似た意味を持つ「少ない」(読み方:すくない)と「少い」(読み方:わかい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「少ない」と「少い」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「少ない」と「少い」の違い
「少ない」と「少い」の意味の違い
「少ない」と「少い」の違いを分かりやすく言うと、「少ない」とは数量や程度などが小さいこと、「少い」とは経験が少なく未熟であることという違いです。
「少ない」と「少い」の使い方の違い
一つ目の「少ない」を使った分かりやすい例としては、「観客が少ないのはチームが最下位確定したからだろう」「少ないチャンスをものにすることができて良かったです」「お小遣い1万円は少ないと思う」「それをできる人はごく少ない」などがあります。
二つ目の「少い」を使った分かりやすい例としては、「彼はまだ少いので今後の成長を見守ろう」「私の息子はまだ少いです」「彼女は考え方が少いと思います」「すぐ気持ちが顔に出るようではまだ少いな」「彼女はまだ少いです」などがあります。
「少ない」と「少い」の使い分け方
「少ない」と「少い」は似た言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。
「少ない」は「すくない」と読み、数量や程度などが小さいことを表している言葉です。
一方、「少い」は「わかい」と読み、経験が少なく未熟であることを表しているというのが違いになります。そのため「すくい」や「しょうい」などど読むのは誤用なので、間違えないに注意しましょう。
「少ない」と「少い」の英語表記の違い
「少ない」を英語にすると「few」「little」となり、例えば上記の「それをできる人はごく少ない」を英語にすると「Very few can do it」となります。
一方、「少い」を英語にすると「young」「childish」「immature」となり、例えば上記の「彼女はまだ少いです」を英語にすると「She is a young child」となります。
「少ない」の意味
「少ない」とは
「少ない」とは、数量や程度などが小さいことを意味しています。
「少ない」の漢字表記
「少ない」を漢字にすると「尠い」や「寡い」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、「少ない」の方を使うようにしましょう。
表現方法は「量が少ない」「数が少ない」
「量が少ない」「数が少ない」などが、「少ない」を使った一般的な言い回しになります。
「少ない」の使い方
「少ない」を使った分かりやすい例としては、「台風の影響で今年は収穫量が少ない」「このやり方は危険が少ないです」「新しい車はガソリンの消費が少ないので燃費がいいです」「今月は収入が少ないので節約する必要がありそうだ」などがあります。
「少ない」は数量や程度などが小さいことを意味する言葉です。
「少ない」は基本的に数量に関して使うことの方が多い言葉になります。また、「少なくない」の形にすると、本来少ないと思われていたことがそうではなかったということに、驚きや意外の意を込めて使うことも可能です。
「少ない」の対義語
「少ない」の対義語・反対語としては、数や量がたくさんあることを意味する「多い」があります。
「少ない」の類語
「少ない」の類語・類義語としては、数量や程度が僅かであることを意味する「少し」、 数量や程度などがほんの少しであることを意味する「僅か」、やっと感じ取れる程度であることを意味する「微か」、程度が軽いことを意味する「軽度」などがあります。
「少い」の意味
「少い」とは
「少い」とは、経験が少なく未熟であることを意味しています。
「少い」の読み方
「少い」の読み方は「わかい」です。誤って「しょうい」「すくい」などと読まないように気をつけましょう。
「少い」の使い方
「少い」を使った分かりやすい例としては、「彼は年の割に体が少いです」「少い頃はアイスクリームが大好きでした」「彼女には少い子供が二人います」「私は少い頃からアイドルに憧れていました」「彼は少い頃に心臓の手術をしました」などがあります。
「少い」は経験が少なく未熟であることを意味する言葉です。
「少い」は上記にも記載したように「わかい」と呼ぶ言葉になります。また、数量や程度などが小さいことを意味する「少ない」の「な」を省略した言葉と考える人もいますが、それも誤用なので間違えないように注意しましょう。
「少い」は実際の年齢が「少い」だけではなく、「彼は二十歳を超えたのにも関わらず少」のように、精神的に未熟な場合にも使うことができます。
「少い」の注意点
「少い」を使う上で注意しなければならないのは、公用文では使えないという点です。なぜなら、「わかい」という読み方が常用漢字表に載っていない読み方だからです。
常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。
常用漢字はあくまで漢字使用の目安であって制限ではないので、常用漢字以外は使えないというわけではありません。ただし、公用文や新聞などでは常用漢字を使用するのが好ましいとされています。
「少い」の類語
「少い」の類語・類義語としては、世慣れていないことを意味する「若い」、幼少であることを意味する「幼い」、経験や修練がまだ十分ではないことを意味する「未熟」などがあります。
「少ない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、数量や程度などが小さいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「少ない」は様々な場面で使うことができる言葉です。
「少い」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、経験が少なく未熟であることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「少い」は、公用文では使うことができません。
「少ない」と「少い」は似た言葉ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、数量や程度などが小さいことを表現したい時は「少ない」を、経験が少なく未熟であることを表現したい時は「少い」を使うと覚えておきましょう。