【より】と【から】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「より」と「から」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「より」と「から」という言葉は、どちらも動作の作用の起点を表すことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「より」と「から」の違い

「より」と「から」の意味の違い

「より」と「から」の違いを分かりやすく言うと、「より」は比較を示す場合に使う、「から」は時および場所の起点を示す場合に使うという違いです。

「より」と「から」の使い方の違い

一つ目の「より」を使った分かりやすい例としては、「新幹線は東京駅より出発します」「当店は12月29日より1月3日まで休業いたします」「私はお肉よりも野菜の方が好きです」「あの時は断るより仕方がなかったです」などがあります。

二つ目の「から」を使った分かりやすい例としては、「彼女はみんなから好かれています」「彼女はまだ若いから理解できていません」「このアニメは子供から大人まで楽しめます」「彼女は恋人から引き離されました」などがあります。

「より」と「から」の使い分け方

「より」と「から」はどちらも動作の作用の起点を表すことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「より」は「家の中で遊ぶよりも外で遊ぶ方が好きです」のように、比較を示す場合に使うことができます。一方、「から」は比較を示す意味は持っていないので、時および場所の起点を示す場合にのみ使うことができるというのが違いです。

また、公用文において、時および場所の起点を示す意味で「より」と「から」どちらでも使うことができる場合は、「から」の方を用いるのが原則となっています。

「より」と「から」の英語表記の違い

「より」も「から」も英語にすると「than」「from」となり、例えば上記の「彼女は恋人から引き離されました」を英語にすると「She was separated from her boyfriend」となります。

「より」の意味

「より」とは

「より」とは、比較の標準や基準を表すことを意味しています。その他にも、ある事物を他との比較して取り上げること、それに限定すること、動作や作用の起点を表すことの意味も持っています。

「より」の使い方

「彼女は思っていたよりも若かったです」「きのこの山よりたけのこの里の方が好きです」などの文中で使われている「より」は、「比較の標準や基準を表すことやある事物を他との比較して取り上げること」の意味で使われています。

一方、「この件に関してはそうするより他がないです」「両親より年賀状が届きました」などの文中で使われている「より」は、「それに限定することや動作や作用の起点を表すこと」の意味で使われています。

「より」は複数の意味を持つ格助詞です。格助詞とは、助詞の種類の一つで、体言または体言に準ずるものについて、それが文中で他の語とどんな関係にあるかを示す助詞のことを意味しています。

「より」は「りんごよりもみかんが好きです」「昨日よりも調子が良いので良い結果が出せそうだ」などのような形で、比較を示す場合に使う言葉です。

「より」の注意点

「より」を使う上で注意しなければならないのは、意味によっては公用文で使うことができません。なぜなら、政府からの通知で時および場所の起点を示すには「から」を用いて、「より」は用いない。「より」は比較を示す場合にだけ用いると記載されているからです。

したがって、公用文で使用する場合は比較を示す場合にのみ使うと覚えておきましょう。

「より」の類語

「より」の類語・類義語としては、程度が一段と増すことを意味する「一層」、比べるとかなり違いがあることを意味する「一段と」、事物の程度や状態がさらにその度を強めることを意味する「もっと」などがあります。

「から」の意味

「から」とは

「から」とは、動作や作用の起点を表すことを意味しています。

その他にも、経由する場所を表すこと、理由や原因を表すこと、材料や構成要素を表すこと、動作や作用の及ぶ範囲を表すこと、動作や作用の開始順序や発端を示すことの意味も持っています。

「から」の使い方

「本人から直接話を聞くことにしました」「今日は東京から北海道へ移動する予定です」などの文中で使われている「から」は、「動作や作用の起点を表すことや経由する場所を表すこと」の意味で使われています。

一方、「操作ミスから事故が生じてしまいました」「お米から酒ができることを知りました」などの文中で使われている「から」は、「理由や原因を表すことや材料や構成要素を表すこと」の意味で使われています。

「から」は複数の意味を持つ格助詞です。

「から」の特徴

「から」は公用文でも使うことができるというのが特徴です。また、結婚式や式典などのフォーマルな場面においても使うことができます。

「から」の注意点

「から」を使う上で注意しなければならないのは、比較を示す場合には使えないという点です。もし、比較を示す場合に使いたいのであれば「より」の方を使うようにしましょう。

「から」の類語

「から」の類語・類義語としては、動作の起点である相手を表すことを意味する「に」があります。

「より」の例文

1.彼は以前より腕が上がっているので、どっちが勝つか分かりません。
2.試験は思っていたより簡単だったので、きっと合格しているだろう。
3.家業を継ぐよりもサラリーマンになりたかったので、家を出ることにしました。
4.とても狭くて寒い場所だが、ここで寝るより仕方ありません。
5.午前10時より開会式を行うので、参加希望の方はそれまでに会場へお越しください。

この言葉がよく使われる場面としては、比較の標準や基準を表すことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、ある事物を他との比較して取り上げること、それに限定すること、動作や作用の起点を表すことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2は比較の標準や基準を表すこと、例文3はある事物を他との比較して取り上げること、例文4はそれに限定すること、例文5は動作や作用の起点を表すことの意味で使っています。

「から」の例文

1.朝から大雨が降っているので、自転車ではなく電車で通勤することにしました。
2.オリンピックの試合を現地で観るために、東京からパリへ向かいました。
3.彼は過労から病気になってしまったので、会社を訴えることにしました。
4.最近夫が朝早くから夜遅くまで働いているので、身体を壊さないか心配です。
5.先着の人から入場してくださいと、場内アナウンスがありました。

この言葉がよく使われる場面としては、動作や作用の起点を表すことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、経由する場所を表すこと、理由や原因を表すこと、材料や構成要素を表すこと、動作や作用の及ぶ範囲を表すこと、 動作や作用の開始順序や発端を示すことを表現したい時にも使います。

例文1は動作や作用の起点を表すこと、例文2は経由する場所を表すこと、例文3は理由や原因を表すこと、例文4は動作や作用の及ぶ範囲を表すこと、例文5は移動の手段や方法を表すことの意味で使っています。

「より」と「から」はどちらも動作の作用の起点を表すことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、比較を示す場合に使うのが「より」、時および場所の起点を示す場合に使うのが「から」と覚えておきましょう。

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