似た意味を持つ「欠課」(読み方:けっか)と「欠席」(読み方:けっせき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「欠課」と「欠席」という言葉は、どちらも「授業を受けないこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
欠課と欠席の違い
欠課と欠席の意味の違い
欠課と欠席の違いを分かりやすく言うと、欠課とは授業を受けないことのみを表し、欠席とは授業を受けないことだけでなく学校を休むことも表すという違いです。
欠課と欠席の使い方の違い
一つ目の欠課を使った分かりやすい例としては、「欠課が多いので単位を落とすかもしれない」「欠課数の計算方法を確認する」「遅刻と早退は3回で欠課1時間になります」「欠課時数が1/3をオーバーすると留年確定です」などがあります。
二つ目の欠席を使った分かりやすい例としては、「無断で欠席してはいけません」「明日の会議は欠席させていただきます」「面接で欠席日数が多い理由を聞かれました」「インフルエンザによるお休みは欠席扱いになりません」などがあります。
欠課と欠席の使い分け方
欠課と欠席という言葉は、どちらも授業に出席しないことや講義を受講しないことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
欠課とは、授業を欠席することを意味し、学生や生徒がある時間だけ授業に出席しないことを表す言葉です。学校に登校していても、授業をサボったり保健室で休んだりしたら欠課になります。高校での欠課は教科ごとにカウントされ、ある一定の欠課時数を超えると留年することもあります。
欠席とは、出るべき席に出ないことを意味し、予定していた会合を休むことや、学生が学校を休むことを表します。また「英語の授業を欠席する」のように、ある授業に出席しないことにも使用される言葉です。
つまり、欠課とは授業を受けないことのみを表しますが、欠席とは学校を休むことや授業を受けないことを表します。二つの言葉を比べると、欠課よりも欠席の方が広い意味を持ち、汎用性のある言葉だと言えるでしょう。
欠課と欠席の英語表記の違い
欠課を英語にすると「cutting class」「absence from a class」となり、例えば上記の「欠課が多い」を英語にすると「be frequently absent from a class」となります。
一方、欠席を英語にすると「absence」「nonattendance」「default」となり、例えば上記の「無断で欠席する」を英語にすると「be absent without notice」となります。
欠課の意味
欠課とは
欠課とは、受講者がその時間の授業または講義に欠席することを意味しています。
欠課の読み方
欠課の読み方は「けっか」です。同じ読み方をする熟語に「結果」や「決河」がありますが、意味が異なるので書き間違いに注意しましょう。
欠課の使い方
欠課を使った分かりやすい例としては、「欠課届の理由に腹痛と書きました」「専門学校では欠課数を厳しくみています」「欠課時数をエクセルで管理しています」「大学に欠課届を出さないとどうなるのか知りたいです」などがあります。
その他にも、「今日の英語の授業は欠課者が多かった」「一学期の欠課時間をカウントする」「高校の欠課時数は大学受験に影響しますか」「欠課時数がオーバーすると留年する可能性があります」などがあります。
欠課の「欠」は訓読みで「かける」と読み、あるべきものが足りないことを表します。「課」は訓読みで「わりあてる」と読み、仕事や勉強などを義務として割り当てることを表す漢字です。欠課とは、課業に欠席することであり、学生や生徒がある時間だけ講義に出席しないことを意味します。
表現方法は「欠課時数」
上記の例文にある「欠課時数」とは、授業を休んだ時間数を意味する言葉です。例えば、英語の授業を1時間休んだら、英語の欠課時数は1時間ということになります。高校では科目ごとにそれぞれの欠課時数があり、授業中に保健室で休養することも欠課時数に含まれます。
欠課の対義語
欠課の対義語・反対語としては、講義や講習を受けることを意味する「受講」などがあります。
欠課の類語
欠課の類語・類義語としては、予定されていた講義がとりやめになることを意味する「欠講」、教師が講義を休むことや講義がないことを意味する「休講」、会社や学校を定刻より早く退出することを意味する「早退」、決められた時刻に遅れることを意味する「遅刻」などがあります。
欠席の意味
欠席とは
欠席とは、出席すべき会合などに出ないこと、また、生徒や学生が学校を休むことを意味しています。
欠席の漢字表記
欠席は「闕席」とも書きますが、一般的には常用漢字を用いた「欠席」と表記されています。
欠席の使い方
欠席を使った分かりやすい例としては、「学校を休んだ友達に欠席理由を尋ねる」「体調不良のため英語の授業を欠席しました」「所用のため欠席させていただきます」「欠席届の書き方を教えてください」「欠席連絡はメールではなく電話でお願いします」などがあります。
その他にも、「成人式の欠席を後悔しています」「今回は都合がつかずに欠席で返信しました」「ビジネスフォーラムはやむを得ず欠席しました」「欠席時対応加算について説明します」「職場で欠席裁判が多くて困っています」などがあります。
欠席の「席」は座る場所を表し、転じて、会合などの場を意味します。必要なものが抜けていることを表す「欠」と組み合わさり、欠席とは、出席を予定していた会合などに行かないことや、生徒が学校を休むことを意味します。
表現方法は「欠席裁判」
欠席を用いた日本語には「欠席裁判」があります。欠席裁判とは、刑事訴訟で例外として行なわれる被告人が欠席したままでする裁判のことです。また、ある人に関わる事柄を本人不在のまま決めてしまったり、その場にいない人を批判したりしたり悪口を言うことの意味もあります。
欠席の対義語
欠席の対義語・反対語としては、会合や学校の授業などに出ることを意味する「出席」などがあります。
欠席の類語
欠席の類語・類義語としては、勤めを休むことや出勤すべき日に出勤しないことを意味する「欠勤」、病気のために欠席や欠勤をすることを意味する「病欠」、出場するはずの場所に出ないことを意味する「欠場」、参加しないことや出席しないことを意味する「不参加」などがあります。
欠課の例文
この言葉がよく使われる場面としては、授業や講義に、ある時間だけ出席しないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、欠課の慣用的な言い回しには「欠課扱い」「欠課時数」「欠課が多い」などがあります。「欠課扱い」とは、実際には授業に出席しているにも関わらず、何らかの理由でその授業を欠席しているものとすることを意味します。
欠席の例文
この言葉がよく使われる場面としては、出ることになっていた会合などに出ないこと、生徒や学生が学校を休むことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、欠席の慣用的な言い回し、慣用的な表現には「欠席メール」「欠席扱い」「欠席日数」などがあります。
例文3にある欠席と休みの違いは、欠席は出席するはずの学校や会議などを休む場合に使用されるフォーマルな言葉であり、休みはそれ以外にも幅広い場面で使用できるカジュアルな言葉である点です。
欠課と欠席という言葉は、どちらも「授業を休むこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ある授業だけ休むことを表現したい時は「欠課」を、学校を休むことを表現したい時は「欠席」を使うようにしましょう。