似た意味を持つ「独自」(読み方:どくじ)と「独特」(読み方:どくとく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「独自」と「独特」という言葉は、どちらも「そのものだけが持っているさま」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
独自と独特の違い
独自と独特の意味の違い
独自と独特の違いを分かりやすく言うと、独自とは明らかにそのものだけにあることを表し、独特とは自ら会得して特別に持っているさまを表すという違いです。
独自と独特の使い方の違い
一つ目の独自を使った分かりやすい例としては、「彼は独自の理論を展開した」「独自性の高いコンテンツを配信したい」「無料で独自ドメインのメールアドレスが作れます」「マイナンバーの独自利用事務について規定する」「独自の判断で服薬を止めてはいけません」などがあります。
二つ目の独特を使った分かりやすい例としては、「アーティストの独特な世界観に魅了される」「独特な視点の客が集まるバーで働いています」「宮澤賢治の小説には独特なオノマトペが用いられている」「独特なタッチで描くイラストレーターである」などがあります。
独自と独特の使い分け方
独自と独特という言葉は、どちらも他にはなく、そのものだけが持っている様子を表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
独自とは、「独自の判断」のような使い方で、他とは関係なく自分ひとりであるさまを表します。また、「独自性」のような使い方で、他と違って、そのものだけにあることも意味します。総じて、明らかに他と違って、それだけにある様子を表現する言葉です。
独特とは、「独特な世界観」のような使い方で、そのものだけが特別にもっているさまを意味します。また、「独特なタッチ」のような使い方で、その人だけが会得していて、他の人には及ぶことができないさまも意味します。他とは異なり、自ら会得して特別に持っているさまを表現する言葉です。
つまり、独自とは明らかにそのものだけにあることを表現する時に使い、独特とは自ら会得し特別に持っていることを表現する時に使用する言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
独自と独特の英語表記の違い
独自も独特も英語にすると「characteristic」「original」「unique」となり、例えば上記の「独自の理論」を英語にすると「original theory」となります。
独自の意味
独自とは
独自とは、他とは関係なく自分ひとりであることを意味しています。
その他にも、「他と違って、そのものだけにあること」の意味も持っています。
独自の読み方
独自の読み方は「どくじ」です。誤って「とくじ」「とくし」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「独自のやり方」「独自で行なう」
「独自のやり方」「独自で行なう」などが、独自を使った一般的な言い回しです。
独自の使い方
「独自に開発したソフトウェアを使用しています」「独自の立場から見解を述べる」「社運をかけて独自製品を開発する」「AIを利用して独自の漫画を作成してみましょう」などの文中で使われている独自は、「自分ひとりであること」の意味で使われています。
一方、「工夫をこらして独自性を生み出す」「本校は独自の英語教育プログラムを実施しています」「独自ドメインのメールアドレスの作り方を教えてください」などの文中で使われている独自は、「そのものだけにあること」の意味で使われています。
独自とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。独自の「独」はただ一人であること、ただ一つであることを表し、「自」は他からされるのでなく自分自身でを表す漢字です。
「独自ドメイン」の意味
独自を用いた日本語には、「独自ドメイン」があります。独自ドメインとは、自分の好きな文字列や任意の文字列を利用したドメイン名を意味します。独自ドメインを取得することで、同じドメインを使ったメールアドレスを取得することが可能になります。
独自の対義語
独自の対義語・反対語としては、他のものを真似ることや似せることを意味する「模倣」などがあります。
独自の類語
独自の類語・類義語としては、そのものだけにあることを意味する「固有」、類似のものがない新しい着想が表われているさまを意味する「独創的」、独自のものであるさまを意味する「オリジナル」などがあります。
独特の意味
独特とは
独特とは、そのものだけが特別にもっていることを意味しています。
その他にも、「その人だけが会得していて、他の人には及ぶことができないこと」の意味も持っています。
独特の漢字表記
独特は「独得」とも書きますが、一般的には「独特」と表記されています。
独特の読み方
独特の読み方は「どくとく」です。誤って「とくとく」「どくどく」などと読まないようにしましょう。
独特の使い方
「彼女は独自の世界観を持つ独特な人です」「オーストラリアでは独特な英語が話されています」「ピカソが描くような独特な絵が好きです」などの文中で使われている独特は、「そのものだけが特別にもっていること」の意味で使われています。
一方、「シェフは独特の調理技法で味わいを引き出している」「あのギタリストは豊かで独特な音色を奏でる」などの文中で使われている独特は、「他の人には及ぶことができないこと」の意味で使われています。
独特とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を判断する必要があります。独特の「独」は自分だけであることや一人であること、「特」は他と異なってそれ一つだけのさまを表す漢字です。
四字熟語「一種独特」の意味
独特を用いた四字熟語には「一種独特」があります。一種独特とは、何とはっきりは言えないが、他とは違った性質や雰囲気のあるさまを意味し、「一種独得」とも書きます。ポジティブな意味でもネガティブな意味でも使用される言葉です。
独特の対義語
独特の対義語・反対語としては、どれにもあてはまることを意味する「共通」などがあります。
独特の類語
独特の類語・類義語としては、そのものだけが特にもっていることを意味する「特有」、他と異なり固有にもっている性質や情態を意味する「個性的」、他に類を見ないさまを意味する「ユニーク」などがあります。
独自の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、自分ひとりであるさま、他と違ってそれだけに特有であるさまを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3の独自は、「自分ひとりであるさま」の意味で用いられています。例文4や例文5の独自は、「他と違ってそれだけに特有であるさま」の意味で使用されています。
独特の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、そのものだけが有しているさま、その人だけが会得していて他人には及ぶことができないさまを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3の独特は、「そのものだけが有しているさま」の意味で用いられています。例文4や例文5の独自は、「その人だけが会得していて他人には及ぶことができないさま」の意味で使用されています。
独自と独特という言葉は、どちらも「そのものだけが持っているさま」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、明らかに他と違ってそのものだけにあることを表現したい時は「独自」を、他とは違って特別に持っているさまを表現したい時は「独特」を使うようにしましょう。