【心得る】と【心がける】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「心得る」(読み方:こころえる)と「心がける」(読み方:こころがける)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「心得る」と「心がける」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「心得る」と「心がける」の違い

「心得る」と「心がける」の意味の違い

「心得る」と「心がける」の違いを分かりやすく言うと、「心得る」とは物事の事情や意味するところをよく理解すること、「心がける」とはいつも心に留めておくようにすることという違いです。

「心得る」と「心がける」の使い方の違い

一つ目の「心得る」を使った分かりやすい例としては、「物事の限界を心得ることは大切です」「アメリカに半年留学していたので英語を心得る」「彼の扱い方を心得る」「それを自分の義務と心得る」などがあります。

二つ目の「心がける」を使った分かりやすい例としては、「将来のために貯蓄を心がける」「仕事をする上で安全第一を心がける」「宿題はさっさとやるように心がける」「人の気に障らないよういつも心がける」などがあります。

「心得る」と「心がける」の使い分け方

「心得る」と「心がける」は似た表現ですが、少し意味の違う言葉なので混同しないよう注意が必要です。

「心得る」は物事の事情や意味するところをよく理解すること、事情をよく理解したうえで引き受けること、会得していることなどの複数の意味を持つ動詞になります。

一方、「心がける」はいつも心に留めておくようにすることを意味する動詞です。

「心得る」と「心がける」の英語表記の違い

「心得る」を英語にすると「know」「understand」「regard think」「be aware」となり、例えば上記の「それを自分の義務と心得る」を英語にすると「I understand that to be my duty」となります。

一方、「心がける」を英語にすると「be careful」「endeavor」「provide fo」「bear in mind」となり、例えば上記の「人の気に障らないよういつも心がける」を英語にすると「I am always careful not to offend others」となります。

「心得る」の意味

「心得る」とは

「心得る」とは、物事の事情や意味するところをよく理解することを意味しています。その他にも、事情をよく理解したうえで引き受けることや会得していることの意味も持っています。

「心得る」の使い方

「彼女は子供の扱い方を心得ている」「動物の扱いを心得るのは大切なことです」などの文中で使われている「心得る」は、「物事の事情や意味するところをよく理解すること」の意味で使われています。

一方、「心得ましたので私におまかせください」「数年かけて茶道を心得ることができました」などの文中で使われている「心得る」は、「事情をよく理解したうえで引き受けることや会得していること」の意味で使われています。

「心得る」は複数の意味を持つ動詞ですが、どの意味でも使われている言葉です。また、「心得る」はビジネスシーンにおいても使うことができます。

つまり、「心得る」は心の準備をしているというニュアンスで使うことが多いと覚えておきましょう。

「心得ている」「心得た」などの言い回しも可能

「心得る」は「心得ている」「心得た」などの言い回しでも使うことが可能な言葉です。

「心得る」の使い方

「心得る」の類語・類義語としては、物事の道理をよく知っていることを意味する「わきまえる」、理解することを意味する「飲み込む」、 依頼や要求などを聞き入れることを意味する「承知する」、学問や技芸などを習って覚えることを意味する「習得する」などがあります。

「心がける」の意味

「心がける」とは

「心がける」とは、いつも心に留めておくようにすることを意味しています。

「心がける」の漢字表記

「心がける」を漢字にすると、「心掛ける」「心懸ける」と表記することができます。

「心がける」の使い方

「心がける」を使った分かりやすい例としては、「健康のために毎日運動を心がける」「貯金したいので無駄な出費はしないよう心がける」「挨拶はできるだけ返すよう心がける」「私は常に安全運転を心がける」などがあります。

「心がける」はいつも心に留めておくようにすることを意味する動詞です。

「心がける」の特徴

主に、特定の目標や行動などに対して自分自身の意識や注意を向けて、それを実践しようとするという覚悟を決めた場合に使います。

そのため、日常生活だけではなくビジネスシーンなど、様々な場面で使うことができると覚えておきましょう。

「心がける」の類語

「心がける」の類語・類義語としては、心に強くきざみつけて忘れないことを意味する「肝に銘ずる」、心にしっかり留めることを意味する「胸に刻む」、ある目的のために力を尽くして励むことを意味する「努力する」などがあります。

「心得る」の例文

1.資金が乏しくなったことを心得ることができたので、何か打開策を考えなければなりません。
2.彼女の扱いを心得ることに成功したので、これからは過ごしやすくなるだろう。
3.機械のの取り扱い方や手入れ方法を心得ることができたので、一安心です。
4.心得ることができましので、是非私たちにお任せください。
5.小さい頃習い事をたくさんさせられたので、華道と茶道はここ得ている。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の事情や意味するところをよく理解することを表現したい時などが挙げられます。その他にも、事情をよく理解したうえで引き受けることや会得していることを表現したい時にも使います。

例文1から例文3は物事の事情や意味するところをよく理解すること、例文4は事情をよく理解したうえで引き受けること、例文5は会得していることの意味で使っています。

「心がける」の例文

1.風邪を引きたくないので、外出したら手洗いとうがいを心がける。
2.お医者さんから飲み過ぎないようにと言われたので、お酒を飲まない日を作ることを心がける。
3.いつまでたっても健康体でいたいので、バランスのとれた食事を心がける。
4.お客さんからのフィードバックを重視し、サービス改善に心がける。
5.仕事の効率を上げてもらうために、成果を出した人には還元するよう心がける。

この言葉がよく使われる場面としては、いつも心に留めておくようにすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「心がける」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「心得る」と「心がける」は似た言葉ですが意味は少し異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、物事の事情や意味するところをよく理解することを表現したい時は「心得る」を、いつも心に留めておくようにすることを表現したい時は「心がける」を使うと覚えておきましょう。

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