似た意味を持つ「新しい」(読み方:あたらしい)と「新たな」(読み方:あらたな)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「新しい」と「新たな」という言葉は、どちらも物事が初めて現れることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「新しい」と「新たな」の違い
「新しい」と「新たな」の意味の違い
「新しい」と「新たな」の違いを分かりやすく言うと、「新しい」は絶対的な新しさ、「新たな」は相違的な新しさという違いです。
「新しい」と「新たな」の使い方の違い
一つ目の「新しい」を使った分かりやすい例としては、「皆さんのおかげで無事に新しい年を迎えることができました」「この足跡はまだ新しいです」「友人と一緒に新しい服を買いました」「その事件は未だに記憶に新しいです」などがあります。
二つ目の「新たな」を使った分かりやすい例としては、「この事件は新たな局面を迎えることとなりました」「最終回は新たな感動を呼ぶこととなりました」「市長が新たな政策を市議会に提出しました」などがあります。
「新しい」と「新たな」の使い分け方
「新しい」と「新たな」はどちらも物事が初めて現れることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「新しい」はその事物が初めてであるか否かだけを問題としているので、絶対的な新しさを表現する場合に使います。
一方、「新たな」はそれ以前のものや事柄を踏まえて念頭においた上で、それらとは相違していことを指しているので、相違的な新しさを表現する場合に使うというのが違いです。
例えば、「市場に新しいマグロが入荷しました」「市場に新たなマグロが入荷しました」を比べてみると、前者は新鮮であることを強調しており、絶対的な新しさをしています。一方、後者は前のものよりも新しいという相違的な新しさを表現しています。
「新しい」と「新たな」の英語表記の違い
「新しい」も「新たな」も英語にすると「new」「fresh」「latest」となり、例えば上記の「その事件は未だに記憶に新しいです」を英語にすると「The event is still fresh in my memory」となります。
「新しい」の意味
「新しい」とは
「新しい」とは、その状態になってからあまり時間が経過していないことを意味しています。その他にも、以前のものと違っていること、現代的であること、新鮮であることの意味も持っています。
「新しい」の使い方
「新しいパソコンを購入しました」「今年から新しい制度が始まるらしいです」などの文中で使われている「新しい」は、「その状態になってからあまり時間が経過していないことや以前のものと違っていること」の意味で使われています。
一方、「新しい技術を学ぶために通信教育を受けることにしました」「新しい魚はとても美味しいです」などの文中で使われている「新しい」は、「現代的であることや新鮮であること」の意味で使われています。
「新しい」は複数の意味を持つ言葉で、極めて近代的であったり、以前と異なっている場合に使うのが一般的です。
また、その事物が初めてであるか否かだけを問題としているので、絶対的な新しさを表現する際によく使われています。
「新しい」の対義語
「新しい」の対義語・反対語としては、その状態になってから長い年月が経過していることを意味する「古い」があります。
「新しい」の類語
「新しい」の類語・類義語としては、一番新しいことを意味する「最新」、趣向や発想などがきわだって新しいことを意味する「斬新」、見たことがないような新しさがあることを意味する「目新しい」などがあります。
「新たな」の意味
「新たな」とは
「新たな」とは、今までなかったことを意味しています。
表現方法は「新たな一年」「新たなスタート」「新たな門出」
「新たな一年」「新たなスタート」「新たな門出」などが、「新たな」を使った一般的な言い回しになります。
「新たな」の使い方
「新たな」を使った分かりやすい例としては、「この件は新たな問題点が浮かび上がってきました」「警察は新たな事実を公開しました「新たな政策は本当に国民の利益になるのだろうか」「私たちは新たな出資者を探しています」などがあります。
「新たな」は今までなかったことを意味する「新た」に、連体形「なる」を省略した「な」が合わさった言葉です。
「新たな」はそれ以前のものや事柄を踏まえて念頭においた上で、それらとは相違していことを指しているので、相違的な新しさを表現する場合に使うと覚えておきましょう。
また、日常生活やビジネスシーンなど、様々な場面で使うことができる言葉です。
「新たな」の類語
「新たな」の類語・類義語としては、本当に新しいことを意味する「真新しい」、物事に今までにない新しさが感じられることを意味する「新鮮」、物慣れないで幼い感じがすることを意味する「初々しい」などがあります。
「新しい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、その状態になってからあまり時間が経過していないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、以前のものと違っていること、現代的であること、新鮮であることを表現したい時にも使います。
例文1と例文2はその状態になってからあまり時間が経過していないこと、例文3は以前のものと違っていること、例文4は現代的であること、例文5は新鮮であることの意味で使っています。
「新たな」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、今までなかったことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「新たな」は様々な場面で使うことができる言葉です。
「新しい」と「新たな」はどちらも物事が初めて現れることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、絶対的な新しさなのが「新しい」、相違的な新しさなのが「新たな」と覚えておきましょう。