【直行直帰】と【出張】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「直行直帰」(読み方:ちょっこうちょっき)と「出張」(読み方:しゅっちょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「直行直帰」と「出張」という言葉は、どちらも「普段の職場とは違う場所で仕事をすること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




直行直帰と出張の違い

直行直帰と出張の意味の違い

直行直帰と出張の違いを分かりやすく言うと、直行直帰とは職場に寄らずに仕事の現場を往復することを表し、出張とは遠い場所へ赴いて仕事をすることを表すという違いです。

直行直帰と出張の使い方の違い

一つ目の直行直帰を使った分かりやすい例としては、「明日は現場に直行直帰します」「直行直帰届のテンプレートを作成しました」「判例の基準に従って直行直帰の労働時間を規定する」「直行直帰時に交通費は支給されますか」などがあります。

二つ目の出張を使った分かりやすい例としては、「初めての海外出張なので緊張しています」「出張時の食事代の勘定科目を会計士に確認する」「出張報告書の書き方を先輩社員に教えてもらう」「インボイス制度の出張旅費特例とは何ですか」などがあります。

直行直帰と出張の使い分け方

直行直帰と出張という言葉は、どちらも業務を行うために普段の勤務地とは異なる場所に出向くことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

直行直帰とは、会社に行かずに直接業務の現場へ向かい、業務終了後はそのまま現場から直接自宅に帰ることを意味します。直行直帰は、営業職や運送業などでよく見られる就業形態です。また、朝一番に取引先を訪問しなくてはいけないときにも、この直行直帰が行われています。

出張とは、職務のために、自分の勤務先でない場所に臨時的に出向くことを意味します。類似の働き方に「外勤」がありますが、出張は外勤に比べて遠い場所へ赴く場合に使用されています。出張となる移動距離に法律上の定義はありませんが、企業ごとに基準が定められています。

つまり、直行直帰と出張の違いは、普段の職場に立ち寄るかどうかです。直行直帰は職場に寄らずに仕事の現場を往復することですが、出張は遠い場所へ赴いて仕事をすることであり、普段の職場に立ち寄るかどうかは関係ありません。

したがって、出張時に直行直帰する場合もあれば、会社から出張に出向いたり、出張の帰りに職場に立ち寄るケースもあります。

直行直帰と出張の英語表記の違い

直行直帰を英語にすると「direct‐attendance and direct‐return」「go straight to the client site and right back home」となり、例えば上記の「明日は直行直帰します」を英語にすると「I will go straight to the client site and right back home tomorrow.」となります。

一方、出張を英語にすると「official trip」「business trip」「tour of duty」となり、例えば上記の「海外出張」を英語にすると「overseas business trip」となります。

直行直帰の意味

直行直帰とは

直行直帰とは、自宅から直接仕事の現場に行き、業務終了後は会社に戻ることなく直接自宅に帰ることを意味しています。

直行直帰の読み方

直行直帰の読み方は「ちょっこうちょっき」です。誤って「ちょくぎょうちょくき」などと読まないようにしましょう。

直行直帰の使い方

直行直帰を使った分かりやすい例としては、「直行直帰でも残業代は出ますか」「遠い現場は直行直帰にして欲しい」「営業で直行直帰を行う場合のデメリットを考える」「厚生労働省が直行直帰の労働時間に関する指針を示す」などがあります。

その他にも、「英語圏にも直行直帰の働き方は存在します」「千葉県の直行直帰OKの求人情報をチェックする」「上司の方針で急に直行直帰が禁止になりました」「直行直帰時のアルコールチェックはどうしたらよいですか」などがあります。

直行直帰の「直行」は途中で寄り道をしないで目的地まで行くこと、「直帰」は出先での勤務が終わった後に職場に戻らずそのまま家に帰ることを表します。直行直帰とは、会社に行かずに営業先や作業現場へ向かい、終業後はそのまま現地から直接自宅に帰ることを意味します。

