【昂る】と【高ぶる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「たかぶる」という読み方の「昂る」と「高ぶる」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「昂る」と「高ぶる」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「昂る」と「高ぶる」の違い

「昂る」と「高ぶる」の意味の違い

「昂る」と「高ぶる」の違いを分かりやすく言うと、「昂る」は公用文で使えない、「高ぶる」は公用文で使えるという違いです。

「昂る」と「高ぶる」の使い方の違い

一つ目の「昂る」を使った分かりやすい例としては、「気持ちが昂ると冷静な判断ができなくなります」「日本代表の熱い試合を観て気持ちが昂る」「エナジードリンクを飲むと神経が昂って中々寝れません」などがあります。

二つ目の「高ぶる」を使った分かりやすい例としては、「彼女は高ぶることはしないからモテるのだろう」「ライブのチケットが当選し気持ちが高ぶるのを抑えることはできませんでした」「彼女は神経が高ぶっている」などがあります。

「昂る」と「高ぶる」の使い分け方

「昂る」と「高ぶる」は同音の言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

結論から言ってしまうと、「昂る」は公用文で使えないのに対して、「高ぶる」は公用文でも使えるというのが違いになります。

ではなぜ、「昂る」が公用文で使えないかというと、「昂」という漢字が常用漢字表に載っていないからです。

常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。

常用漢字はあくまで漢字使用の目安であって制限ではないので、常用漢字以外は使えないというわけではありません。ただし、公用文や新聞などでは常用漢字を使用するのが好ましいとされています。

また、「昂る」は興奮状態になることの意味しか持っていないの対して、「高ぶる」は思い上がった態度を取ることの意味持っているというのも違いの一つです。

「昂る」と「高ぶる」の英語表記の違い

「昂る」も「高ぶる」も英語にすると「nervous」「be proud」「become aroused」となり、例えば上記の「彼女は神経が高ぶっている」を英語にすると「She is in a highly nervous state」となります。

「昂る」の意味

「昂る」とは

「昂る」とは、興奮状態になることを意味しています。

表現方法は「気持ちが昂る」「心が昂る」

「気持ちが昂る」「心が昂る」などが、「昂る」を使った一般的な言い回しになります。

「昂る」の使い方

「昂る」を使った分かりやすい例としては、「彼に対する昂る気持ちを抑えることができません」「明日デートに行くと思うと気持ちが昂る」「カフェインを摂取すると神経が昂る」「彼は常に冷静で気持ちが昂る姿を見たことがありません」などがあります。

「昂る」は興奮状態になることを意味する動詞です。

主に気分や感情が高揚したり、「エナジードリンクを摂取すると神経が昂るので眠気が飛ぶ」のように、神経が緊張したというニュアンスで使われています。

「昂る」の注意点

「昂る」を使う上で注意しなければならないのは、公用文で使えないという点になります。なぜなら、「昂る」の「昂」という漢字が常用漢字表に載っていないからです。

したがって、公用文で使用する場合は、常用漢字表に載っている「高」を使い、「高ぶる」とするようにしましょう。

「昂る」の類語

「昂る」の類語・類義語としては、精神や気分などが高まることを意味する「高揚する」、感情などが激しく高揚することを意味する「燃え上がる」、感情が昂ることを意味する「興奮する」などがあります。

「高ぶる」の意味

「高ぶる」とは

「高ぶる」とは、興奮状態になることを意味しています。その他にも、思い上がった態度を取ることの意味も持っています。

表現方法は「気持ちが高ぶる」「心が高ぶる」

「気持ちが高ぶる」「心が高ぶる」などが、「高ぶる」を使った一般的な言い回しになります。

「高ぶる」の使い方

「嬉しいお知らせが届き気持ちが高ぶる」「神経が高ぶると痛みが感じなくなるらしい」などの文中で使われている「高ぶる」は、「興奮状態になること」の意味で使われています。

一方、「彼はエリートなのに高ぶるところがないのが素敵です」「使用人に高ぶるのはみっともないと思います」などの文中で使われている「高ぶる」は、「思い上がった態度を取ること」の意味で使われています。

「高ぶる」は二つの意味を持つ言葉ですが、どちらの意味でも使われています。

興奮状態になることの意味は、気分や感情などが高まるなどの感情の程度が高くなる場合に使う表現です。

一方、思い上がった態度を取ることの意味は「彼は部下に対して高ぶる」のように、対人関係において威張るようなニュアンスで使う表現になります。

「高ぶる」の特徴

「高ぶる」は常用漢字表に載っている表現なので、公用文でも使うことができるというのが特徴です。

「高ぶる」の対義語

「高ぶる」の対義語・反対語としては、相手を敬って自分を控えめにすることを意味する「謙る」があります。

「高ぶる」の類語

「高ぶる」の類語・類義語としては、実際以上に自分がすぐれていると思い込んで得意になることを意味する「自惚れる」、威勢を張って偉そうにすることを意味する「威張る」、地位や権力などを誇って思い上がった振る舞いをすることを意味する「驕る」などがあります。

「昂る」の例文

1.遠距離恋愛していた彼女に会えると思うと、気持ちが昂る。
2.神経が昂ると寝れないので、就寝前は対戦ゲームをプレイしないようにしています。
3.ワールドカップの決勝戦を観て気持ちが昂ったので、中々寝ることができません。
4.気持ちが昂ると冷静な判断ができないので、一旦落ち着くように促しました。
5.徹夜で麻雀をするために、エナジードリンクを飲んで神経を昂らせて眠気を覚ます。

この言葉がよく使われる場面としては、興奮状態になることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「昂る」は感情や神経が興奮した場合に使う言葉です。

「高ぶる」の例文

1.喧嘩した直後はお互い気持ちが高ぶっているので、話し合うなら時間を少し置いた方がいいだろう。
2.明日は好きな人とデートするので、気持ちが高ぶって中々寝ることができません。
3.目上の人には媚びへつらって、目下の人には高ぶる人は嫌な奴だと思います。
4.彼は出世しても高ぶることはなかったので、人間ができた人だなと感じる。
5.部下に対しておごり高ぶる上司は、嫌われやすいと思っています。

この言葉がよく使われる場面としては、興奮状態になることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、思い上がった態度を取ることを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「高ぶる」は興奮状態になること、例文3から例文5の「高ぶる」は思い上がった態度を取ることの意味で使っています。

「昂る」と「高ぶる」はどちらも興奮状態になることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、公用文では使えないのが「昂る」、公用文でも使えるのが「高ぶる」と覚えておきましょう。

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