似た意味を持つ「カルチャーショック」と「ホームシック」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「カルチャーショック」と「ホームシック」という言葉は、「海外で受けることの多い心理的な衝撃」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
カルチャーショックとホームシックの違い
カルチャーショックとホームシックの意味の違い
カルチャーショックとホームシックの違いを分かりやすく言うと、カルチャーショックは異文化にふれて感じた不安を表現する時に使い、ホームシックは故郷を恋しく思う気持ちを表現する時に使うという違いです。
カルチャーショックとホームシックの使い方の違い
一つ目のカルチャーショックを使った分かりやすい例としては、「カルチャーショックを経験したが少しすれば慣れるものだ」「カルチャーショックでしばらく何も食べられなかった」「田舎に引っ越した当時はカルチャーショックを受けた」などがあります。
二つ目のホームシックを使った分かりやすい例としては、「海外旅行二日目にしてホームシックな気分だ」「ホームシックになったと気が付いたのは留学してから半年後だった」「ホームシックが重症化するとうつ病になることもある」などがあります。
カルチャーショックとホームシックの使い分け方
カルチャーショックとホームシックはどちらも、海外などの異なる文化や慣習にふれることで受ける心理的な衝撃を指す言葉ですが、ニュアンスが若干異なります。
カルチャーショックは、異なる考え方や慣習、生活様式にふれた際に受ける違和感を表す言葉です。国外と国内での違いだけでなく、同じ国内でも都心部と地方の違いが対象とされることもあります。
一方のホームシックは、故郷や家庭を懐かしく思い、恋しがる気持ちを表す言葉です。精神疾患として心身に症状が現れるほどの状態を指すこともありますが、日常的には自宅や故郷を恋しく思い、憂うつな状態を指すことがほとんどです。
つまり、カルチャーショックは異文化に対する不安を表し、ホームシックは異文化にふれて故郷を恋しく思う気持ちを表すという違いがあります。
また、ホームシックは心理的な病と認められることもあり、カルチャーショックが原因の一つとして考えられる場合もあるため、「カルチャーショックを受けてホームシックになった」のように組み合わせて使うこともできます。
カルチャーショックとホームシックの英語表記の違い
カルチャーショックを英語にすると「culture shock」となり、例えば上記の「カルチャーショックを経験する」を英語にすると「experience culture shock」となります。
一方、ホームシックを英語にすると「homesick」「homesickness」となり、例えば上記の「ホームシックな気分だ」を英語にすると「feel homesick」となります。
カルチャーショックの意味
カルチャーショックとは
カルチャーショックとは、異なる考え方や慣習、生活様式にふれた際に受ける違和感を意味しています。
カルチャーショックの使い方
カルチャーショックを使った分かりやすい例としては、「カルチャーショックを受けてからしばらくは馴染めなかった」「酷い場合はカルチャーショックがストレスになってしまう」「カルチャーショックになりそうな慣習は事前に調査済みだ」などがあります。
その他にも、「先輩は田舎でのカルチャーショックで立ち直れず都心へと戻ってきた」「カルチャーショックは保守的な人が引き起こしやすい問題だと思う」「カルチャーショックを受けた母は私のことを分かろうともしなかった」などがあります。
カルチャーショックは英語で「culture shock」と表記され、「異なる文化に接した時に生じる不安や衝撃」を意味する言葉として使われています。日本語でも同じように使われ、心理的もしくは身体的な影響を与えることからストレッサーとされることもあります。
カルチャーショックの由来
1950年代にアメリカの文化人類学者によってカルチャーショックという言葉が使われたのをきっかけに、多くの分野で使われるようになりました。場合によっては、食欲不振や不眠症などに発展する恐れもあります。
留学や出張、旅行などで日本国内から海外へと赴く人が増加していることから、海外から日本にやってくる文化以外でもカルチャーショックを受ける機会も比例して増加しています。
また、同じ国内でも、田舎と都会の文化や慣習に差がある場合に感じる違和感や驚きに対して、カルチャーショックという言葉が用いられることもあります。
カルチャーショックの対義語
カルチャーショックの対義語・反対語としては、海外から帰国した時に自国に対して受ける心理的衝撃を意味する「逆カルチャーショック」があります。
カルチャーショックの類語
カルチャーショックの類語・類義語としては、大きなずれや食い違いを意味する「ギャップ」、不愉快に思う気持ちや快適ではない感覚を意味する「不快感」などがあります。
ホームシックの意味
ホームシックとは
ホームシックとは、故郷や家庭を懐かしく思い、恋しがる気持ちを意味しています。
ホームシックの使い方
ホームシックを使った分かりやすい例としては、「逆ホームシックになるほど今回の滞在は実りあるものだった」「留学中ホームシックに耐えるために色々な方法をとった」「ホームシックになった原因が分からなかった」などがあります。
その他にも、「実家を離れてから半年でホームシックを自覚した」「ホームシックの対処法をいくつか試して心が少し軽くなった」「ホームシックは子どもでも大人でも陥るものだが隠す人が多いイメージだ」などがあります。
ホームシックは英語で「homesick」「homesickness」と表記され、「郷愁」「恋しい」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われますが、「懐郷病」とも呼ばれ、精神疾患と扱われることもあります。
「逆ホームシック」の意味
上記例文の「逆ホームシック」とは、滞在している異郷の地から本来の拠点へと帰りたくない気持ちや、帰郷したものの滞在していた異郷の地を恋しく思う気持ちを指す言葉です。帰国前や帰国直後だけでなく、帰国後しばらくしてから自覚する場合もあります。
ホームシックの類語
ホームシックの類語・類義語としては、異郷にいる時に故郷を懐かしむ気持ちを意味する「ノスタルジア」、故郷を懐かしく思うことを意味する「望郷の念にかられる」、ふるさとを懐かしく思うことを意味する「思郷」などがあります。
カルチャーショックの例文
この言葉がよく使われる場面としては異なる考え方や慣習、生活様式にふれた際に受ける違和感を意味する時などが挙げられます。
例文4や5のように、海外との文化や慣習の違いではなく、田舎と都会の文化や慣習の違いを対象とする場合にも使われている言葉です。
ホームシックの例文
この言葉がよく使われる場面としては、故郷や家庭を懐かしく思い、恋しがる気持ちを意味する時などが挙げられます。
留学など簡単には拠点としていた場所に戻ることができない場合から、すぐに実家や自宅へと戻ることができる場合まで、距離を問わずに使われています。
カルチャーショックとホームシックは、どちらも「海外で受けることの多い心理的な衝撃」を表します。
どちらを使うか迷った場合は、異文化にふれて感じた不安を表す場合は「カルチャーショック」を、故郷を恋しく思う気持ちを表す場合は「ホームシック」を使うと覚えておけば間違いありません。