似た意味を持つ「プライスレス」と「タダ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「プライスレス」と「タダ」という言葉は、「金銭の掛からない物事」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
プライスレスとタダの違い
プライスレスとタダの意味の違い
プライスレスとタダの違いを分かりやすく言うと、プライスレスは価値のあるものを表現する時に使い、タダは価値のないものを表現する時に使うという違いです。
プライスレスとタダの使い方の違い
一つ目のプライスレスを使った分かりやすい例としては、「プライスレスな思い出には値段なんてつけられない」「CMのおかげでプライスレスという言葉を使うようになった」「この技術は後世に語り継がれるべきプライスレスなものだろう」などがあります。
二つ目のタダを使った分かりやすい例としては、「タダで提供するのはもったいないので少しでもお金を取るべきだ」「サービスとタダを履き違えてはならない」「タダと言われる方が怖いため品質などを疑ってしまう」などがあります。
プライスレスとタダの使い分け方
プライスレスとタダはどちらも、金銭の掛からないものやことを表す言葉として使われていますが、意味は大きく異なります。
プライスレスは、金では買えないようなものや非常に貴重なことを表します。該当のものを手に入れたり、事を成すのに値が張る場合もあれば金銭を必要とするわけではない場合もあり、その物事の価値の高い様子を指す言葉として使われています。
一方のタダは、費用を必要とせず、無料である様子を表します。低品質、無価値なものを指すわけではなく、該当の物事に対して代価が必要ない場合に使われていますが、実際に提供する側にとって価値のないものと考えられている場合もあります。
つまり、プライスレスは値段をつけられないほどの価値がある物事を指し、タダは値段がつけられていない物を指すという違いがあります。後者の場合、価値がないものも該当します。
プライスレスとタダの英語表記の違い
プライスレスを英語にすると「priceless」となり、例えば上記の「プライスレスな思い出」を英語にすると「priceless memories」となります。
一方、タダを英語にすると「free」「for nothing」となり、例えば上記の「タダで提供する」を英語にすると「provide free」となります。
プライスレスの意味
プライスレスとは
プライスレスとは、金では買えないような非常に貴重なことを意味しています。
プライスレスの使い方
プライスレスを使った分かりやすい例としては、「青春はプライスレスであり貴重な思い出だ」「プライスレスを重視することがお客様を喜ばせることに繋がる」「他者にとって無価値でも私にとってはプライスレスだ」などがあります。
その他にも、「今回の経験はプライスレスなものになった」「小さい頃に両親にプレゼントした手紙は両親にとってプライスレスなのだろう」「プライスレスな思い出になれるようお力添えできるサービスを目指したい」などがあります。
プライスレスは英語で「priceless」と表記され、「極めて貴重な」「何にも代えがたい」といった意味を持ちます。本来「less」は「無い」を表しますが、「価格が無い」ではなく、「価格をつけることができない」という意味で使われています。
日本では、「マスターカード」がプライスレスをキャッチコピーの一部として展開したことから、CMが放送されていた1997年頃から日常的にも多く使われるようになったと言われています。
形のあるものだけではなく、その時得た驚きや喜びといった感情、思い出や経験など、個人的に貴重だと思うものに対して使われるため、必ずしも金銭的に大きな価値があるものを指すわけではありません。
プライスレスの対義語
プライスレスの対義語・反対語としては、価値がないことを意味する「無価値」、役に立たないことや行動の結果が現れないことを意味する「無駄」があります。
プライスレスの類語
プライスレスの類語・類義語としては、ただ一つのみであり二つとないことを意味する「唯一無二」、比べられるものがない状態を意味する「比類ない」、ただ一つであることを意味する「オンリーワン」などがあります。
タダの意味
タダとは
タダとは、代金のいらないことを意味しています。
その他にも、報酬の無いことを意味する言葉として使われています。
タダの使い方
「タダ・ネイティブにとっては人に聞くことより調べる方が先のようだ」「タダで野菜を譲ってもらえるのは田舎のメリットかもしれない」「タダ」などの文中で使われているタダは、「無料」の意味で使われています。
一方、「タダで協力しろと言われても事の次第によっては難しい」「タダ働きを強いられるブラック企業は早いところ辞めるべきだ」「タダでしてもらおうとは思っていない」などの文中で使われているタダは、「無報酬」の意味で使われています。
タダの漢字表記
タダは漢字で「只」と表記され、「値打ちや意味がないこと」「そのままであること」を意味します。この漢字を分解した「ロハ」という俗語も「無料」を表す言葉として使われていますが、漢字表記のまま使われることは滅多にありません。
「タダ・ネイティブ」の意味
上記例文の「タダ・ネイティブ」とは、金銭や時間、労力を費やさずに無料で様々なコンテンツを楽しむ世代を指す言葉です。インターネットがあるのが当たり前の環境で生まれ育った世代を意味する「デジタルネイティブ」をもじって作られたとされています。
タダの対義語
タダの対義語・反対語としては、料金が必要であることを意味する「有料」、受けた利益に対して代価を支払うことを意味する「有償」があります。
タダの類語
タダの類語・類義語としては、利益のないことを意味する「無益」、代金を払う必要がないことを意味する「無銭」、賃金や料金を払わないことや支払う必要がないことを意味する「無賃」などがあります。
プライスレスの例文
この言葉がよく使われる場面としては、金では買えないような非常に貴重なことを意味する時などが挙げられます。
どの例文のプライスレスも、何にも代えがたく、非常に貴重な物事に対して使われますが、その基準は主観的なものであるため、人によって価値の判断が大きく異なる場合があります。
タダの例文
この言葉がよく使われる場面としては、代金のいらないことを意味する時などが挙げられます。
例文1の「タダより高い物はない」とは、代金を支払わなくてもいいものや非常に安価なものであっても一時的であり、後になって相応の対価を支払うことになるものだという戒めの意味を持つ言葉です。
プライスレスとタダは、どちらも「金銭の掛からない物事」を表します。どちらを使うか迷った場合は、価値のあるものを表す場合は「プライスレス」を、価値のないものを表す場合は「タダ」を使うと覚えておけば間違いありません。