉は、どちらも商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「サンプル」と「見本」の違い
「サンプル」と「見本」の意味の違い
「サンプル」と「見本」の違いを分かりやすく言うと、「サンプル」は英語が由来の言葉、「見本」は日本語が由来の言葉という違いです。
「サンプル」と「見本」の使い方の違い
一つ目の「サンプル」を使った分かりやすい例としては、「エントリーシートのサンプルはネット上にたくさんあります」「ただいま無料サンプル品をプレゼントしております」「サンプルが必要でしたらご連絡ください」などがあります。
二つ目の「見本」を使った分かりやすい例としては、「上級生は下級生の見本になる振る舞いをしましょう」「送られてきた品物は見本通りではありませんでした」「この辞書の見本を送ってください」などがあります。
「サンプル」と「見本」の使い分け方
「サンプル」と「見本」はどちらも商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「サンプル」は英語が由来の言葉、「見本」は日本語が由来の言葉というのが違いです。
「サンプル」と「見本」は意味はほぼ同じ言葉なので基本的に置き換えることができますが、特定の分野においては使い分ける必要があると覚えておきましょう。
例えば、「化粧品のサンプル」とは言っても「化粧品の見本」とは一般的には言いませんし、「展示会の見本市」とは言っても、「展示会のサンプル市」とは言いません。このように特定の分野においては「見本」と「サンプル」は使い分けが必要になります。
また、「見本」は商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことの意味の他に、具体的な例のことの意味も持っているというのも違いの一つです。
「サンプル」と「見本」の英語表記の違い
「サンプル」も「見本」も英語にすると「sample」となり、例えば上記の「この辞書の見本を送ってください」を英語にすると「Please send me a sample copy of this dictionary」となります。
「サンプル」の意味
「サンプル」とは
「サンプル」とは、商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことを意味しています。
「サンプル」の使い方
「サンプル」を使った分かりやすい例としては、「こちら無償で配布してますサンプル品のリストです」「サンプルはいくつあっても構いません」「化粧品のサンプルを使ってみたが肌に合いませでした」「これらは食品サンプルなので実際に食べることはできません」などがあります。
「サンプル」は商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことを意味する名詞です。
「サンプル」は「化粧品サンプル」「食品サンプル」などのように、試供品や見本品のことを指すのが一般的ですが、他の使い方もすることもできます。
一つ目は研究試料としての使い方です。研究試料とは研究の成果として、又は研究を行う過程において得られた試薬、試料、実験動物、菌株等の有体物ことを意味してます。
つまり簡単に言うならば、モルモットなどの研究おける実験材料のことです。
二つ目は統計標本としての使い方です。統計標本とは母集団から抽出したデータの集まりのことを意味しています。
例えば、あるクラスの生徒の平均身長を調べる場合、クラス全員の身長を調べることができれば平均身長は簡単に計算することができます。ただし、教えてくれない人もいるため仲の良い友達数十人に聞いてそこから平均身長を予想します。
この友達から教えたもらったデータのことを「サンプル」と言うのです。
「サンプル」の由来
「サンプル」の由来は英語です。元々は英語の「example」だったのですがそこから「ex」が取れて「sample」になったと言われています。
「サンプル」の類語
「サンプル」の類語・類義語としては、標本調査で全体の中から調査対象として取り出した部分のことを意味する「標本」、検査や分析などに用いる材料のことを意味する「試料」、本式に作る前にた試しに作ってみることを意味する「試作」などがあります。
「見本」の意味
「見本」とは
「見本」とは、商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことを意味しています。その他にも、具体的な例のことの意味も持っています。
表現方法は「商品見本」「見本となる」
「商品見本」「見本となる」などが、「見本」を使った一般的な言い回しになります。
「見本」の使い方
「送ってきな品は見本通りでした」「アルバイトの仕事は見本品を並べることです」などの文中で使われている「見本」は、「商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のこと」の意味で使われています。
一方、「これの使い方の見本を示すことにしました」「彼は医者の見本のような人です」などの文中で使われている「見本」は、「具体的な例のこと」の意味で使われています。
「見本」は商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことと、具体的な例のことの二つの意味を持つ言葉で、どちらの意味でも使われています。
商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことの意味は商品の特長や魅力を買い手に知ってもらうため、実際にその場で試せるものに分かりやすく伝える場合に使います。
一方、具体的な例のことの意味は簡単に言うならば手本のことです。そのため、「ホームランの打つバッティングの見本をお願いします」「彼は悪い見本なのでああはならないようにしましょう」などと使うことができます。
「見本」の対義語
「見本」の対義語・反対語としては、実際の品物のことを意味する「現物」があります。
「見本」の類語
「見本」の類語・類義語としては、適切な例のことを意味する「好例」、上手く当てはまる例のことを意味する「適例」、見習うべき物事のことを意味する「手本」、見習うべき手本のことを意味する「模範」などがあります。
「サンプル」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「サンプル」は様々な場面で使うことができる言葉です。
「見本」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3の「見本」は商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のこと、例文4と例文5の「見本」は具体的な例のことの意味で使っています。
「サンプル」と「見本」はどちらも商品などの質や形状を買い手に知らせるために示す品のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、英語が由来の言葉なのが「サンプル」、日本語が由来の言葉なのが「見本」と覚えておきましょう。