似た意味を持つ「ポンコツ」(読み方:ぽんこつ)と「天然」(読み方:てんねん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ポンコツ」と「天然」という言葉は、どちらも意図せずとぼけた言動をすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ポンコツ」と「天然」の違い
「ポンコツ」と「天然」の意味の違い
「ポンコツ」と「天然」の違いを分かりやすく言うと、「ポンコツ」よりも「天然」の方が親しみを持って使うことが多いという違いです。
「ポンコツ」と「天然」の使い方の違い
一つ目の「ポンコツ」を使った分かりやすい例としては、「ポンコツなのでもう直らないかもしれませんね」「部下がポンコツなのでどうしたらいいか頭を抱えています」「このテーブルはもうポンコツだ」「彼はもうポンコツです」などがあります。
二つ目の「天然」を使った分かりやすい例としては、「天然に産出するダイヤモンドの価値は計り知れない」「我が国は天然資源が豊富です」「彼女の性格は天然と言ってもいいだろう」「彼の髪の毛は天然パーマです」などがあります。
「ポンコツ」と「天然」の使い分け方
「ポンコツ」と「天然」はどちらも意図せずとぼけた言動をすることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「ポンコツ」は使えない人やスキルが劣っているというニュアンスで、悪意を持って使われることもあります。したがって、「天然」よりもマイナスのイメージで使うことが多いと覚えてきましょう。
一方、「天然」はドジっ子のようなニュアンスで、親しみを持って使われることが多い言葉になります。したがって、「ポンコツ」よりもプラスのイメージで使うことが多いというのが違いです。
ただし、どちらも人によって不快に思うこともある言葉なので、使う際には十分に気をつける必要があります。
「ポンコツ」と「天然」の英語表記の違い
「ポンコツ」を英語にすると「worn-out article」「decrepit」となり、例えば上記の「彼はもうポンコツです」を英語にすると「He is a decrepit old man now」となります。
一方、「天然」を英語にすると「natural」となり、例えば上記の「彼の髪の毛は天然パーマです」を英語にすると「His hair curls naturally」となります。
「ポンコツ」の意味
「ポンコツ」とは
「ポンコツ」とは、使い古したり壊れたりしたもののことを意味しています。その他にも、スキルが不足している人のことの意味も持っています。
表現方法は「」「」「」
「ポンコツな人」「ポンコツ女」などが、「ポンコツ」を使った一般的な言い回しになります。
「ポンコツ」の使い方
「ポンコツの機械なので廃棄処分することにしました」「このテレビはポンコツなので買い替えよう」などの文中で使われている「ポンコツ」は、「使い古したり壊れたりしたもののこと」の意味で使われています。
一方、「彼はポンコツだから重要なことを任せない方がいいだろう」「彼女はポンコツだが守って上げたくなります」などの文中で使われている「ポンコツ」は、「スキルが不足している人のこと」の意味で使われています。
「ポンコツ」は使い古したり壊れたりしたもののことと、スキルが不足している人のことの二つの意味を持つ名詞です。
「ポンコツ」の語源
「ポンコツ」は元々、げんこつで殴ったときの音という意味で使われていた言葉でした。古くなった自動車をハンマーなどで殴って解体するため壊れかかった自動車のことを「ポンコツ車」と言っていたのです。
これが時代に経つにつれて使い古したり壊れたりしたもののことを指して物全体に使うようになり、さらに転じて、能力やスキルを劣る人に対して使うようになったのが現代の「ポンコツ」になります。
したがって、「ポンコツ」を人に使う際には、スキルや能力が劣っている使えない人というマイナスなイメージを伴っていると覚えておきましょう。ただし、守って上げたくなるような親しみを込めて使う場合にもあります。
「ポンコツ」の類語
「ポンコツ」の類語・類義語としては、災害などで建物などがもとの形がわからないほどすっかりこわれることを意味する「全壊」、形が崩れていることを意味する「グシャグシャ」、もろく崩れたり砕けたりすることを意味する「ボロボロ」などがあります。
「天然」の意味
「天然」とは
「天然」とは、自然のままであることを意味しています。その他にも、生まれつきのことや意図せずとぼけた言動をすることの意味も持っています。
「天然」の使い方
「ここは天然の良港です」「ここは天然ガスを産出できます」などの文中で使われている「天然」は、「自然のままであること」の意味で使われています。
一方、「彼女は天然の美声の持ち主です」「私は天然だとよく他人から言われます」などの文中で使われている「天然」は、「生まれつきのことや意図せずとぼけた言動をすること」の意味で使われています。
「天然」は自然のままであること、生まれつきのこと、意図せずとぼけた言動をすることを意味する名詞です。自然のままであることの意味は物質や資源などの自然界にあるものに対して使います。
一方、生まれつきのことや意図せずとぼけた言動をすることの意味は人に対して使うと覚えておきましょう。
「天然」の特徴
「天然」を人に対して使用する場合は、基本的に可愛らしいやうっかりさんなどのような親しみを込めて使うのが一般的です。したがって、プラスのイメージを伴って使うのが一般的です。
ただし、人によってはマイナスのイメージで捉えることもあるので、使う際には十分注意が必要になります。基本的には親しい間柄のみで使えばトラブルに発展することは少ないでしょう。
「天然」の対義語
「天然」の対義語・反対語としては、自然の事物や現象に人間が手を加えることを意味することを意味する「人工」があります。
「天然」の類語
「天然」の類語・類義語としては、人間の手の加わらないそのもの本来のありのままの状態のことを意味する「自然」があります。
「ポンコツ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、使い古したり壊れたりしたもののことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、スキルが不足している人のことを表現したい時にも使います。
例文1と例文2は使い古したり壊れたりしたもののこと、例文3から例文5はスキルが不足している人のことの意味で使っています。
「天然」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自然のままであることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、生まれつきのことや意図せずとぼけた言動をすること表現したい時にも使います。
例文1から例文3は自然のままであること、例文4は生まれつきのこと、例文5は意図せずとぼけた言動をすることの意味で使っています。
「ポンコツ」と「天然」はどちらも意図せずとぼけた言動をすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「ポンコツ」よりも「天然」の方が親しみを持って使うことが多いと覚えておきましょう。