似た意味を持つ「説明」(読み方:せつめい)と「解説」(読み方:かいせつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「説明」と「解説」という言葉は、どちらも「よくわかるように述べること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
説明と解説の違い
説明と解説の意味の違い
説明と解説の違いを分かりやすく言うと、説明とは客観的な立場で述べるニュアンスがあり、解説とは主観的な立場で述べるニュアンスがあるという違いです。
説明と解説の使い方の違い
一つ目の説明を使った分かりやすい例としては、「エアコンの説明書が見つかりません」「科学的根拠に基づいて説明してください」「緊張すると説明が下手になってしまいます」「学校説明会で英語の授業について質問しました」などがあります。
二つ目の解説を使った分かりやすい例としては、「異常な猛暑が続く原因をわかりやすく解説します」「英語の先生が問題の解説をしてくれました」「目の不自由な祖父はドラマの解説放送を楽しみにしています」などがあります。
説明と解説の使い分け方
説明と解説という言葉は、どちらも物事の内容や理由などを相手にわかるように述べたり書いたりして示すことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
説明とは、説き明かすことであり、ある事柄についてよくわかるように述べることを意味します。「科学的に説明する」のような使い方で、中立的な立場で客観的に言ったり書いたりして示す場合に使用される言葉です。
解説とは、ある事柄の内容や本質などをわかりやすく説明することを意味し、物事を分析したり解釈を加えた場合によく使用される言葉です。そのため、自分の立場を明らかにして見解を示すようなニュアンスを伴います。
つまり、説明とは中立的な立場で示すようなニュアンスがあり、解説とは主観的な立場で自分の見解を含めて示すようなニュアンスがある言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
説明と解説の英語表記の違い
説明も解説も英語にすると「explanation」「description」となり、例えば上記の「説明書」を英語にすると「an explanatory leaflet」となります。
説明の意味
説明とは
説明とは、ある事柄が、よくわかるように述べることを意味しています。
説明の使い方
説明を使った分かりやすい例としては、「英語の発音記号について説明します」「取扱説明書は英語で書かれていました」「何かを説明している男性のイラストを描く」「説明事項の設定は任意で行うことができます」「会社説明会の服装は基本的にリクルートスーツです」などがあります。
その他にも、「首相として説明責任を果たすべきだ」「ある目的変数を説明変数で予測する」「日本の観光名所を英語で説明する」「このスマホの取扱説明書は専用のアプリがあります」「説明不足で申し訳ございませんとメールで謝罪しました」などがあります。
説明の「説」は訓読みで「とく」と読み、筋道をときほぐして相手にわかるように述べることを表し、「明」は「あきらか」と読み、物事をはっきりさせることを表します。説明とは、ある物事の内容などがよくわかるように、言ったり書いたりして示すことを意味します。
表現方法は「説明責任」
説明を用いた日本語には「説明責任」があります。説明責任とは、英語の「アカウンタビリティー(accountability)」に由来する言葉であり、日本においては、自身が権限を持つ事柄に関して、より詳細な内容や状況を利害関係者に説明する義務を指します。
説明の類語
説明の類語・類義語としては、物事の道理や筋道をよくわかるように話すことを意味する「説く」、筋道を立てて述べることを意味する「論ずる」、意見を言ったり物事を説明したりすることを意味する「言説」などがあります。
解説の意味
解説とは
解説とは、物事の要点や意味などをわかりやすく説明することを意味しています。
解説の使い方
解説を使った分かりやすい例としては、「英語の文法を解説する動画を配信しています」「解説動画の作り方を教えてください」「デジタルイラストの描き方を徹底解説します」「税関の事後調査の解説書を読む」などがあります。
その他にも、「この番組は解説放送版が制作されています」「NHKの解説委員は立派な学歴の方ばかりです」「あなたが好きな野球解説者は誰ですか」「英語を話せるスポーツ解説者を探しています」などがあります。
解説の「解」は訓読みで「とく」と読み、わからない物事を細かく調べてはっきりさせることを表す漢字です。考えを述べることを表す「説」と組み合わさり、解説とは、物事を分析して、理由などをわかりやすく説明することを意味します。
表現方法は「解説放送版」
解説を用いた日本語には「解説放送版」があります。解説放送版とは、主に視覚障害者向けに制作されるテレビ番組の一種であり、副音声による解説を行って番組内容を伝えるものです。ドラマの場合、セリフだけでは伝えきれない出演者の表情や情景描写などをナレーターが補完解説します。
解説の類語
解説の類語・類義語としては、物事の是非を論じたり解説したりすることを意味する「論説」、自分の考えを人にわかるように十分に述べることを意味する「達意」、全体をまとめて論じるこを意味する「総説」などがあります。
説明の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、ある事柄の内容や理由などをよくわかるように述べること、を表現したい時などが挙げられます。
例文4にある「説明文」とは、事柄を説明したり、相手に正確に伝達することを目的とする文章を意味します。叙情文や叙景文などに対する語です。
解説の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、物事をわかりやすく説明すること、意味を説き明かすことを表現したい時などが挙げられます。
例文3の「解説動画」とは、ある事柄や情報などを説明したり、視聴者に理解してもらうことを目的とした動画のことです。例文4の「解説者」とは、専門的見地から物事や事態をわかりやすく説明する人を意味します。
説明と解説という言葉は、どちらも「よくわかるように示すこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、中立的な立場で示すことを表現したい時は「説明」を、自分の見解を含めて示すことを表現したい時は「解説」を使うようにしましょう。