【日頃】と【普段】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「日頃」(読み方:ひごろ)と「普段」(読み方:ふだん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「日頃」と「普段」という言葉は、どちらも「いつも、日常」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




日頃と普段の違い

日頃と普段の意味の違い

日頃と普段の違いを分かりやすく言うと、日頃とは以前から続いているさまを表し、普段とは特別ではなく普通であるさまを表すという違いです。

日頃と普段の使い方の違い

一つ目の日頃を使った分かりやすい例としては、「この結果は日頃の努力の賜物だろう」「日頃よりご尽力いただき深く感謝申し上げます」「日頃の感謝を込めて贈ります」「日頃より本校の教育活動にご協力いただき厚くお礼申し上げます」などがあります。

二つ目の普段を使った分かりやすい例としては、「普段着用のジャケットを買いました」「婚約指輪は普段使いできますか」「普段テレビをつけっぱなしにしています」「普段使いもできるハイブランドバッグをご紹介します」などがあります。

日頃と普段の使い分け方

日頃と普段という言葉は、どちらも日常である様子やいつも通りであるさまを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

日頃とは、平生や常日頃を意味し、ある程度の期間継続しているというニュアンスを持つ言葉です。例えば、「日頃の感謝」とは、感謝している期間が長く続いている様子を表しています。ビジネスシーンで用いられることが多い言葉ですが、「日頃の行い」のように日常会話でも使用されています。

普段とは、日常のことを意味し、常にある状態が続いていて普通であることのニュアンスを持ちます。「普段」は特別ではなく当たり前にそうであるという意味合いが強く、気取らずに日常的に着ている服を「普段着」と言います。

つまり、日頃とは以前から継続している様子を表し、普段とは特別ではなく普通であるさまを表現する言葉です。二つの言葉はとても似ていますが、ニュアンスの違いがあることに注意してください。

日頃と普段の英語表記の違い

日頃を英語にすると「usually」「daily」「for a long time」となり、例えば上記の「日頃の努力」を英語にすると「daily effort」となります。

一方、普段を英語にすると「ordinary」「habitual」「normal」となり、例えば上記の「ordinary clothes」を英語にすると「普段着」となります。

日頃の意味

日頃とは

日頃とは、普段、平生、常日頃を意味しています。

その他にも、「ある程度の日数、数日」「このごろ、近ごろ、数日来」の意味も持っています。

日頃の使い方

「日頃の行いが良いと天気に恵まれます」「日頃よりご愛顧いただきありがとうございます」「日頃よりご協力いただき誠にありがとうございます」「日頃よりビジネスマナーには気を使っています」などの文中で使われている日頃は、「普段、平生」の意味で使われています。

一方、「日頃取り組んだ仕事がやっと片付いた」「日頃は家にこもっています」の文中で使われている日頃は「ある程度の日数」の意味で、「日頃の暑さにはうんざりです」「日頃いかがお過ごしでしょうか」などの文中で使われている日頃は「このごろ、近ごろ」の意味で使われています。

日頃とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ちますが、一般的には「普段、平生、常日頃」の意味で用いられています。現代において、「ある程度の日数、数日」「このごろ、近ごろ、数日来」の意味で使用されることはほとんどありません。

「日頃の行い」の意味

上位の例文にある「日頃の行い」とは、普段の行動や振る舞い、日常を過ごす態度や心がけなどを表す言い回しです。昔から、日頃の行いの良いことは果報をもたらすとされています。日頃の行いが悪いと大事な時に天気が悪くなる、という迷信もあります。

日頃の対義語

日頃の対義語・反対語としては、数少なくて珍しいさまを意味する「まれ」、ときどきを意味する「時折」などがあります。

日頃の類語

日頃の類語・類義語としては、普通の場合や平生を意味する「いつも」、同じ状況が長く続いているさまを意味する「ずっと」、常的に用いられる状態であることを意味する「通常」、朝晩やいつもを意味する「朝な夕な」などがあります。

普段の意味

普段とは

普段とは、日常のこと、平生、いつもを意味しています。

普段の読み方

普段の読み方は「ふだん」です。誤って「ふたん」「しんだん」などと読まないようにしましょう。

普段の漢字表記

普段は「不断」とも書きますが、「不断」には「途絶えずに続くこと」「決断力に乏しいこと」という他の意味もあります。

普段の使い方

普段を使った分かりやすい例としては、「普段全く英語を話したりしません」「普段は寝る前に韓国語の勉強をしています」「普段使いもできるフォーマルバッグを探しています」「仕事柄、普段からビジネスホテルの利用が多いです」などがあります。

その他にも、「カジュアルな着物を普段着感覚で楽しむ」「普段敬語の部下が突然タメ口で話しかけてきた」「普段使うプリンターに設定する」「普段ご利用のない環境からログインが確認されました」などがあります。

普段の「普」は訓読みで「あまねく」と読み、広く行き渡るさまを表す漢字です。物事の区切りを表す「段」と組み合わさり、普段とは、いつも同じようであることを意味します。特別のことがない普通の時であることの意味合いを持つ言葉です。

「普段着」の意味

普段を用いた日本語には「普段着」があります。普段着とは、いつも着用する衣服のことであり、家にいる時など特別でない時に着ている衣服を意味します。「よそゆき」「一張羅(読み方:いっちょうら)」と対をなす言葉です。

普段の対義語

普段の対義語・反対語としては、特別や格段を意味する「特段」などがあります。

普段の類語

普段の類語・類義語としては、日常的であることを意味する「常々」、普段や平生を意味する「平素」、いつもと同じであることを意味する「平常」、普通の状態のときや平生を意味する「常時」、昼と夜や毎日を意味する「日夜」などがあります。

日頃の例文と使い方

1.日頃よりお世話になっております。報告書を添付いたしましたのでご確認ください。
2.ストレスを溜めないように、日頃から気持ちの持ち方を意識して過ごしています。
3.英語を習得するためには、日頃から英語に触れるかがとても大切です。
4.日頃ダラダラ過ごしている人は、時間の使い方を意識するだけで効率的に動けるようになるでしょう。
5.生活習慣病を予防するには、日頃どれぐらい運動すればよいでしょうか。

この言葉がよく使われる場面としては、常日頃、平生、数日、数日来を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、日頃という言葉は、日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用されています。

普段の例文と使い方

1.普段使いのアクセサリーでも、使い方によってはフォーマルなシーンに利用することができます。
2.英語は普段から勉強しているので、テスト前に慌てて準備することはありません。
3.普段漢字で書かれている語句が、平仮名になると違和感を覚えることはありませんか。
4.普段は読み方を間違えないのに、人前で音読すると緊張して誤読してしまいます。
5.普段から不断の努力が大切だとはわかっているのですが、なかなか実行できません。

この言葉がよく使われる場面としては、いつも、日常、いつも同じようであることを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「普段使い」とは、かしこまった場面ではなく日常の生活で使用すること、何気ないときに使うことを意味します。アクセサリーや衣服などについて言うことが多い言葉です。

日頃と普段という言葉は、どちらも「いつも、日常」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ある程度の期間を継続していることを表現したい時は「日頃」を、特別ではない普通のことを表現したい時は「普段」を使うようにしましょう。

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