直行直帰のメリット

直行直帰という働き方のメリットには、通勤時間の短縮や交通費の節約などが挙げられます。一方、直行直帰により業務プロセスの把握が難しくなったり、コミュニケーション不足になりがちなどのデメリットもあります。

直行直帰の対義語

直行直帰の対義語・反対語としては、出先から自分の会社に帰ることを意味する「帰社」などがあります。

直行直帰の類語

直行直帰の類語・類義語としては、勤務先へでかけることを意味する「出勤」、勤務が終わって勤め先から退出することを意味する「退勤」、ノーリターンの略語で出かけたまま戻らないことを意味する「NR」などがあります。

出張の意味

出張とは

出張とは、会社や役所などの仕事で、他の地域や場所に臨時に派遣されることを意味しています。

出張の使い方

出張を使った分かりやすい例としては、「出張の際に準備すべき持ち物を紹介します」「海外出張でも通用する英語力を養う」「出張時の日当の考え方を教えてください」「出張の移動時間は労働時間にカウントされますか」などがあります。

その他にも、「不要になった冷蔵庫を出張買取してもらいました」「出張カメラマンに七五三の写真を撮ってもらう」「区役所の出張所でできることは限られています」「中小企業における出張手当の相場を調べています」などがあります。

出張の語源

出張の語源は、戦いのために他の場所へ出向くことを意味する和語の「出張り」(読み方:でばり)に由来します。音読みの「出張」が江戸時代末期まで並用されていましたが、明治時代以降に「出張」は官庁用語として定着し、「出張り」は使われなくなりました。

「出張手当」の意味

出張を用いた日本語には「出張手当」があります。出張手当とは、従業員が出張に伴って発生する経済的負担や肉体的負担に対して支払われる手当です。出張手当は、経理上の扱いでは「旅費交通費」に分類され、毎月支払われる給与と異なるので、所得税の課税対象にはなりません。

出張の対義語

出張の対義語・反対語としては、一時離れていた自分の任地や任務に戻ることを意味する「帰任」などがあります。

出張の類語

出張の類語・類義語としては、ある期間その土地や国に行って働くことを意味する「出稼ぎ」、出向いて行くことを意味する「出向」、試合や調査などのために遠方に行くことを意味する「遠征」、仕事で海外へ赴きそこで勤務することを意味する「海外出張」などがあります。

直行直帰の例文

1.出先が少し遠いところなので、今日は直行直帰になり助かりました。
2.古い体質である私の会社では、訪問先への直行直帰は禁止されています。
3.直行直帰の働き方には、労働時間の正確な把握が難しいというデメリットがあります。
4.トラブルを招かないように、直行直帰の勤務時間や残業代のルールをきちんと決めておきましょう。
5.すべての出張や直行直帰について、みなし労働時間制を適用できるわけではありません。

この言葉がよく使われる場面としては、会社に出勤せずに自宅から営業先や作業現場などへ出向き、仕事が終わったら直接自宅に帰ることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、直行直帰という言葉は、ビジネスシーンで使用されることがほとんどです。

出張の例文

1.夫は出張が多いので、オリジナルの持ち物リストを作ってチェックしながら荷造りしています。
2.出張手当の対象となる距離は会社によって異なるので、出張旅費規程を確認しましょう。
3.英語ができないのに海外出張を命ぜられ、不安と緊張で胃が痛いです。
4.公務員はどこからどこまでが出張になると定義されているのか、あなたはご存知でしょうか。
5.出張の期間は、短ければ日帰りや数日間で終わりますが、数カ月にわたる長期出張になることもあります。

この言葉がよく使われる場面としては、職務によって臨時に派遣されること、用務のために他の場所へ出向くことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、出張という言葉は、主にビジネスシーンで用いられています。

直行直帰と出張という言葉は、どちらも「普段の職場とは違う場所で仕事をすること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、職場に寄らずに現場を往復することを表現したい時は「直行直帰」を、職場から遠い場所で仕事をすることを表現したい時は「出張」を使うようにしましょう。

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