似た意味を持つ「オンタイム」と「リアルタイム」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「オンタイム」と「リアルタイム」という言葉は、「時間を表現する言葉」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
オンタイムとリアルタイムの違い
オンタイムとリアルタイムの意味の違い
オンタイムとリアルタイムの違いを分かりやすく言うと、オンタイムは決まった時間通りであることを表現する時に使い、リアルタイムは同時進行であることを表現する時に使うという違いです。
オンタイムとリアルタイムの使い方の違い
一つ目のオンタイムを使った分かりやすい例としては、「天候による影響をオンタイムパフォーマンスは受けやすいと思っている」「オンタイムで企画を進められており安心した」「オンタイムでなければ連絡するのは失礼だろう」などがあります。
二つ目のリアルタイムを使った分かりやすい例としては、「リアルタイムで視聴するために今日は早く帰りたいところだ」「リアルタイム検索で今は何が話題なのか把握している」「リアルタイム処理によって安全装置が働いている」などがあります。
オンタイムとリアルタイムの使い分け方
オンタイムとリアルタイムはどちらも、時間を表現する言葉ですが、使い方が若干異なります。
オンタイムは、到着や実行などが定められた時間通りである様子を表す言葉です。そのため、必ずしも同時進行的に物事が進められているとは限りません。その他にも、勤務中や就業時間を表す言葉としても使われています。
一方のリアルタイムは、実際に現在起きている様子や物事が進められている様子を表す言葉です。また、「リアタイ」と省略して使われることもあり、「リアタイする」と動詞のように用いられることもあります。
つまり、オンタイムは定刻通りである様子を表し、リアルタイムは実時間である様子を表すという違いがあります。そのため、オンタイムをリアルタイムに置き換えて使うことも、リアルタイムをオンタイムに置き換えて使うことも出来ません。
オンタイムとリアルタイムの英語表記の違い
オンタイムを英語にすると「on time」「on-time」となり、例えば上記の「オンタイムパフォーマンス」を英語にすると「on-time performance」となります。
一方、リアルタイムを英語にすると「real time」となり、例えば上記の「リアルタイムで」を英語にすると「in real time」となります。
オンタイムの意味
オンタイムとは
オンタイムとは、定刻通りを意味しています。
その他にも、就業時間や勤務中を意味する言葉として使われています。
オンタイムの使い方
「オンタイムパフォーマンスに関する統計と利益の比較の資料を作成する」「オンタイムで進行できており若干余裕があるほどだ」「オンタイムではない場合も落ち着いて対処する」などの文中で使われているオンタイムは、「定刻通り」の意味で使われています。
一方、「オンタイムでも着用できる衣類を探している」「オンタイムでなければ基本的に連絡は取らない」「取引先の担当者がオンタイムかどうか確認せずともメッセージは送れる」などの文中で使われているオンタイムは、「勤務中」の意味で使われています。
オンタイムは英語で「on time」と表記され、「時間通りに」「定刻に」「後払いで」「分割払いで」といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われますが、「後払い」を意味する言葉として使われることはありません。
表現方法は「オンタイムパフォーマンス」「オンタイムでも着用」
上記例文の「オンタイムパフォーマンス」とは、決められた時刻通りに公共交通機関が運行されることを表す言葉で、「オンタイムランニング」「定時運行」「定時運航」とも呼ばれています。主に、航空機、バスや電車に対して使われる言葉です。
また、上記例文の「オンタイムでも着用」「オンタイムでなければ」などのように使う場合には「勤務中」「就業時間」を表す言葉として、ビジネスシーンにて使われています。
オンタイムの対義語
オンタイムの対義語・反対語としては、予定の期日や時間に遅れることを意味する「遅延」、休暇や就業時間外を意味する「オフタイム」があります。
オンタイムの類語
オンタイムの類語・類義語としては、一定の時刻や時期を意味する「定時」、いつもの決まった時間を意味する「例刻」、定められた時刻を意味する「刻限」、あらかじめ決められた終了期日を意味する「締切」などがあります。
リアルタイムの意味
リアルタイムとは
リアルタイムとは、同時や即時を意味しています。
リアルタイムの使い方
リアルタイムを使った分かりやすい例としては、「リアルタイムで追っていた作品が完結して感慨深い」「かつてリアルタイム放送で見ていたが配信でもう一度見たい」「リアルタイムで中継されるため映り込む可能性がある」などがあります。
その他にも、「リアルタイムOSの代表例と言えば車の自動ブレーキシステムだろうか」「リアルタイムクロックのおかげでいつパソコンを立ち上げても時間が正確だ」「リアルタイム処理ではなくバッチ処理のため時間が掛かるようだ」などがあります。
リアルタイムは英語で「real time」と表記され、「実時間」といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われており、「リアタイ」と省略して使われることもあります。
表現方法は「リアルタイムで追っていた作品」「リアルタイム放送」
上記例文の「リアルタイムで追っていた作品」「リアルタイム放送」「リアルタイムで中継される」などのように、同時に行われることやその瞬間を表す言葉として使われており、「リアルタイム放送で見る」は「リアタイする」と省略して表現されることもあります。
また、上記例文の「リアルタイムOS」は、時間内に処理が実行できるシステムを構築するためのシステムを指す言葉で、「RTOS」と表記されることもあります。優先度の高い処理を実行することができるため、人命を守るためにも重要とされています。
リアルタイムの対義語
リアルタイムの対義語・反対語としては、受信した時刻の表示をずらして使用する機能を意味する「タイムシフト」、一定のデータを集めて処理する方法を意味する「バッチ処理」があります。
リアルタイムの類語
リアルタイムの類語・類義語としては、同時であることを意味する「サイマル」、現在行われていることを意味する「現行」、実際に行うことを意味する「履行」、現今やこの頃を意味する「当節」、現在や目下を意味する「現下」などがあります。
オンタイムの例文
この言葉がよく使われる場面としては、定刻通りを意味する時などが挙げられます。
例文4や5のように、「勤務中」「就業時間」を表す言葉としても使われています。
リアルタイムの例文
この言葉がよく使われる場面としては、同時や即時を意味する時などが挙げられます。
どの例文のリアルタイムも、オンタイムに置き換えて使うことはできません。
オンタイムとリアルタイムは、どちらも「時間を表現する言葉」です。どちらを使うか迷った場合は、決まった時間通りである場合は「オンタイム」を、同時進行である場合や即自的である場合は「リアルタイム」を使うと覚えておけば間違いありません。