【勝つ】と【克つ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「かつ」という読み方の「勝つ」と「克つ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「勝つ」と「克つ」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「勝つ」と「克つ」の違い

「勝つ」と「克つ」の意味の違い

「勝つ」と「克つ」の違いを分かりやすく言うと、「勝つ」は相手がいる場合に使う、「克つ」は自分自身に使うという違いです。

「勝つ」と「克つ」の使い方の違い

一つ目の「勝つ」を使った分かりやすい例としては、「ストレートで試合に勝つことができた」「利き酒で彼に勝つ者はこの会社にいません」「彼の絵はどれも赤色が勝っている気がします」「訴訟に勝つことができました」などがあります。

二つ目の「克つ」を使った分かりやすい例としては、「病気に克つことができて本当に良かったです」「己の欲望に克つ」「スポーツ選手は自己に打ち克つ力が必要だと思っています」「誘惑に克つことができました」などがあります。

「勝つ」と「克つ」の使い分け方

「勝つ」と「克つ」は同音の言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「勝つ」は戦ったり競い合ったりした結果、相手より優位な立場を占めることを意味しており、「兄との喧嘩に勝つ」「試合に勝つことができました」などように使います。つまり、相手がいる場合に使う言葉です。

一方、「克つ」はそうしたい欲求などを努力して抑えることを意味しており、「お菓子の誘惑に克つことができました」「難病に克つことができた」などのように、克服や克己のニュアンスで使います。つまり、自分自身に対して使う言葉というのが違いです。

「勝つ」と「克つ」の英語表記の違い

「勝つ」を英語にすると「win」「beat」「surpass」となり、例えば上記の「訴訟に勝つ」を英語にすると「win a suit」となります。

一方、「克つ」を英語にすると「get the better of」「overcome」となり、例えば上記の「誘惑に克つ」を英語にすると「overcom temptation」となります。

「勝つ」の意味

「勝つ」とは

「勝つ」とは、戦ったり競い合ったりした結果、相手より優位な立場を占めることを意味しています。その他にも、比べてみて相手より勝ること、利益を得ること、全体の中でその要素や傾向が他より強く認められること、仕事や責任などがその人の力量を超えていることの意味も持っています。

「勝つ」の漢字表記

「勝つ」の別表記として「贏つ」がありますがあまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、「勝つ」の方を使うようにしましょう。

「勝つ」の使い方

「販売競争に勝つことができました」「学力では彼の方が勝っている」などの文中で使われている「勝つ」は、「戦ったり競い合ったりした結果、相手より優位な立場を占めることや比べてみて相手より勝ること」の意味で使われています。

一方、「宝くじに勝つことができました」「この服は赤みの勝った色だ」などの文中で使われている「勝つ」は、「利益を得ることや全体の中でその要素や傾向が他より強く認められること」の意味で使われています。

「勝つ」は複数の意味を言葉ですが、基本的には他よりもよりすぐれていることを示すというニュアンスで使います。

「勝つ」の特徴

「勝つ」は「試合に勝つ」のような物理的なものだけではく、「理性に勝つ」「青色が勝つ」などのような抽象的なもの対しても使えることができるというのが特徴です。

また、「勝つ」はプラスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「勝つ」の対義語

「勝つ」の対義語・反対語としては、相手と戦ったり争ったりした結果、力の劣った立場になることを意味する「負ける」があります。

「勝つ」の類語

「勝つ」の類語・類義語としては、戦いや争いなどで相手に勝つことを意味する「勝利」、手に入れることを意味する「得る」などがあります。

「克つ」の意味

「克つ」とは

「克つ」とは、そうしたい欲求などを努力して抑えることを意味しています。

表現方法は「己に克つ」「自分に克つ」「誘惑に克つ」

「己に克つ」「自分に克つ」「誘惑に克つ」などが、「克つ」を使った一般的な言い回しになります。

「克つ」の使い方

「克つ」を使った分かりやすい例としては、「難病に克つことができるだろうか」「遊びという誘惑に克つことで志望校に合格できるだろう」「己の欲望に克つことはとても大切だと思います」「自分自身に克つためにダイエットをしている」などがあります。

「克つ」はそうしたい欲求などを努力して抑えることを意味する動詞です。

「克つ」の特徴

「克つ」は相手に勝つ場合ではなく、「己に克つ」「難病に克つ」などのように、自分自身が困難に克った場合に使う言葉になります。そのため、ポジティブなニュアンスを伴って使用するのが一般的だと覚えておきましょう。

「克つ」の類語

「克つ」の類語・類義語としては、困難や苦しみなどを乗り越えることを意味する「打ち克つ」、努力して困難に打ち克つことを意味する「克服する」、自分の感情や欲望などに打ち克つことを意味する「克己」などがあります。

「勝つ」の例文

1.今度の試合に勝つことができれば、夢の甲子園へ行くことができます。
2.実力では彼女の方が勝っているので、何か策を練る必要があります。
3.投資で勝つことができたので、今日の夕飯は豪華にするつもりです。
4.この料理は塩が勝ちすぎているのが、失敗点だと思いますよ。
5.この仕事は私には荷が勝っているので、助けてもらう必要があります。

この言葉がよく使われる場面としては、戦ったり競い合ったりした結果、相手より優位な立場を占めることを表現したい時などが挙げられます。

その他にも、比べてみて相手より勝ること、利益を得ること、全体の中でその要素や傾向が他より強く認められること、仕事や責任などがその人の力量を超えていることを表現したい時にも使います。

例文1は戦ったり競い合ったりした結果、相手より優位な立場を占めること、例文2は比べてみて相手より勝ること、例文3は利益を得ること、例文4は全体の中でその要素や傾向が他より強く認められること、例文5は仕事や責任などがその人の力量を超えていることの意味で使っています。

「克つ」の例文

1.この悲しみに克つことができたのならば、人として成長するだろう。
2.長年の治療に耐え続けたことによって、難病に克つことができました。
3.無駄遣い誘惑に克つために、外出時は余計なお金を持たないようにしています。
4.己に克つことができれば、プロ野球選手への道も一歩近づくはずです。
5.欲望に克つという心構えを両親から教わったことについて、とても感謝しています。

この言葉がよく使われる場面としては、そうしたい欲求などを努力して抑えることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「克つ」はプラスのイメージで使う言葉です。

「勝つ」と「克つ」は同音の言葉ですが使い方は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、相手がいる場合に使うのが「勝つ」、自分自身に使うのが「克つ」と覚えておきましょう。

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